ティルソ・デ・モリーナの名言
ティルソ・デ・モリーナは、マドリードで生まれました。本名はガブリエル・テレスという名前でした。彼はスペイン黄金世紀演劇を代表する人物の一人です。修道士として若い頃から修道院で平和な生活を送っていました。今回は、彼の愛についての引用をいくつかご紹介します。彼は愛と人間関係についての素晴らしい作品を残しました。
自由奔放な作風もさることながら、彼は叙情性あふれる詩文に定評があります。Biblioteca Virtual Miguel de Cervantesが発行した伝記によれば、ティルソの作品は喜劇や誇飾主義を厳しく批判しながら数々の名作を遺しました。「セビーリャの色事師と石の招客」は彼の代表作戯曲で、注目に値します。「タマルの復讐」や「不信心ゆえ地獄堕(お)ち」など、宗教劇も有名です。では、ティルソ・デ・モリーナの愛に関する引用を見てみましょう。
ティルソ・デ・モリーナの愛
1.うそつきはまたその行為を繰り返す
「うそつきは常に約束を破る。」
この最初の引用は非常に明快です。彼が意味することは、うそつきな人は初めに美味しい話ばかりして、約束したにも関わらずそれを行動にうつさず、いずれ私たちを裏切るということです。
二人の関係に関して言えば、「与える」ことはすべて口先だけで行動が伴いません。こういった人は変わることを約束し、二度と同じ過ちは繰り返さないと言いますが、また同じことをしてしまいます。こうして信用を失っていくのです。
2.嫉妬による束縛
「嫉妬が彼らの心を掴み、私を閉じ込める。」
嫉妬にはいくつかの俗説があります。それを愛の表示であり、愛情の証拠だと考える人もいるようです。しかし、ティルソ・デ・モリーナによると、嫉妬は結局自分に背を向けることになるそうです。嫉妬は人々が健康的な方法で愛を表現することを妨げてしまいます。
人を失うこと、浮気、不貞への恐れが嫉妬につながり、それによって2人の関係は壊れてしまいます。嫉妬の原因を分析し、専門家の助けを得ることが重要です。
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3.人間は完璧ではない
「完璧な人間は存在しない。」
これは、完璧主義の基本概念を指します。誰もが間違いを犯すことは事実であり、誰もが嫉妬したり不誠実になったりする可能性があります。
人間は自分の過ちから学びます。まず間違いであることを認識する必要があるため、そこから得られた知識は価値のあるものになります。
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4. 別れを受け身で待つ
「去るように言われるまで待つのは大きな罪である。」
この引用は辛い現実を思い起こさせます。最初は愛情があってそれが永遠に続くと思っていても、やがて色あせてしまうことがあります。残念ながらそのような関係にある人は、不快に感じていたり、パートナーが別れを切り出すのを待っている傾向があります。
ティルソ・デ・モリーナによると、これは非常に失礼な行為です。彼によれば、関係が終わったときにはすぐ離れる必要があるそうです。相手が最後の一歩を踏み出すのを待つのは失礼なだけでなく、非常に卑怯な行為です。
5. 嫉妬は無意味です
「嫉妬には目も耳もありません。」
最後もまた嫉妬についての引用です。上記で述べたとおり、嫉妬によって多くの関係が崩れてしまいます。この引用では、ティルソは、嫉妬には目と耳がないと述べています。
これはどういう意味でしょうか? 嫉妬の大部分は、内部から来る恐怖と不安に根ざしています。嫉妬にかられると客観的に自分を見ることができません。他人に耳を貸すこともなくシャットアウトし、嫉妬の念が膨れていきます。疑うべきところがないのに、その嫉妬は非常に強力です。現代において心理学者はそれを病理学的嫉妬であると述べています。
今回ご紹介したティルソ・デ・モリーナの引用はいかがだったでしょうか?彼が深く宗教的であり、精神的な追求に専念していることをご存知でしたか?彼についてもっと知りたい場合は、上記でご紹介したいくつかの作品を読んでみることをお勧めします。彼の素晴らしい文学作品には、今回ご紹介したものよりはるかに多くの名言が残されています。
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