知っておきたい、隠れた悲しみのサイン
悲しみのサインは、あらゆる姿にカタチを変えて隠れています。自分を守ろうとする不快な感情が悲しみで、心のバランスに大きく影響します。
多くの場合、ただの悲しみとしてではなく、怒りや機嫌の悪さ、無気力、疲労として表れます。心、体、モチベーションなど全てを隠し、全てをコントロールします。
人の笑顔の裏には、深い悲しみが隠れているとよく言われます。これは事実です。悲しみは、気付かぬうちに近寄ってくる感情のひとつです。同時に、理解しづらく対応しづらい感情でもあります。
「何も隠さず、自分は不完全であると認め、今までにないほど愛そう。悲しみ―悲しみがすべてだ」
-サム・スミス-
悲しみは、ガソリンが少なくなった時点滅する車のランプのようです。運転者はランプを見てもあまり気にしません。あまり重要でないかのように進み続けます。
そして上手くいかなくなります。エネルギーを失い、世界がいつもよりゆっくり動いているように見えます。自分が置き去りにされたかように、非現実的な妙な気持ちになり、溝にはまってしまいます。
しかし、隠れた悲しみのサインに気付くと、より素早く対応できるようになります。手がかりを見つけ受け入れることで、より上手く対処できます。悲しみの及ぼす影響を知るには、この複雑な感情をまっすぐな目で見る必要があります。
悲しみ:知られていないこと
心理学者ティム・ロスは、人が悲しみを良くないものとして見ていると言います。あまり口に出さない方がいい話題であるかのようです。悲しみを飲みこみ、いつか、その悲しみがなくなることを願います。
これに関し、ポジティブ心理学が突破口を見出しました。それは、感情には非常に複雑なものがあり、それを偏にネガティブまたはポジティブと決めることはできないというものです。これは「第二の波」とも呼ばれ、この新たな視点での研究は、私達の感情理解において非常に重要です。
例えば愛について考えてみましょう。愛する人がいると、私達は大きな喜びを感じます。それが次の瞬間、どうしようもない気持ちになることもあります。人生と同じです。感情は、一瞬にして、光から真っ暗な世界へと移ることがあります。感情はとても複雑で豊かなものなのです。
悲しみも同じです。「ネガティブ」なものだと考えられがちですが、全てを忘れさせ、私達を動かす感情でもあるのです。本当に意味のある(ポジティブな)変化につながることもあります。
隠れた悲しみのサイン
すでにお分かりかもしれませんが、悲しみのサインは様々なカタチで隠れています。人それぞれ異なるカタチで経験しますが、共通するものがいくつかあります。
続く怒りや機嫌の悪さ
極度の怒りは、悲しみの姿としてよくみられます。悲しみが解き放たれ表現されています。タイミングの悪い時に、感情の波が襲ってきたようです。悲しみの原因と向き合わない、現実を受け入れられない場合、怒りは大きくなります。不満が募り、最悪の場合、激昂してしまいます。
疲労、精神運動の低下、筋肉痛
感情は賢いもので、その中でも一番は悲しみです。重要なものを無視している時、動き始めます。脳がエネルギーの放出を減らし、「スピードを落とす」のです。自分の内を見直し、感情のもつれをほどくように促します。
そのため、悲しい時、疲労や不眠、筋肉痛を感じることがあります。スピードを落とすよう警告しているのです。
注意散漫な脳
悲しみほど他の感情に影響を与えるものはありません。隠れた悲しみのサインに注意しましょう。
- 現実から逃れようとしている注意散漫な脳は、一人になり、自分を表現できる新しい場所を探しています。悲しい時、人から離れ、世界が妙に見えるのはそのためです。愛情と自分を表現する方法を必要としています。
- 文字表現、作曲、絵を描くなどが、脳を穏やかにします。このような活動を通し、感情を注ぎ込み、悲しみに光を照らすことが必要です。
感受性豊かになる
隠された悲しみのカタチに感受性があります。人へ共感しやすくなります。頭より心へ働きかけるようになります。今まで見えなかったものが見えてきます。
窓ガラスに雨がしたたる様子を見つめます。木の葉が風に揺られるのを見て、時間を過ごします。これらの些細なことが涙となり、悲しみを解放します。
心当たりのあるサインはありましたか?悲しみを違う視点で見てみましょう。自己成長のパワーになります。内省という殻に入り、自分とつながるのを助けてくれます。自分に優しくなり、ニーズを理解し、目覚めましょう。
悲しみは、ゴールに向かって自身を変化させるためにあります。感情には多くの言葉が秘められています。耳を傾けませんか。