テレビや映画の登場人物に見るナルシズム

2019年7月6日
フィクションの世界では、大変興味深いナルシスト的リビドーの例を見ることができます。ここでは、多くの人が馴染みのある5つの例を挙げてみたいと思います。

ナルシズムは今日の社会においてますます一般的なものとなっています。若い世代は特にそうです。部分的には、マスメディアがナルシズムを奨励していることが理由ですが、ソーシャルメディアもこの件について無罪というわけではありません。私達は常に今の自分のプライベートの生活を見せびらかしています。

 

ジークムント・フロイトはナルシズムを「エゴリビドー」と定義しています。言い換えると、自分自身に惹かれているという意味です。リビドーはみなが持っていますが、人によってはもっと顕著にナルシストよりのリビドーを持つ人がいます。しかし、この種類の人格を持つ人は、正確には自分自身に恋しているというわけではありません。

彼らはとても自信があるように見え、自分のことを尊大に見ているように見えるというのがポイントです。また、現実に対して主観的な視点を持ち、世界をそのレンズを通して見ています。彼らにとってフラストレーションを処理することがずっと難しいのはそのためです。

「彼は、自分の鳴き声を聴くために太陽は昇ると思っている鶏のような人だ。」
―ジョージ・エリオット―

これまでの体験で分かるように、物事というのは少なすぎても多すぎてもいけません。常に程よいバランスを見つけるべきです。最も健全な方法は自分を愛することですが、歪んだ自己像や現実離れした自己像を創り出すことなくそれを行わなければなりません。

テレビや映画に見るナルシズム

フィクションの世界では、大変興味深いナルシスト的リビドーの例を見ることができます。ここでは、多くの人が馴染みのある5つの例を挙げてみたいと思います。そして、ナルシズムという題材に主要な貢献をした心理分析学者のハインツ・コフートによる解決策を紹介していきます。

1.トニー・ソプラノ(「ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア」1999年~2007年放映)

HBOによるこの有名なマフィアの男は常に自分のいる組織の中でできうる限りの力を維持しようとし続けます。彼は現実に対して客観的な視点を持っていません。その代わり、全てを「常に最高の状態である」という独自の目線で見ています。そうした目線がモラルを無視して不注意に暴力を引き起こさせてしまっています。彼の精神科医であるメルフィですら彼を反社会的人間だと認識してしまう時があります。

もちろん、トニー・ソプラノが起こす犯罪を許すことはできません。ただ、彼に与えられる処方箋があるとすれば、創造性でしょう。 物事を解決したり、何かをするに当たってこれまでとは違う他のやり方を見つけることで、フラストレーションを抱くことなく、より簡単に行動に移せるということに気付けるようになるでしょう。自分のエネルギーを創造性を必要とする活動にフォーカスさせることで他人からの注目を集める必要性が減る、つまり、自分のことについてあまり考えないようになるでしょう。

テレビや映画の登場人物に見るナルシズム

2.ジョフリー・バラシオン(「ゲーム・オブ・スローンズ」2011年~2019年)

ジョフリーは自分の全てが大好きで、自分のやっていることが正しいかどうかなんて考えることもありません。彼の場合、自分が王座についているという事実が権力と注目への欲求を更に強くしています。外界の要因などお構いなしに行動し、攻撃的で、常に行動を取る意志があります。

彼には私達の言う冗談が分からないかもしれませんが、彼にはユーモアをおススメします。ユーモアは、困難に打ち勝つ手段のようなものです。自分に笑ってしまう—あるいは笑う対象は何でもいいのですが—そのことが自分を落ち着かせ、気分が良くなります。重荷が突然軽くなったように感じたり、あるいはそのことについて忘れてしまうくらいになったりするかもしれません。

テレビや映画 登場人物 ナルシズム

3.ルクレシア(「アギラ・ロハ 赤の銃士」2009年~2016年放映)

ルクレシアは、スペインのTVドラマシリーズ「アギラ・ロハ 赤の銃士」の登場人物です。彼女のナルシズムはもっと典型的なものです。彼女は自分の美を常に見せびらかすことが好きで、時に大変性的です。その上、女性が投票権も意見を主張することもできなかった当時、彼女達にとって重要だとされたのは美でした。ルクレシアはステータスも高いため、他人の前で自信と優越感をもって振る舞っています。

このナルシズムを乗り越える最善の方法の一つは、知恵でしょう。人生で一番大切なことは何か、そして、どうやってそれを手に入れ維持するかということを学ぶことさえできれば、彼女は野望や政治的腐敗に流されることもなかったでしょう。また、ずっと幸せで平穏な暮らしを送ることができたでしょう。

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4.ブラック・ジャック・ランダル(「アウトランダー」2014年~現在放映中)

ジャックはイングランド軍の大尉ですが、権力の行使が好きな人です。ルールなど気にせず、傲慢で、全てを自分の観点から捉える人です。また、非常に攻撃的な人物でもあります。ある特定の社会階級に属すると、間違った優越感、そしてナルシズムにつながることがあるため、納得といえば納得です。

このナルシズムを解消する方法は一つとして、共感を持つことでしょう。誰かとつながっているという体験をしたり、相手の立場になってみるということをすると、一瞬、自分のことを忘れます。そうすることで、自分勝手ではなく、もっとフレンドリーな気持ちが花咲くのです。

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5.ロス・ポルダーク(「風の勇士 ポルダーク」2015年~現在放映中)

この登場人物の一番良いところは、衝動的なためにたくさん失敗をおかす点です。彼のようなエネルギッシュな言動はナルシストな人格を持っている人にはかなりよく見られます。彼の衝動や反抗心は、自分は正しいことをしているのだろうかと考えさせるのを妨げてしまっています。ただ、自分は正しいことをしていると思い込んでいます。彼は自分にかなりの自信を持っているのです。

ロスは自分の体についてあまり悩むことはありませんが、だからと言って自分が魅力的な男性でないということを知らないわけではありません。こうした類のことは通常、女性と関連付けがちですが、実は男性・女性の両方において見られることです。また、自分の見栄えを良くする方法はたくさんありますから、必ずしもきちんとした服装をしているだけがそうだというわけではありません。

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ロスには、おかした間違いが後になって自分を深く傷つけることにならないように自分を受け入れることをおススメします。いずれにしても、私達はみな、自分の欠陥を受け入れようと努めなければいけません。脳裏に自分の弱点が常にあるとしても、それでも目標を達成することは可能です。

 

あなたはきっと今頃、こんな性格をしたキャラクターを他のテレビ番組や映画、あるいは友人や知人の中から思い浮かべていることでしょう。ナルシスト的な部分を持った人というのはたくさんいます。バランスが崩れさえしなければ、悪い事ではありません。

しかし、ナルシズムを高い自尊心と混同すべきではありません。誰かの自尊心が高すぎて問題を起こしているように思うのであれば、あるいは自分がそうであると思うのであれば、この記事で述べたアドバイスが役に立つかもしれませんよ。