ソクラテスの3つのフィルターテスト

ソクラテスの3つのフィルターテスト

最後の更新: 27 10月, 2023

この逸話から、うわさや真実ではない害のある無駄なメッセージには注意を向けるべきではないということを学べます。これは、普通のうわさ話に言えることですが、ソーシャルメディアで目にするような情報にも言えることです。

3つのフィルターテストとは、素晴らしいギリシャの思想家である、ソクラテスの逸話です。多くの人は、この逸話をゴシップやうわさに対処する素晴らしい人生の教訓と見ています。

このお話では、ある日ソクラテスの弟子のひとりが、かなりの動揺を見せます。弟子は、ソクラテスの友人に出くわして、その人がソクラテスの悪口を言っていたというのです。

ソクラテスは、弟子に落ち着くように言います。少し考えてから、ソクラテスは少し待つように弟子に言いました。話を聞く前に、まずこのメッセージは3つのフィルターテストを通さなくてはいけません。このテストに通らなかった場合、話を聞く価値はないのです。

「自分を見つけるには、自分のために考える」

-ソクラテス-

ソクラテス

ソクラテスの3つのフィルターテスト

常にそうであったように、ギリシャの哲学者であるソクラテスは、不安げな弟子に質問を投げかけました。「お前が今から口にすることは、本当に真実であると言えるか。」弟子は一瞬考えます。実際、弟子は友人が言ったことには悪意があるのか確信が持てませんでした。それは見方の問題です。「つまり、彼がわたしについて言ったことが真実かどうか、わからないということだな。」とソクラテスは聞きました。弟子は、ソクラテスが正しいことを認めざるを得ません。

それから、ソクラテスは、弟子に2つ目の質問をしました。「私に伝えようとしていることは、良いことか、そうでないか。」弟子は、全く良いことではありませんと答えます。むしろ、全くの逆です。弟子は、自分がソクラテスに共有しようとしていることは、不快感と不安を生み出すと考えていました。それから、ソクラテスは弟子に言います。「何か悪いことを伝えようとしている。しかも、お前はそれが真実かどうか定かでない。」弟子は、まさにそうである、と認めるしかありません。

すると、ソクラテスは、3つ目の最後の質問をたずねてきました。「私の友人に関してお前の言わんとすることは、私のためになるか。弟子は、ためらいます。この情報が役立つかどうかわからなかったのです。これによって、友人との間に距離ができるかもしれません。しかし、これが真実かどうかがわからないことを考えると、これは役に立つとは言えません。

木

現実、徳、利便性

最終的に、ソクラテスは弟子が言わんとすることを聞かないことにします。「お前が言おうとすることが真実でも、良いことでも、役立つことでもないなら、何故聞きたいと思うのか?」と、弟子に返しました。

「私は、誰にも何も教えることができない。彼らを考えさせることしかできない。」

-ソクラテス-

現実、徳、有益性は、ソクラテスの3つのフィルターテストの基本です。人は、何かを口にする前に、自分自身に次の質問を投げかけるべきであるとしています。「これから言わんとすることが真実であると確信が持てるか?」「これらから口にすることは良いことか?」「本当に言わなければならないか、それは役立つことか?」

この3つのフィルターテストは、口にしようとしていることと聞こうとしていることに対する素晴らしい指針です。健全で建設的なコミュニケーションのパラメーターです。

横顔


3つのフィルターテストの応用

毎日の生活で、真実、徳、必要性を定義することは簡単ではありません。これらは抽象的な概念で、応用が困難です。だからこそ、3つのフィルターテストを応用することに置いて役立つ質問というものが存在します。

  • 真実に関して。この情報が真実であるとはっきり確信できるか?賭けても良いか?人に証明することは出来るか?このために自分の評判を損なってもいいと思えるか?
  • 徳に関して。これは私自身、あるいは他人にとって有益か?私または他人を、より良い人間にして、ポジティブな感情を生み出すか?関係する状況が改善するか?
  • 必要性、利便性に関して。このメッセージを知ることで、他人の人生や私自身の人生は改善するか?この情報に関して、相手の人は必要的な行動を起こせるか?このメッセージを知らないことで、他人を傷つけたり、影響を及ぼしたりすることはあるか?

はじめに指摘したように、ソクラテスの3つのフィルターテストは、もともとうわさやゴシップ向けになっています。これを応用することで、人につきまとう苛立たしいうわさに終止符を打てます。しかし、ソーシャルメディアなどで見られる、他のタイプのメッセージにも有効です。

最後に、この逸話は、私たちの日常生活に力強いメッセージをもたらす非常に美しい物語ですが、この逸話とギリシアの哲学者を結びつける歴史的・書誌的な情報は一切ないことにご留意ください。


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  • Di Castro, E. (2000). Racionalidad y emociones. Racionalidad: lenguaje, argumentación y acción, 1, 267.

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