ストレス軽減のシンプルな方法:ジェイコブソンの段階的筋弛緩法
ストレスの身体的な影響を軽減させるための全ての戦略の中でも、ジェイコブソンの段階的筋弛緩法は最も効果的なものの一つです。定期的にこれを行うことで、段階的に筋肉の緊張をほぐすための素晴らしいツールになるでしょう。
エドムンド・ジェイコブソンが1920年に作ったこの方法のおもしろい点は、一度やり方を覚えれば、その瞬間からいつでも頭の中に留めておけるようになり、ストレスの高い状況で落ち着かなければならない時にはいつでも取り出せるツールになるということです。
「緊張は、こうでなければならないと思う自分である。リラクゼーションは、本当の自分である」
– 中国思想より
試験や会議、就職の面接といった一般的な状況は、ほとんど常に脳から警告を発生させ、瞬時に筋肉の緊張、胃痛、震え、口の乾き、そしてタスクを完了させるために必要な強さや効率性を失わせる強迫的な考えを生じさせます。
ジェイコブソンの段階的筋弛緩法は、連続した筋肉のエクササイズに私たちの注意を向けさせ、 緊張感や、最終的に不快感や絶望感を生み出す破壊的な考えを徐々にほぐしていきます。
日常生活にこの方法を適用させる方法を以下に記しました。
ジェイコブセンの段階的筋弛緩法とセラピーへの関連性
私たちは誰しも時折ストレスに苦しみ、あるいは継続的かつ永続的な不安のフェーズを生き抜いているのかもしれません。嬉しいニュースは、その不安をやり過ごすことは可能だということで、悪いニュースはこの手法を常に適用しなければならないということです。やり方を説明する前に、ストレスについて覚えておくべき3つのポイントをお伝えします。
- 強烈なストレスに苦しむ人々は、機能亢進性によって特徴付けられます。
- これらの考えは常にコントロールできるわけではなく、その結果として物事を実行できなくなります。
- 少しずつ、ほとんど気付くこともなく、私たちは身体的そして精神的な疲弊、感情的な障壁、不安、そして問題解決ができなくなるというサイクルに陥ってしまいます。
「世界にはストレスなどなく、ストレスだらけの考え方やそういった行動をする人々がいるだけだ」
– ウェイン・ダイヤ―
ジェイコブソンの段階的筋弛緩法を「事前治療」として使う
ここで例を見ながら、ジェイコブソンの段階的筋弛緩法がいかに有用であるかを理解しましょう。
神経学者のミゲルは非常に優秀な専門家ですが、人前でスピーチやプレゼンをするために大きな集会やセミナー、会議に行く度 に、不安発作に苦しめられるのでした。
彼が助けを求めに行ったセラピストが勧めたのは、完全に八方塞がりになってしまった時は、麻痺してしまいそうな恐怖や高度に感情的な状況に向き合えるように、ジェイコブソンの段階的筋弛緩法を実践することでした。
きっとお分かりのように、ジェイコブソンによって作られた戦略は、筋肉をほぐすことによってメンタル面での落ち着きを取り戻させることができます。一度内面の均衡が取れるようになったら、フォーカスを変え、恐怖を解放するために自分の考えを整理する時間です。
ジェイコブソンの段階的筋弛緩法のやり方
不安の流れを他に向かわせ、ストレスを低減させるための素晴らしい戦略であるだけにとどまらず、ジェイコブソンの段階的筋弛緩法には私たちの健康に役立つメリットがあります。血圧を下げ、より深く疲労回復に利く睡眠が取れるようになり、てんかんを持つ人の発作を低減させます。
「健康であり、幸福であることは義務である。さもなくば、私たちは心を強く持ち、澄んだ状態にしておくことができないだろう」
– 仏陀
一つ、私たちがはっきりと理解しているべき側面があります。この手法は、メリットを享受する前に少し練習が必要です。毎度やるごとに、メリットへの到達は速くなり、実践期間が長くなるにつれてより効果的になります。以下でやりかたを説明します。
弛緩法の一連の流れ
まずは、心地の良い場所を見つけ、靴を脱ぎ、服が締め付けすぎてないことを確認しましょう。手を膝の上に置いて、次の簡単なリラクゼーションの連続動作を始めましょう。
- 手:筋肉の緊張を感じるまで固くこぶしを握ります。握った状態を10秒続け、少しずつ、指一本一本をリラックスさせるように解いていきます。
- 肩:これは非常に簡単です。ゆっくりと、筋肉の緊張を感じるまで耳の方向に向かって肩をすくめます。5秒止めてから呼吸し、肩をリラックスさせます。5回繰り返します。
- 首:まずは、数秒かけて顎を胸の方まで引き、その後リラックスします。
- 口;口を開けて、できるかぎり遠くまで舌を出し、10秒間キープします。そしたらリラックスしてください。今後は舌を外に出すのではなく、口蓋の方に向けて上げ、緊張を感じたらリラックスさせます。
- 呼吸:リラックスセッションでは簡単な呼吸が続きます。5秒で吸って、6秒息を止め、7秒かけて吐き出します。さあ、簡単でしたね。
- 背中:椅子の背もたれで肩が心地よく休んでいる状態で、身体を少しだけ前に持ってきて、少しずつ少しずつ、背中をアーチ型にしましょう。その状態を10秒間試した後は、あなたの自由です。
- 足:つま先立ちをするような感じでストレッチさせます。筋肉の緊張を感じながらそのまま10秒間止めて、その後解放し、リラックスしましょう。
結論として、このシンプルな一連の動きは毎日実践することが必要です。落ち着いて、一人になれるちょっとした時間を見つけ、適切に筋肉をほぐすことで、心の落ち着きとリラックスへと繋がります。また、これは「今この時」、そして自分の求めているものに意識的になる手助けにもなります。こうすることで、段階的筋弛緩法は効果を発揮し、ストレスの高い状況を打破する最善の戦略となるのです。