うつ病と性の関係

多くの人がうつ病について知っていると思っているようですが、実際は、ソーシャルメディアや人から聞いた先入観に埋もれています。ここでは、もっとも影響が出るであろう、うつ病と性の関係についてお話します。
うつ病と性の関係
Gema Sánchez Cuevas

によってレビューと承認されています。 心理学者 Gema Sánchez Cuevas.

によって書かれた Alberto Álamo

最後の更新: 21 12月, 2022

うつ病は、セクシャリティや性的関係を含む、人生のすべての面に影響します。多くの人に思われがちですが、うつ病と悲しみは違います。それは精神病理学の手引きで説明されているものよりも深いものです。実際、うつ病の人は、日常のタスクや行為をするのを何かに妨げられているように感じます

 

うつ病と性の関係:関連する?

うつ病により、性の関係において非常に様々な制約がつきます。親密なコミュニケーションなど感情的繋がりに関するカップルのエネルギーに特に影響します。カップルのどちらかがうつ病にかかると、一連の変化が生じます

  • 性的欲求が低い、ない:うつ病が与える性的な面への主な影響で、性的関係へのエンジンのようなものです。欲求がなければ、快楽は大きく減少します。うつ病により、生命に関するすべての分野、特に性的な欲求におけるモチベーションが低くなります。これは、性的関係へ直接的な影響を与えます。
  • 性的ファンタジーが働かない:これは欲求を失った結果であり、空想も同様です。例えば、性的関係をチーズケーキに例えると、性的欲求はその材料で、性的ファンタジーは、後で楽しめる何かを作るために、その材料を合わせる様々な方法です。
  • 自己主張の低下:この自己主張とは、プレッシャーを与えたり、攻撃的にならず、自分の求めること(求めないこと)を表現する、正しいコミュニケーションの方法です。うつ病の人は、相手の期待に沿えないことに対し、大きな罪悪感を抱えることがよくあります。これにより、代償メカニズムとして、受動的なコミュニケーションをとります。

親密という意味で、私達は性的行為をいつするか、あるいは、いつしないのか決めることができます。カップルの内一人がセックスをしたく、もう一人はしたくない場合もあります。うつ病の人は、一般的に、性的欲求がないことを表現しづらく、前に言った代償メカニズムに頼ります。つまり、パートナーの強い性的欲求にこたえるのだけなのです。

  • 自分との関係の変化:自己刺激は私達にとって非常に重要で、特に考慮すべきものです。プライベートに求める快楽、探索、自己知識の材料です。実際、うつ病の人があまり自慰行為をしなくなる、または、まったくしなくなることはよくあります。
うつ病と性の関係

 

パートナーがうつ病…どうすべき?

うつ病の人は、うつ状態でありたいと思っているわけではないということを頭に入れておくことが重要です。気分を高め、性的関係を楽しみたいのです。うつ病の人は皆それぞれ異なる経験をします(または、その他のメンタルヘルスの問題があります)。パートナーがうつ病の人に役立つアドバイスがこちらです。

  • 批判しない:うつ病の人がもっとも必要としないものが、パートナーに行動や決断を疑われることです。批判や疑いは、より気分を害します。パートナーはすでに罪悪感やフラストレーションを抱えており、そのパートナーの動きをひとつひとつ批判し、状況を悪化させてはいけません。性的欲求の欠如を批判することは、深刻な不快感の原因になりかねません。パートナー次第だと頭にいれておくと、相手の気分も変わるでしょう。
  • プレッシャーを与えないパートナーのリズムやスペースを大切にし、寄り添いましょう。相手が必要な時、ひとりでいたい時、話したくない時、肩を借りて泣きたい時もあるかもしれません。親しく相手を尊重し、何をする時も相手の心の状態とパートナーがあなたのことをどう思っているかを混乱しないようにしてください。パートナーの性欲の低さはうつ病によるものであり、あなたとの関係自体が問題になっているのではありません。
  • 自分が側にいることを示す:パートナーにプレッシャーを与えないことは、相手を放っておくこととは違います。必要としているスペースを与え、リズムを大切にしつつ側にいるということを理解してもらうことが欠かせません。壊したくない、気分を悪化させたくないというのも分かります。「話したいときは側にいるよ」「ひとりじゃないよ」などのフレーズを使い、表現してみましょう。
  • 助けを求める:心理療法を受けるうつ病の人が増えてきています。これは簡単なことではなく、時間を要するということは皆分かっていることでしょう。そのため、パートナーの決意をサポートするという姿勢を示すことが重要で、必要であれば一緒にセラピーに行くのも良いでしょう。

世界保健機関によると、全世界で3億人もがうつ病を患っています。多くの患者が、経済的理由や恐怖心から心理療法士に頼るのを躊躇しています。あなたや知っている人がうつ病で、セラピーに行けるのであれば100%それを勧めます。

専門家の助けをしても、うつ病を克服することは簡単ではないということを記しておくべきでしょう。そうは言っても、ケアしてくれる、大切にしてくれる、理解してくれるパートナーがいることは、うつ病回復のひとつのカギです。


このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。