変更:振り返らずに変化を起こす
変更というのは、元の形に戻ることが決してない変革のある変化です。多くの場合、進化を意味します。 自分自身や自分自身の能力に賭けてみなくてはいけないという証です。変更は、わたしたちを恐怖や不安を超えて持ち上げてくれる屈折点であり、内面的な姿勢を変えます。
変わって、進化し、進歩し、意識のレベルを広げることは、障害を乗り越えるためのカギです。わたしたちは、自信喪失することなく、より強くなるためにこれを行わなくてはいけません。変更とは、レジリエンスの実です。
「人生において、本当に自分がなれるもののために、自分の一部をあきらめなくてはいけません。変化は無償ではなく、変容に導いたとき、わたしたちを成長させます。」
-アレックス・ロビラ-
進むための変化
変更という考え方を取り入れると、わたしたちの多くの困難を解決することができます。問題は、多くの場合、私たちがそれに取り組もうとしないことです。変化を取り入れることに確信が持てなかったり、新しいから怖かったりするのかもしれません。
例えば、自分のコンフォートゾーンにとどまるのが好きな人がいます。気分は最悪なのに、毎回同じような対応を取ります。変化は自然と起こるものではなく、かなりの努力が必要です。
人はわからないものに不安になります。予想できないもの、計算できないものに対してはコントロールがききません。だから、この不安感をうまく処理しないと、感情的に疲労します。必要な変化を受け入れる代わりに、自己防衛体制に入ります。こういった意味で、変化にはたくさんの要素があります。これからご紹介する3つの要素は、変化を起こすために不可欠です。それは、確信、欲望、モチベーションです。
リスクを冒す
変化のためのリスクは、あなたという人間に深く刻み込まれています。それはあなたの一部です。この内面の感覚をうまく使って、前に進んでみましょう。恐怖を恐れずに、足が地上についていなくてもその瞬間のために準備しましょう。
さて、ここで明確にしておきます。すべての変化や経験が、人を変えてくれるわけではありません。はじめの変更を実践して「変化を起こした」ものの、同じルーティーンにはまってしまったり、結局いつもと変わらないことに気づくかもしれません。
成長して新しい道を歩み始めるためには、もっと高次のレベルの変化が必要です。ポール・ワツラヴィック氏なら、2度目の変化を起こすときだ、というかもしれません。さて、それはどんな意味でしょうか?
ポール・ワツラヴィックによる変化のタイプ
システム論の専門家は、変化に関しては2つの反する傾向があると考えます。1つ目は安定した停滞した状態に留めようとする傾向です。2つ目は、新しい形を生み出すことに関係しています。どちらも論理タイプの数学の理論から来ています。
オーストリア人の心理学者であるポール・ワツラヴィックは、これらの傾向を変化1またはファースト・オーダー、2つ目を変化2またはセカンド・オーダーと呼んでいます。この2つを説明するために、彼は次の例を使用しています。悪夢を見る人は、その悪夢の中でたくさんのことができます。走る、隠れる、叫ぶなどです。しかし、このような変化のいずれも、悪夢を終わらせてはくれません。
このタイプの変化は、タイプ1の変化です。これは、自分自身が同じような状況にある時に取る修正方法や戦法が、悪夢の中に含まれているためです。これはネガティブなフィードバックに基づいています。
タイプ2の変化は、定性的に起こり、ポジティブなフィードバックに基づいています。より逸脱していて、全く新しい構造を可能にします。悪夢の例を見てみると、タイプ2の変化は目覚めることです。悪夢から抜け出す唯一の方法は、夢、現実、見方を変えることなのです。
タイプ2の変化を起こす
心理学と治療のケースで、別の例も見ることができます。子どもの学校での成績が落ちると、心理学的な助けを求める親がいます。もちろん、罰を与えたり、習い事を減らしたり、友達と遊びに行かせなかったり、親はすでに何らかの行動を起こしているでしょう。
これらはタイプ1の変化です。問題は、まだ問題が解決できていないということです。カウンセラーは家庭のすべての一員を分析し、インタビューします。そこで、子供のおばあちゃんと姉が一緒に住むようになったことが分かったとします。家庭内の家族のメンバーのダイナミクスが変化したということです。この場合、タイプ2の変化にはどんなものがあるでしょうか?その変化は、家族間のかかわり方を修正して、新しい状況に慣れさせるものである必要があります。
悲しみ、無気力感、モチベーションのなさを感じた人を例にとってみたら、もっとわかりやすいかもしれません。気分を改善するためにジムに通ったり、もっと外に出たり、クリエイティブなことをしてみたりします。これらはタイプ1の変化です。問題は、まだ気分が改善しなくて、気が散ってしまうということです。何ができるでしょうか?タイプ2の変化を起こしていきましょう。見方、現実の捉え方を変え、感情をコントロールします。これによって、変革を伴う変化を起こせます。
「変化は避けられない。より良いもののための変化は、フルタイムの仕事だ。」
-アドレー・スティーブンソン-
変更:新しい運命の変化
お分かりいただけるように、変化は様々な次元のある現象です。特に、変更を起こしたいのであればなおさらです。変えたいと願い、何か新しいことを行うだけでは十分ではありません。新しい見方で世界を見たいなら、自分の見方を分析して、それが日常生活に及ぼす影響を考えなくてはいけません。
わたしたちの現実の見方には何の問題もなく、世界は自分が思うようでなければならないと思うこともできます。しかし、そんな確信ができますか?2人の人間が同じものを全く違う視点から見られるというのはご存知ですよね。わたしたち一人一人が個々で動き、互換性のない現実を作り上げているのです。だから、問題を解決するために他の見方や解釈にも目を向けてみてはどうでしょう?
自分の現実に疑問を投げかける
これは簡単にできることではありません。自分の世界に疑問を投げかけるのは、短い時間でできることではありません。自分の本質と調和できるまで、満足することはありません。自分のエゴをなくしてはじめて幸せにたどり着けます。
変革のある変化、変更は、自分自身と自分のコンフォートゾーンと向き合うための勇気のエクササイズです。何年も欠けて自分が築いてきて人生を容易にしてくれたその壁を取り去らなくてはいけません。
こういった意味で、自分が一番複雑な敵です。でも、たくさんの知識を持った敵でもあります。しかし、頭の中のごちゃごちゃに気を取られないようにすれば、自分自身に力を与えるチャンスを与えることができるんです。変化は、この宇宙では絶え間なく起こっているものですが、それを意識することで自分自身が進化できます。大事なことは、自分を成長させてくれる道を照らすことです。啓蒙される道筋の中で学んだことを生かさなくてはいけません。
変更は、平安と強さを通じて生まれ変わる機会です。