イメージリハーサルセラピー:薬を使わない悪夢治療
悪夢は恐怖と苦悩を引き起こし、人は驚いて目を覚まします。悪夢が慢性になると、睡眠の質に深刻な影響を与える可能性があります。例えば昼間のパフォーマンスにも影響を与えるようになるでしょう。今回ご紹介するイメージリハーサルセラピーは、この状態を治療する最も効果的な技術の1つです。
誰しも一度は悪夢を見たことがあるでしょう。ご存知のとおり、悪夢はよく知られた現象です。夢の体験を超えて問題を引き起こす事はなく、病理学的なものではありません。しかし悪夢が度々起こると、睡眠障害になる恐れがあります。
悪夢は、強い恐怖を生み出す夢を繰り返し見る睡眠時随伴症(パラソムニア)の一つです。これらは通常、REM睡眠時に発生し、その内容は何らかのかたちで人を脅かします。
慢性的な悪夢は、睡眠の質に大きく影響します。経験する人々に暗闇と不眠症の恐怖を植え付けます。明かりをつけたまま寝たり変な時間に寝たりなど、睡眠を妨げるような行動を起こすことになる可能性もあるのです。
悪夢の原因
悪夢の原因を特定するのに十分な科学的知識は得られていないのが現状です。しかし、悪夢の再発に影響するいくつかの要因が発見されました。
- 悪夢は子供やティーンエイジャーによく見られます。それらは成長過程の一部であり、時間とともに消える傾向があります。
- 高い心理社会的ストレスを抱えている時も悪夢を見る傾向があります。この状況では、悪夢は対処メカニズムです。夢の中でストレッサーを提示することで、それを解決するさまざまな方法を探求しています。
- 場合によっては、不安、うつ病、心的外傷後ストレス障害などの他の障害と関連していることもあります。
- 感情を適切に調整することが困難な人は、悪夢をより頻繁に経験します。
こちらもご参考に:
繰り返される悪夢
イメージリハーサルセラピーとは?
イメージリハーサルセラピーは、悪夢に関して最も研究されている方法の1つで、悪夢の治療に最良の結果をもたらすと考えられています。これが睡眠内容の変更に基づいた認知技術だからです。
イメージリハーサルセラピーの目標は、悪夢の詳細を意識的に変更することです。それらを楽しいストーリーに変えなくてはなりません。そうすることで夢の中で起こることを制御し、修正することができるのです。
イメージリハーサルセラピー
1.意識の修正
最初に、悪夢に関する考え方を修正する必要があります。悪夢はあなたがコントロールできないものではなく、修正可能なよく起こる習慣であるという考えを持たなくてはなりません。
一度記録されると、悪夢はもはや役に立たず、目的を果たさないことを理解する必要があります。悪夢が変わるように修正する必要があります。
2.可視化
次のステップは、鮮やかなシナリオを想像する人間の能力を使うことです。セラピストからは心の中で心地よいイメージを視覚化する練習をするようにアドバイスされるかもしれません。それが不快なイメージをコントロールするのに役立ちます。
3.悪夢への対処
セラピストは、悪夢を1つ選択するように言います。患者はその悪夢について書き記さなければなりません。次に、その悪夢から必要なものを全て変更し書き直します。この新しく組み立てられたストーリーをセラピストに説明します。
そして、修正されたストーリーを1日に15~20分の間考えます。ここでの目標は、目覚めている間に悪夢を普通の夢に書き直し、眠りについた後も書き直した夢が続くようにすることです。
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セラピーを成功させる
十分に練習して一貫性を保つとことができれば、悪夢はすぐに改善され、長期にわたって良い結果を維持できるようになります。また、睡眠の質が向上し、悪夢に伴う不快感が軽減されるでしょう。
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