うつからくる記憶喪失:どのようなもの?

うつ病エピソードにおいて最も顕著な特徴の1つは、一部の出来事に関する記憶の部分的または完全な喪失です。これは、脳内で起こるプロセスが原因です。
うつからくる記憶喪失:どのようなもの?
Sergio De Dios González

によってレビューと承認されています。 心理学者 Sergio De Dios González.

によって書かれた Valeria Sabater

最後の更新: 25 6月, 2024

うつからくる記憶喪失は実際に存在します。落ち込んだ脳は、海で迷う船のようにあなたを現実から切り離します。神経化学物質の嵐へとあなたを引きずり込みます。よく分からず、恐ろしい外の世界から離れた洞窟へあなたを閉じ込め、集中し、覚え、反応し、考え、ついていく事が難しくなります…

 

うつは単なる精神状態ではありません。内なる障害であり、身体疲労、無関心、熱意を失うといった症状が出ますトロイの木馬のような絶望感があなたを襲います。何より、認知能力の劣化が起こります。これは、人があまり話したがらないことですが、うつに関するとても重要な部分です。より包括的で、繊細、適したセラピーを発展させるために考えるべきことです。

 
頭が砂になる人

うつからくる記憶喪失:何が起こっているのか?

人からのメッセージを理解することが難しく、さらにメッセージを送るとなるとさらに難しくなります。読んだり、聴いた事を理解するのに問題が生じます。人の名前がそこまで出かかっているのに、思い出せません。運転中、頭が真っ白になり、どこへ向かっているか分かりません。人が話している時、気がそれ、相手を怒らせてしまいます。人に言われたことを思い出せず、焦点が合わず、簡単やり取りが出来ずに誤解は増えるばかりです。

これからも分かるように、うつからくる記憶喪失は、単に忘れっぽいのとは違います。心の霧にはまってしまったように、何もかもが遠く、曇って見えないような状態です。何が起こっているのか、どこにいるのか、何をしたらいいのか分かりません。それが、不快、社会的理解の欠落、さらに:心を痛めることにつながるのです。

なぜこのようなことが起きるのでしょう? この苦痛はどこからやってくるのでしょう?

 

「スピードアップ」 ニューロン

一般的に、ストレスはうつに近づくひとつの要因です。脅威、恐怖、圧力、警戒、不安…を感じることです。これらにより体内では、(よく知られている)コルチゾールなどの糖質コルチコイドの分泌量が増えます。

コルチゾールに支配されている脳は違った働きをします。ニューロンがスピードアップし、塞ぎこんだり、心配、強迫観念など精神的なプロセスへ影響します。脳内の動きが多くなることで、異常な何かが起こるのです。過剰な活動、疲労、神経細胞の死を減らそうと、細胞は「切断」を始めます。

脳は素早く情報を送ることができなくなるのです。物事を忘れたり、記憶力が悪くなったり、ペースが遅くなり「休止」モードへ入ります。

脳

海馬の縮小

うつからくる記憶喪失の根源は、脳のある構造:海馬です。中でも、脳のこの部分は記憶の蓄積をつかさどります。おかしいようですが、コルチゾールの影響が一番大きな場所です。糖質コルチコイドの毒素の標的となる部分です。慢性的なうつ症状を繰り返しているのであれば、海馬は縮む一方です。

しかし、海馬は優れた柔軟性を持ち合わせています。セラピーや記憶トレーニング、認知ストラテジーを通じて、元に戻すことができます。そうすれば、注意力、記憶なども元に戻ります。

 

ドーパミンの経路

うつの悲しい実態のひとつはアンヘドニアで、これは喜びを感じられなくなることを指します。この心の問題のために、どんなことも楽しめなくなります。何か新しいことを始める時、外出する時、働く時、人と会う時に、興味、喜び、モチベーションやエネルギーを感じられなくなるのです…

このような(脳がポジティブだとする)ことを感じる脳の部分に、ドーパミンの経路があるのです。落ち込んだ脳では、ドーパミンがうまく働きません。すべてを変えてしまいます。やる気がなくなり、さらに大変なことに、神経伝達物質が不足し、それが原因となり、セロトニン、グルタミン、オピオイド、エンドカンナビノイドの作用に変化を及ぼすのです。

これらすべての神経化学物質が正常に働くなった場合、興味、学ぶ力、集中力、新たな情報の保存、記憶、決断力などを失うことになります

悲しむ女性

どうしたらいいのか?

うつからくる記憶喪失はあります。それぞれ、違った体験をします。例えば、軽度のうつであれば、認知療法やトレーニング、支援団体などを通して、認知の欠如から回復することができます。

重度の場合、多分野にわたる治療が必要です。そこで、薬物療法と心理療法、記憶に関するセラピー、時には、マグネシウムやビタミンB群を含むサプリを組み合わせます。忘れてはならないのが、周囲の協力の重要性です。うつを抱える人への理解、共感、感受性が、回復への大きなカギになります。


このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。