神経炎症、うつの炎症仮説

2018年12月9日

うつの炎症仮説を支持する研究が増えてきています。その研究によると、ストレスが原因である慢性の神経炎症とうつには関連性があると言います。どういうことかというと、血行動態やリンパの変化により、体はサイトカインを過剰に放出するようになります。これが原因となり、心の問題が生じるのです。

これは、新たな考え方だというわけではありません。うつの身体仮説と呼ばれるものの一部です。多くの人が、これが内因性のうつの発達に大きくかかわると考ています。ほんの少しの病原体や炎症性の物質が精神的に大きな影響を与えるとは信じがたいかもしれませんが、ここ数年、この考えは多く支持されています。

「流血しているものより傷が大きく深い、体に現れない傷がある。」

-ローレル・K・ハミルトン-

これに関する研究はたくさん発表されています。バッキンガム大学のブルース・チャールトンは、過剰なサイトカインとうつ病の関係を10年以上研究しています。神経科医のアントニオ・ダマシオは、「ソマティックマーカー」というものについて仮説をたてています。これは、体が脅威だと捉える特定なものに対し、身体的反応を示すというものです。例えば、頻脈、炎症、発熱が起こったとします。その後で、精神的問題が生じるのです。

これに関し、詳しく見ていきましょう。

診断を受ける女性

 

うつの炎症仮説の基本は?

道で「うつとは何か」という質問をすると、多くの人がその症状について答えるでしょう。疲労、エネルギーの欠乏、気分不良、絶望、空虚感、暗闇、悲痛、身体的痛みなどが考えられます。そこで、何がこのような状況を生み出すのかという質問をすると、答えはほとんど出てこないでしょう。

この質問は、特に医学や科学の分野において、難しい質問です。病気を引き起こす原因については、様々な意見があるということをここで言っておきましょう。さらに、うつ病にはたくさんの種類があり、ひとつの答えを出すことは難しいのです。多面的な状態であり、ひとりひとり違った症状が現れます。

ここ数年、うつの炎症仮説がその基礎を築きつつあります。それは不安やストレスの病歴をもつ人にも大きく関係します。

うつの炎症仮説

 

精神神経免疫症としてのうつ

ニュージャージーのヤンセン・リサーチ&ディベロップメントの疫学科では、14275人のうつ病患者を調査し、興味深い研究を行いました。

  • 2007~2012年の5年間にわたる調査を記録。
  • 研究の間、血液分析を何度も施行。約60%の患者は、C反応性たんぱく質の値が46%高いことが分かった。このたんぱくは炎症性の病気のサイン
  • この患者の多くが、うつに対する通常の治療に反応を示さなかった。
  • 患者は皆、ストレスと不安、またはストレスもしくは不安のどちらかを抱えていた
  • 炎症性の病気を抱える人は、免疫系が弱い兆候が見られた。傷の治りが遅く、風邪やアレルギーなどを発症しやすい。

この研究で、彼らは精神神経免疫症を患っていると結論づけられました。このようなストレス刺激に対し、体が特定の反応を示すケースでは、うつの炎症仮説は理にかなっています。血中のコルチゾールの数値が高いと、サイトカイン、血管作用性アミン、一酸化炭素、グルココルチコイドが放出されます。これらが原因となり、精神的問題へとつながるのです。

 

炎症に関わるうつのリスクを軽減するには?

うつの炎症仮説によると、その症状を予防することができます。主な原因はストレスです。不安や心配への対処法が関係します。対処しなければ、これらは慢性的になり、体はその脅威から自分を守ろうとします。それによって生化学的変化が起き、炎症が始まるまで時間はそうかかりません。

このような恐ろしい状況を避けるには、予防戦略を学ぶ必要があります。ここでいくつかご紹介しましょう。

オレンジジュース

ストレスレベルの軽減

優先順位をつけましょう。こころを休めるだけではありません。体は平穏と内なるバランスを感じる必要があります。バランスを取り、恒常性を保つには、それしかありません。自分に時間をとり、注意を向け、リラックスした時間を過ごしましょう

 

より良い食生活

炎症の元となる食べ物を避けなければなりません:砂糖、精製された麦、飽和脂肪などです。しかし次に、良い食べ物をご紹介します

  • 赤い果物:イチゴ、サクランボ、赤すぐり
  • レモンやみかん
  • ターメリック
  • ナッツ類
  • 葉物野菜
  • にんにく
  • パイナップル
  • トマト
  • ビーツ

 

定期的な運動

毎日30分から1時間のウォーキング、ランニング、水泳、ダンスなど、定期的に体を動かし、活力を与えましょう。心臓を動かし、脳に酸素を与え、エンドルフィンやセロトニンで体を温めましょう。

 

リラックス

このブログでもヨガやマインドフルネスに関する話題をよくあげています。うつの炎症仮説でも、このような方法は内なるバランスを取り戻すのに良い方法だと言われます。一番大切なのは、自分のために時間をとり、あなたがリラックスできるようにすることです

ヨガ

文章を書くこと、絵を描くこと、ただ呼吸すること、特別な人と過ごすことなどがあります。体と心が一直線に並ぶ、バランスのとれた場所を探すことが真の目的です。傷つくことはなく、心配もなく、全てが良く落ち着いた状態です。

これらを日常に取り入れましょう。努力する価値はあります。そして、人生も価値あるものになるでしょう。