ユーモアと生きるか、怒りと生きるか

ユーモアと生きるか、怒りと生きるか
Valeria Sabater

によって書かれ、確認されています。 心理学者 Valeria Sabater.

最後の更新: 22 12月, 2022

どんな状況でも、いつも誰かが笑うまで面白い事や、馬鹿らしい事をしているような人がいます。何か特別な理由があるからという訳ではなく、単に彼らはそういうタイプの人間で、彼らにとってそれは複雑なものでなく、そういったリズムなのです。

一方、いつも何でもない事について口論したり、怒っている人もいます。他人からすれば架け橋に見えても、彼らにとっては壁にしか見えないのです。平穏なところに嵐を呼び、怒りと共に様々な影響を及ぼします。ユーモアを持って生きていくのも、怒りを持って生きていくのも全て私達の選択次第です。

なぜ人間関係というものは複雑なのでしょう。自分の気分を害す人は放っておいて、喜びや楽しさを与えてくれる人だけと過ごしなさい、などと言われることが良くあります。しかし、精神衛生的に本当にそうしたくても、それはいつも可能ではありません。他人と共存している限り、私達は彼らの考え方を理解しておく必要があるのです。良い人や嫌な人など、様々な人が存在する、どのような状況にでも対応できる方法を学んでいきましょう。

ユーモアと生きる

「人生には愛とユーモアが必要だ。人生を理解する為に愛を、そして耐えしのぐ為にユーモアを。」

いつも何かに対して怒っている人は鬱を経験する事が多いです。逆に、いつも何かを笑っている人間は、時々攻撃的な感情や自己破壊的性質を隠している事があります。どのようなタイプでも極端な部分は存在し、そこには意味があるのです。従って、私達は彼らを理解し、彼らの「世界」を解釈したり、読めるようにならなければいけません。彼らが周りにいる限り、私達に関与したり、影響を及ぼすからです。

怒ったハリネズミ

いつも誰かを笑わせているような人は幸せ?

「humor laboratory」(ユーモア研究室)で有名な、コロラド大学の心理学者ピーター・マクグローは、セラピー形式でのユーモアの影響と、慢性的病気やがん患者の生活の質を向上させる為に、「薬」として笑いの使用についての研究をしました。科学者たちはこれを支持しましたが、本当に患者の日々の生活を向上させたのは、笑いより、態度や楽観主義、そして内面の強さでした。

この理論で、マクグロー博士は4つのタイプのユーモアを識別しました。

しかし、笑わせるのが好きな人の多くがいつも幸せではないという事を知っておくのは大切です。彼らはいつもポジティブな精神状態を反映出来ているのではありません。私達が日々接するこのような人達をより理解するために、これらのカテゴリーを掘り下げるのは価値のある事なのです。

  • 積極的ユーモア:このタイプのユーモアはとても一般的で、よく第三者に対し、皮肉やシニカルな笑いを使います。
  • 自己改善としてのユーモア:このタイプは一番健全なタイプのユーモアで、彼らのストレスコントロールの助けをしてくれます。過去の失敗やダメな日を思い返し、自分に対して笑う事はよくあります。これは、いつまで経っても不得意な事、不器用な自分に対する皮肉的な笑いも含みます。また、どんな状況でもこれにより緊張を和らげる効果もあります。
  • 自己虐待ユーモア:これは上記にあるユーモアの反対にあるもので、自分を虐待するかのようにユーモアを使ってしまいます。うつを患っていたり、被害者意識が強く周囲の注目を浴びたい人など、特に自尊心が低い人がよく使う事があります。
  • 参加型ユーモア:このユーモアは一番役に立つタイプです。これは、誰かが自分とその人の距離を近づける為に使うユーモアで、理解を深める事が出来たり、幸せな気持ちを運んでくれます。
羽の生えた女性

これらを全て考慮した結果、私達の言う、「素晴らしいユーモアのセンス」を持った人は、どのタイプのユーモアを使用して、それがどのように影響しているかを、私達は知る必要があります。例えば、誰かが面白い事を言った後、その笑いは悪意のあるものだったと気づき、気分が悪くなった経験はありませんか?

いつも怒っている人は、生活を複雑にする事を楽しんでいる?

ハーバード大学の肯定心理学教授タル・ベン-シャハールは「happiness guru」(幸せの教祖」として知られています。彼の感情やムードに関した数多くの出版物は興味深く、とても参考になる考えが載っています。それは、一定の行動や態度のパターンを良く理解する時に用いられる事が多く、例えば、いつも怒っている人や状況を複雑にしている人達の裏には、彼ら自身や他人に対して何が隠れているのか?などを考察します。

「悪いユーモアは私達を小さくする。」 -ドメニコ・シエリ・エストラダ-

答えは簡単で、それは不幸です。これは誰にも相応しくない経験ですが、その背後には、上手く解決しなかった状況が万華鏡の中に隠れて散らばっているのです。例を挙げると、不満に対処できない、間違った方法での問題解決、現実的でない期待、視野が狭い、反射的思考の欠如、自尊心が低い、心の知能指数が低い、などが挙げられます。

仮面の裏で涙を流す女性

私達もこのような厳しい状況や瞬間を経験する事はあります。変化や違いが心の引き金をひいて、自分の中に弱さを招き、どこへ行っても問題が見えるようになるのです。これが私達のポジティブさに影響を及ぼし、普通の会話が口論へと変化します。私達は皆、落胆や不安を経験する事があり、それはとても一般的な事で理解できる現象なのです。

しかし、最も大切なことは、この有害な状況から抜け出し、再び自分自身を見つける事です。これを実現する為には自分をコントロールする意志が必要で、被害者意識を止めなければいけません。難しく考えずに、バラバラになったピースを拾い集め、それぞれを自尊心ややる気という接着剤を使い、修理するだけなのです。こうすることで、笑っている人全てが幸せではない事や、怒っている人全てが理由もなく悩んでいるのではない、というのが理解できます。全ての人間は自分を癒せます。そして、幸せとバランスを見つけることの出来る生き物なのです。


このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。