アソーシャルな人とアンチソーシャルな人の違い

アソーシャルであることは、反社会性パーソナリティ障害であることと同じではないように、反社会的であることと非社交的であることは同じではありません。この2つの言葉の裏にはどのような違いが隠れているでしょう? 2つの違いは何でしょう?
アソーシャルな人とアンチソーシャルな人の違い

最後の更新: 07 7月, 2021

「そんなにアンチソーシャルにならないで!」と誰かが言うのを聞いたことがあるかもしれません。この表現は、よく使われていますが、使い方が間違っています。多くの場合、アソーシャルな人(人と関係を築くことが難しい、あるいは、興味がない人)にアンチソーシャルという言葉が使われています。基本的に、突然出かけたくないと言う友達、あるいは一人になりたいと言う友達にアンチソーシャルという言葉が使われる傾向があります。しかし、アソーシャルであることとアンチソーシャルであることには大きな差があります。この記事では、この2つの言葉とその違いについてお話します。

まず、どちらにもソーシャルという文字が入っている点では同じです。そして、どちらも人の在り方に関係します。しかし、アソーシャルであることとアンチソーシャルであることは大きく異なります。それぞれ、どのような意味があるのでしょうか? また、この裏には精神疾患やパーソナリティ障害が隠れているのでしょうか? それでは、見ていきましょう。

アソーシャルとアンチソーシャル:2つの違いは?

アソーシャルな人とアンチソーシャルな人の違いを知るためには、まず、2つがそれぞれ何を意味するか知る必要があります。各定義の中で、この2つがどう違うかお分かりいただけるでしょう。

アソーシャルな人はどんな人?

アソーシャルな人とは、法的あるいは社会的に定められた規則を破る、あるいは、規則を気にしない人を指します。つまり、社会的秩序に反する人達です。基本的に、社会に溶け込んでいますが、社会的平穏を乱す傾向がある反逆信のある人です。

さらに、このタイプの行動には、暴力の行使がよく見られます。ここで、区別すべき大切なことがあります。それは、アソーシャルな人(反社会的性格を持つ人)と反社会性パーソナリティ障害は異なるということです。

アソーシャル アンチソーシャル

反社会性パーソナリティ障害

反社会性パーソナリティ障害は、精神障害の診断と統計マニュアル(DSM-5)等で障害に分類されます。この障害の主な特徴は、15歳の時に現れ、人権を尊重しない支配的パターンです。

反社会性パーソナリティ障害は一連の症状(基準)に現れます。例えば、嘘をつく、衝動的、無責任、社会的規範に従わない、かんしゃく、攻撃性、後悔しないなどの傾向が見られます。言い変えると、反社会性パーソナリティ障害は、単に反社会的特徴のある人よりも、はるかに深刻です。

アンチソーシャルな人はどんな人?

一方で、アンチソーシャルな人とは、社会と繋がることに難しさを感じる(あるいはこれに興味がない)人達を指します。反社会的特徴を持つ人や反社会性パーソナリティ障害の人のように規則を破ろうとするのではありません。そうではなく、集団に参加する、溶け込む、人間関係を築くことなどを難しいと感じます(あるいはこれに興味がありません)。簡単に言うと、何より、一人でいることを好みます。

興味深いことに、アンチソーシャルな人に関しては、多くの場合、困難さよりもモチベーションの欠如が問題になります。できればひとりで活動することを好み、友達を作ることに興味がありません。これが極端であれば、自閉症やスキゾイドパーソナリティ障害も考えられます。

スキゾイドパーソナリティ障害

スキゾイドパーソナリティ障害は、DSM-5でも分類され、社会的関係において孤立なパターンが優勢に見られます。対人関係に関し、自分の感情を表現することに難しさを感じます(あるいは興味をもちません)。

言い換えると、スキゾイドパーソナリティ障害は、単に非社交的なだけでなく、その他の症状を含む特性があります。例えば、活動しないことに喜びを見出す、性的経験にほとんどの興味がない、親密な関係を楽しいと感じない、あるいは、求めない、ほぼいつも一人で行う活動を選択する、人からの褒め言葉や批評に無関心であるなどです。

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2つの大きく異なるあり方

お分かりいただけるように、アソーシャルであることとアンチソーシャルであることは全く違う別のものです。アンチソーシャルな人は、社会的関係に参加しようという気がなく、一人での活動を好む一方で、アソーシャルな人は、社会的規範を破り、攻撃的な方法をとることも頻繁にあります。

さらに、アソーシャルな人が、強盗などの犯罪に関わることは珍しくありません。実際、反社会性パーソナリティ障害の極端なケースでは、殺人を犯すことさえあります。非社交性と反社会性をより理解しやすくするために、次のように考えてみてください。反社会的とは、古典的な非行や凶悪犯で、非社交的とは、孤独に生きることを好む世捨て人です。

アソーシャルな人がアンチソーシャルであることはありますが、絶対ではありません。ここで言いたいのは、この2つは必ずしも同時に表出するものではありませんが、同時も起こりえるということです。きちんと知っておくべきことがあります。それは、アソーシャルな人が非常に社交的である可能性はありますが(非社交的とは程遠い)、人権あるいは社会的規範を破り、社会に溶け込めないこともあるということです。また、これはアンチソーシャルな人にも起こりえますが、その理由には見明確な違いがあります。


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