本当の意味で人を理解するとは?

自分を本当に理解してくれる人は多くはないでしょう。そういった人は他の人と何が違うのでしょうか?あなたを支えてくれる人との精神的繋がりや共感でしょうか? これに関わる要素はいくつかありますが、ここでは本当の意味で人を理解することについて見ていきます。
本当の意味で人を理解するとは?
Valeria Sabater

によって書かれ、確認されています。 心理学者 Valeria Sabater.

最後の更新: 21 12月, 2022

本当の意味で人を理解するには、共感が基礎となります。他人の人生、ニーズ、感情を理解し繋がろうという努力があってこそ、真の尊重につながります。真の尊重があると、人とうまくやっていけます。人に共感し、理解することができると、相手への配慮や感謝が重要であることを感じるでしょう。

少し考えてみましょう。人間が蟻塚に住んでいることを想像してみてください。ひとりひとりに目的があり、そこに属する誰もがモチベーションや希望をもたずに作業をこなします。誰も人を思いやりません。相互理解は存在しません。そのため共感はなく、また注意や配慮、友人関係、利他主義を生む感情も存在しません。

これらのプロセスがなくては、人間は人間ではなくなります。ご存知の通り、衝突や逆境も人間の特徴です。しかし、互いに上手くやっていくために人を理解することは、精神的プロセスや感情のプロセスと同様に重要です。皮肉なことに、これは非常に難しいことでもあります。

相手の本当の理解は非常に繊細で、積極的で、また人を批判をすることはありません。ここでは、人を理解することの本当の意味を探ります。

人を理解する

人の理解の仕方を知る

人に誤解されると、フラストレーションがたまります。子どもの頃、親や兄弟、友達、先生があなたの置かれた環境を分かってくれなかった時、戸惑いを感じたことでしょう。誤解されていると、怒りと悲しみの混ざった感情が湧きます。実は大人になってもこの感情は変わりません。

誤解されることは、非常に深い痛みを伴います。この経験がある人は、人を理解したり共感したいと思うことでしょう。あなたが理解されないことがあっても、自分はこのスキルを高めたいと考えます。ですが、これはきちんと行うことが大切です。

「人は自分が理解したことだけを聴く」これはヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテの言葉です。私達は価値観やアイデア、考えが似ている人に賛同し理解しやすい人と繋がりがちです。

人を理解するには努力が必要です。また、勇気も大事になります。そして人を理解するためには、自分と違う考え方をする人を探求し、認め、つながることが必要とされます。

本当の理解

本当の意味で人を理解しようと思うのであれば、明確に知っておくべきポイントがあります。それは、単にわかることと理解することは違うということです。私達は単にわかっただけになりがちです。言い換えると、相手の言うことの解読に焦点が当てられています。メッセージとその意味だけはわかっていますが、その先までは及びません。

本当の意味で理解するには、もっと深いプロセスが必要です。単に相手の言っていることを理解するだけでは足りません。共感し、目の前にいる相手の独特の世界と繋がる必要があります。ここで知っておくべきことは、このプロセスは非常に活発で複雑だということです。

そして、このプロセスを効果的にしたいのであれば、心理学で「心の理論」と呼ばれるものを使いましょう。心の理論とは、人の精神状態(思考、恐怖、思い、意図など)を推測する力です。これを使い、人の行動を理解し、また将来の行動さえも予測できるようになります。

一度この情報のすべてを処理すると、その情報を解釈し、それに合わせて行動することができます。このメカニズムはすべて、精神的な理解の行為により統合されます。しかし、人を理解するにあたり感情面も無視できません。

人を理解する

批判する前に理解する

ダニエル・ゴールマンは著書の中で、人を理解することの必要性について語っています。単に人の考えていることや感じることを推測することではないと彼は指摘します。人が怖がっているか、悲しんでいるかに気づくだけではまだ足りません

意欲的で関心をもった心がなければ、本当の意味で理解することは不可能です。例えば、パートナーがあなたと話している時にあなたの心がそこになければ、心の理論は感情知能にとして無意味です。相手に対し心をオープンにしたいという積極的な思いと意志に加え、他にも重要な要素があります。

  • 積極的傾聴:下心を持たずに、相手に対し受容的でなければなりません。積極的傾聴とは、自分の意見を言うために相手が話し終えるのを待つことでなく、本当に相手に耳を傾けることです。
  • 批判せずに聴く:人を理解することは、批判、先入観をもたず、またレッテルをはることなく、相手の世界とつながることを意味します。

まとめると、本当の意味で人を理解するプロセスは簡単ではありません。それでも、これは誰もが実践できることです。意志さえあれば、道は開けます。


このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。