破壊的批判:誰のためにもならないもの

破壊的批判:誰のためにもならないもの

によって書かれた Irati Novella

最後の更新: 21 12月, 2022

時には批判や評価が建設的であり、助けになることもあります。ですが多くの場合、相手を傷つける意図でされます。世の中には、批判したり評価することで、自分の負の感情を他人にぶつけようとする人たちがいます。人の欠点を見つけ指摘することを目的としているのです。

誰もがこういった人たちの犠牲になった事があるでしょう。自分自身がそうしてしまったこともあるかも知れません。事実、テレビやラジオなど、批判することが共通のテーマになっています。それらが共通のジョークや番組の構造になっており、多くの人々がそれを見ています。ですがなぜなのでしょう? どうしてこのように批判しようとするのでしょうか?

批判のメカニズムを理解することは、そのパターンに気づく助けになります。ここでは、人々がなぜ他人を評価し批判するのかについてもお話しします。

想像力を働かせさえすれば、どんなことであっても批判するのは簡単です。

 

1.劣等感

劣等感は他人を批判する動機になります。言い換えれば優越感が批判の要因になるケースもあるということです。多くの場合、自分の方が優れていると装うことは、単に劣等感を隠しているだけなのです。優越感に浸りたいがために、不安をどうにか隠そうとしているのです。

他人を批判したり、他人の間違いを指摘するテレビ番組を見たりすることで「自分の方がすごい」「優れている」と自分を満足させようとしているにすぎません。

 

腕に筋肉がない人間は、舌の筋肉でごまかそうとする」

- ミゲル・デリーベス

鏡を見つめる女性

 

2.自分に満足できない

他人の中に自分の欠点が見える時に批判する場合もあります。問題は自分なのではなく、他人なのだと自分自身をごまかそうとします。他人の欠点は自分のそれよりもひどいと、自分に言い聞かせているのです。

つまり、他人を同じことで何度も批判するとき、実際は自分の嫌いな部分を反映させているのです。恐れと不安を投影しているにすぎません。自分の欠点を認めず他人にそれを見つけることで、拒絶と批判を生み出しています。これを「自己否定」と言います。

嫉妬と妬みは批判の大きな元です。人と比べて劣等感を感じる時、相手を攻撃するという行動に出ます。相手を引きずり降ろし、嘘であろうと真実であろうと構わず欠点を誇張しようとします。

こういった人は自分を見つめようとはせず、代わりに他人を攻撃します。本当の自分を恐れ、真実から目をそらしているのです。

3.グループの一員になるため

社会的な関係性から人を批判することもあります。研究でも証明されていますが、あるグループの一員になるために、他のグループの人たちを批判することがあります。この場合、批判することでグループに所属している感覚を確かにし、またほかの人にそれを示す方法にもなります。

こういったケースでは、批判に対する態度は、その他グループに属する人たちの態度によって変化します。もしグループ全体が批判することを良しとする場合、それはより頻繁に、より激しいものになるでしょう。ですが逆に批判を良しとしないグループの場合、そのグループに属したいと考えている人も批判することをやめるでしょう。

最後に、何かについて専門家である場合、自分の知識が他の人より優れていることを確認するために、批判をすることがあります。これは自己肯定感の低さと、他人から称賛されたいという願望の現れです。

 

4.臆病者の復讐

批判のベースには復讐があることもあります。何も解決することもないし、許しの気持ちもそこに含まれることがありません。この場合、批判は相手に屈辱や罰を与えるために使われます。自分を傷つけた人と面と向かて対峙する勇気がない時、批判をすることでフラストレーションや怒りを和らげたり、傷ついた心を癒そうとするのです。

 

批判は現実的な怒りをぶつける場所。それならどうすればいいのだろうか? ただ座っているよりマシだと批判をし始め、自分自身の怒りを見つめているのだ。

- ジョージ・キャセリオ

人を責める

復讐の批判は、相手を支配するために使われることがあります。友人たちから引き離し、その人を孤独に陥らせようとするものです。

 

5.自己中心主義と利己主義

自分は特別扱いされるべきなのにそうされていない、他人はもっと自分のために何かするべきだ、と考える人がいます。自己中心主義の思考は「他の人はもっと自分を助けるべきだ」という考えを生み出します。この場合、批判は相手に不平不満をぶつけたり、けなしたり、相手に「自分が悪いのだ」と思わせるために使われます。

 

相手を批判する代わりに誉めなさい。1か月もしないうちに、自分が変わったことに気づきます。」

- アレハンドロ・チャバン

 

批判に対する態度

批判を避けることは出来ません。様々な形で私たちの生活に現れます。スタマテアスが言っている、「三分の三の法則」が当てはまります。最初の1/3は自分を愛する人、他の1/3は自分を嫌う人、最初の1/3は自分を知らないのに意見を言う人です。

3つ目が持つ負の感情や破壊力を甘く見てはいけません。ウィンストン・チャーチルは批判の痛みを体の痛みと比較しました。また最近の研究でも、否定、批判、屈辱による痛みは、全て脳の同じエリアで生まれるものだということが分かっています。これは身体的な痛みを生み出す部分と同じエリアなのです。

 

「あなたに向けられる批判の石で、記念碑を建てることが出来る」- カント

 

距離を置こう

こういった破壊的批判の毒から逃れるためには、そこから離れるか、否定的な人たちから自分を守るようにしましょう。負の感情は他人に毒を与えます。

身を守る

距離を保つこと、特に批判という負の世界にあなたを引き込もうとする人からは離れるようにしましょう。こういった人たちとの関りは、あなたの健全な社会生活や感情にダメージを与えます。

他人の負の感情に染まったり、批判された時にまともに受けないようにしましょう。人を攻撃するのが批判です。ですが実際問題を抱えているのはあなたではなく、批判を言っているその人なのです。

こちらもご覧ください ネガティブな感情を上手く表現する

 

「批判を避けるためには、何もしない、何も言わない、何者にもならなことだ。」

- エルバート・ハバード


このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。