主観的幸福尺度とはいったい何?
幸せこそ、私たち人間が最も欲しているものです。しかしその言葉の曖昧さ故に、その具体的な定義を確立したり幸福度を効果的に評価するための手法を設計するのは困難です。それにもかかわらず、主観的幸福尺度(SHS)は、あるシンプルなプロセスを通じてこの目標を達成しています。
心理学研究が始まった当初から、その全般的な関心は人間の行動の病的でネガティブな側面に集まっていました。しかし幸運なことに社会心理学者たちは強みや能力などに関する研究に力を入れ始めています。これはある意味で社会の構成物としての幸福に焦点を当てるものとなっています。
幸福とは?
幸福は、満足感や楽しさ、そして喜びを感じている状態と描写することができるでしょう。そして人間の生活の身体的、心理的、そして社会的側面とポジティブに関わり合っています。
したがって、幸せな人々は普通の人よりも身体的に健康で強い免疫系を有しているようです。さらにこういった人は仕事や経済的な達成度、結婚生活や社交生活などを含む人生のいくつかの面でより成功をおさめています。
この関係は何かを成し遂げることで人は幸せになる、という一方向関係に思えるかもしれませんが、実はこの現象は両方向に働きます。
幸福な人々の方が意思決定が上手く、現実社会を見るときにより適応性のある解釈の仕方ができます。彼らは日々の経験に対してそれらをより活かすような形で反応しており、失敗の後の立ち直りも早いのです。つまり、その特定の思考様式や行動様式が彼らを成功に導いていると言えます。
もう一つ念頭におくべき重要なポイントが、幸福の意味するものは人によって異なるという点です。他の幸福尺度は具体的な側面を計測しようとしてきましたが、おそらく「幸せとは主観的なものである」という重要な事実を見落としていたのでしょう。
だからこそ主観的幸福尺度(SHS)はより適合度の高い視野を誇っており、人それぞれのものの感じ方を考慮したものとなっているのです。
幸福とは、実績や達成したものをただ集めて構成されるわけではありません。たとえ「全て」を所有していたとしても幸せだと感じていない人もいるのです。一方で、非常に困難な状況にいる時でさえも幸福感を感じられる人もいます。
主観的幸福尺度(SHS)
この前提を基に、今回私たちが検証していく尺度では人それぞれの主観的な幸福感の感じ方を測ります。これを実現するために使われるのがシンプルな四つの質問でできた構造です。そして回答者は自らの感情を1から7の間で評価します。
- 全般的にあなたはどれくらい幸せを感じていますか?1(非常に不幸せ)から7(非常に幸せ)の間から選んでください。
- 同年輩の人と比べて、あなたは自分がどれくらい幸せだと思いますか?1(非常に不幸せ)から7(非常に幸せ)の間から選んでください。
- 一部の人々は全般的に非常に幸せです。彼らは生活の中で起こることを自主的に楽しんでおり、どんな状況にいてもポジティブなものを見つけられます。あなたはどの程度このような特徴を持っていますか?1(全くない)から7(完全にその特徴を持っている)の間から選んで回答してください。
- 一部の人々はあまり幸せを感じていません。うつ状態にあるわけではないのに、本来あるべき幸せな状態に決してなれないようです。あなたはどの程度その特徴を持っていますか?1(完全にその特徴を持っている)から7(全くない)の間から選んで回答してください。
結果を計算するには、シンプルに4つの点数を足してその合計を4で割ります。そしてその数が今現在の主観的幸福度を示します。全体的な平均点は性別や年齢、そしてその他の個人的な特徴によって変わってきますが、だいたい4.5から5.5の間くらいになるようです。
主観的幸福尺度(SHS)の有益さ
主観的幸福度の計測ツールとして信頼性が高いため、様々な年齢、ジェンダー、そして文化の人々がこの尺度を使用してきました。その信頼性と妥当性の高さゆえ、この尺度はそれぞれの幸福の感じ方を判断するためのシンプルで役立つツールになっているのです。
さらに、この尺度から得られる点数は楽観主義や外向性といったその他の重要な特性とも相互関係があるようです。こういった特徴を持つ人々は幸福度に関してもより高い点数を獲得しやすいのです。したがって、もしこの尺度で計算した点数が低かったならば、フォーカスを変えてみましょう。幸せとは主観的なものであることを忘れないでください!
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