強い個性とレジリエンス:その関係性とは?

2019年9月13日
レジリエンスを兼ね備えた強い個性の持ち主は、集団の中でも一際目立つ存在となります。彼らには苦境を耐え抜く強さがあり、パワフルで自らの限界について知っており、また、かなりの繊細さを持つ人々です。

強い個性とレジリエンスは、かなり密接に関連しており、この二つの特性を持つ人々は、どのように現実や苦境に対処すれば良いのかがわかっています。彼らは他人をいじめるようなことはせず、反対に、強いシールドで守られた穏やかな心の持ち主です。このシールドにより彼らは自らのベストを尽くすことができます。

“強い個性”という言葉は混乱を招きかねません。この言葉を聞くと、おそらく自らの意志を他人に押し付けるような要求の多い人物を想像してしまうことでしょう。しかし、実はこれはもっと複雑な言葉なのです。心理学では、最近この特性についての研究がなされてきており、興味深い見通しが示されています。

コーネル大学の心理学教授であるラチャーナ・カムテカールは、アリストテレスがニコマコス倫理学で述べたように、高潔な人生を歩むことは必ずしも”良い人”になることを意味するわけではない、と説明しています。これはつまり、例えば、世の中で本当に良いものは何なのかをわかっており、どの道を行くべきか、どれを避けるべきかなどを知っているということです。この習慣には、強さも必要となります。自らの本質を失わずに日々の生活に立ち向かうには、強い個性を鍛えていかなければなりません。

自己啓発の指導者たちはしばしば、楽観主義や希望が困難を克服するためのカギである、と主張しますが、実は他にもたくさんの考慮すべき特性が存在しています。強い個性を持っており、人生の浮き沈みに対処することができれば、それがかなりの強みとなるのです。これは、前向きな姿勢と感情的な安定、そして明確な目標を持つことを意味しています。

“困難な時期というのは科学的な価値があるのだ。優れた学習者たちなら見逃せない時機というのが存在するのだ。”

ラルフ・ワルド・エマーソン

強い個性 レジリエンス関係性

レジリエンスを兼ね備えた、強い個性の持ち主たちの特性

レジリエンスという概念は、かなり好意的に受け入れられるようになってきており、トラウマへの対処に関していかにレジリエンスの役割が大きいかがよく知られています。

多くの人が、個人レベルのレジリエンスには馴染みがあるようですが、では社会レベルのレジリエンスに対してはどうでしょう?ウィスコンシン大学マディソン校のカール・フォルク博士によるこちらの研究などでは、他よりも優れたレジリエンスを備えた、変化に耐えることができる社会について扱っています。こういった社会は変化に順応するだけでなく、生活や労働の新たな形を提案することができる社会でもあります。同じことは個人レベルでも起こり得ます。そしてそこに到達するための動機付けとなる力こそ、強い個性なのです。

強い個性とレジリエンスには密接的で直接的な関係性があります。とは言え、人々がこのことについて考えることはあまりありません。人道的危機を専門とする心理学者、ジェイミー・D・アテンが、この関係性のニュアンスについて説明しています。

これは単なる楽観主義ではない。むしろ、現実に向き合う能力のことだ。

レジリエンスをポジティブ心理学と結びつけて考えてしまう人は多いです。しかし、ここで考慮すべき重要なポイントがいくつか存在します。例えば、あらゆる状況下でポジティブな態度を取ることを強いられている人物は、おそらく各状況下で求められている真の要求には触れることができていないでしょう。また、そういった人々にはありのままの現実を受け入れられていない可能性もあります。

多くの人が耳にするメディアによって広められたメッセージは、人は幸せで楽観的でなければならない、というものです。まるでそれが唯一の方法であるかのように思えてしまいます。ほとんどの人が、喪失や過ち、あるいは悲しみに不寛容になってきています。しかし、強い個性を持つ人々というのは、物事をありのまま正確に捉えることができるのです。これが、レジリエンスと合わさってその人物の人生に立ちふさがる障害物を見て、受け入れ、乗り越えさせる力となっています。

現実に向き合えるほどの勇気を持てば、真のモチベーションと真の強さを手に入れることができるのです。

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希望と明確な目標

強い個性を持つ人々は、時に他人を不愉快な気持ちにさせることがあります。彼らは正直者で断固とした態度をとり、ためらうことなく不必要なものや気に入らないものを表明するところがあるからです。また、彼らは自らのニーズをはっきりと言い表します。だからと言って、他人への敬意がないというわけでは決してなく、人をいじめるようなこともしません。冒頭で述べたように、強い個性があるというのは繊細さと共感心も兼ね備えているということなのです。

また、レジリエンスと強い個性を併せ持った人々は、希望に満ちており、明確な目標を持っています。その希望が、具体的で達成可能な目標のために用いられるのです。彼らの楽観主義は、自らの価値観や目的に目を向けさせつつも、小さな一歩を踏み出し、困難を克服するための力へと昇華されます。

強い個性とレジリエンスにより、人は確実に際立った存在となることができます。こういった特性を持っていれば、自信や自負心を反映させることができるようになります。自らの信念や価値観を他者に押し付けたりせずとも、いつでも目立つ存在になれるのです。マーティン・セリグマンによる研究でも、こういった能力を磨くことであらゆる幸福感を向上させることができる、ということが示されています。

考えてみてください。あなたにもおそらくレジリエンスがあって強い個性を持った知人がいるでしょう。女手一つで子どもたちを育て上げたシングルマザーや、自分の子どもたちと過ごす時間がほとんどない父親など。もしかしたら、自らの夢を叶えようと集中しているはずなのに、いつでも時間を合わせて会ってくれるような、あなたの人生に欠かすことのできないご友人がいるかもしれませんね。こういった人々が私たちのインスピレーションとなってくれるのです。

  • CLONINGER, CR (2005). Fortalezas y virtudes del carácter: Un manual y clasificación. American Journal of Psychiatry , 162 (4), 820-a-821. https://doi.org/10.1176/appi.ajp.162.4.820-a