一方通行な恋愛関係に囚われてはいませんか?
一方的な関係性は、本来あるべき情緒的絆のあらゆる原則と矛盾しています。相互関係は破綻しており、恋愛の基板が存在すべき完璧なバランスが侵害されているためです。共同の熱意が無いので全ては崩壊し、自発的で真正の意志も無い状態で、それぞれが日常生活の細かな点に留意しなければなりません。しかし恋愛において誰しもが望むのは、敬意と愛情のはずです。
ここで一番厄介なのが、カップルがそのことに気づくまでにはかなりの時間がかかるということです。関係性が磨耗していることで、二人の心の距離はどんどん離れて行きます。しかしどうやら、決まったルーティーンを行っているとそれがカモフラージュされてしまうようなのです。また、自宅や愛情からはかけ離れたところで、時間をかけて行わねばならない毎日のルーティーンワークによるプレッシャーもあります。そんな時、人はついに相手との関係性がもはや平等なものではなくなっていることに気づくのです。関係性における相手の存在がほとんど薄れかけているのかもしれません。
パートナーが物理的には隣に座っていたとしても、あなたは相手からの冷たさを感じます。感情的な距離があるのです。この愛情と意志の不在こそ、一方的な関係性の正体なのです。これは片方の人のみがその関係を保とうと身を捧げ、ケアを行い、努力している状態を指します。心理学者はこういったタイプの力関係をしばしば「不健全な関係性」だと定義づけますが、記事を読み進めてその理由を見ていきましょう。
一方通行の関係
関係性が一方通行なカップルを定義するのはかなり簡単で、二人のうちどちらか一人のみがその関係のためにエネルギーや意志や時間を費やしているようなカップルを指します。ただし現実はそれ以上に複雑で、その背後にはこの状態を推し進めている原因が多数存在する可能性があるのです。
多いのは、関係が始まった当初からこの力関係が続いているというケースです。一方で徐々に関係が一方向のみのものになっていくという場合もあります。いずれにしても一方的な関係性というのは健全とは言えません。実はこれは、その関係を元に戻そうと、何が何でも維持しようとしている人々にとってはかなり有害な状況でしかないのです。
そのことは、誰もがこのような関係性を不健全だと見なす理由を説明しています。つまり、相手との結びつきを維持しようとしている一方の人物のみが生み出す情緒面・心理面の過度な疲労状態は、その人にとって壊滅的なものである場合が多いからなのです。
ご自身が現在そのような関係に囚われていないかどうか、以下のセクションで確認していきましょう。
常に自分が折れている
ジョン・ゴットマン博士は、恋愛関係やそこから最もよく生まれる力関係の分野における権威です。彼の研究は数十年間に及ぶもので、いわゆる「愛の研究所」における彼の調査はすでに何百人もの人々の恋愛関係を修復したりあるいはそこから脱出させたりして救ってきました。
『結婚生活を成功させる七つの原則』が最も有名な彼の著作であることは間違いありません。その原則の中の一つ、「合意に至る必要性」を彼は強調しています。カップルのどちらか一人が常に妥協しているようでは、ある避けがたい事態が起こってしまうというのです。その関係を守ろうとして一方の人のみが相手のことを優先させていると、間も無く破局が訪れることは間違いありません。
二人のバランスが常に同じ方に傾いていると、いつも折れている側の人物はゆっくりと心が窒息するような状態に陥り、自尊心や尊厳、そして健康状態までもが傷つけられていきます。これが、一方的な関係性においてよく見られる状況です。
自らの感情を表すことができなかったり、欲求を満たすことができない
この種の結びつきに共通する特徴の一つは、空虚感という感情です。常に何かが不足しているように感じられるのです。それはまるで、喉が渇いているのにお酢しか飲むことができないような具合です。パートナーは確かに物理的には隣にいて、話しかけたり何かを一緒に行ったりすることはできているのかもしれません。それでも、何かが欠けているのです。もちろん、一方の人物がもう一方が与えられるよりも多くのものを要求するような関係性も十分にあり得ます。しかし、一方通行な関係というのはもっと力関係が明確なのです。
その「何かが欠けている」という感覚の正体は、感情的なブロックです。自分の感情や考え、欲求をパートナーに伝えようとしても、壁に向かって話しかけているように感じてしまいます。「今はこのことについて話すのに良いタイミングじゃないよ」、「君はいつも同じことについて文句を言っている」、「私に何を望んでいるの?」、「俺は何て答えればよかったの?」などというフレーズを何度耳にしましたか?これらは、一方が思いを伝えようとした際に非常によく見られる相手からの反応です。しかし、こちらのサポートあるいは愛情をパートナーが真に必要としているのならば、このような不誠実な反応はほとんどしないはずですし、できる限りこちらの要求を満たそうとしてくれるはずです。
パートナーがあなたのことをいて当たり前の存在と思っており、何の努力もしてくれない
例えば、あなたにとっては相手から期待されたことを行うのは当然なのでしょう。同じことが二人の問題を解決したりその他のことをする際にも当てはまるはずです。この状態こそがまさに一方通行の関係性を構成しています。カップル間には受け身な役回りと積極的な役回りとがあり、後者が担わなければならないのは二人を待ち受けている課題や試練に対処することだけではありません。
それに加えて、自分自身の義務も果たさねばならないので、その人物は抵抗したり不平を言うこともできないのです。したがって、一方が相手のこのような振る舞いを当たり前のことだと見なし始めたり、相手のしていることを認識できなくなったその瞬間に関係性は不健全になっていることは明らかだと言えるでしょう。また、一方のみが常に何らかの仕事や未知の出来事に対応している状態も有害です。このような状況は基本的に、どんな関係性にとっても致命的な傷となります。
一方通行の関係は混乱のもとであり、あなたを疲弊させる
たとえ自分では認めたくないとしても、このタイプの関係性には数多くの危険信号が登場しています。それを受け入れられない理由はシンプルで、これまでにあまりにも多くの労力や時間、そして感情を相手との関係のために費やしてきたために、放棄したくないからなのです。そのため、何かが変わるのを待ちわびながら愛や献身、辛抱強さを捧げ、相手にもっとチャンスを与えてしまいます。
しかしそんなことをしても何も変化しないであろうことは明らかです。実はここには心身の疲労が存在しています。心理的にも経済的にも、あらゆる面でその人物は停滞してしまうのです。自分の利益のためだけに結ばれる一方的な関係があることも覚えておいてください。
もちろん全ての恋愛関係には違いがありますが、絶対に間違ってはならない基本原則が一つ存在します。それは、愛とはバランスと相互関係だということです。愛情を持ち合うことは、チームになること、相手を思いやること、そしてそれを獲得するために二人で力を合わせることを意味しています。また、互いを労わり合って関係性を強めていくことでもあります。したがって、これが実現していない場合には全てが崩壊していくのです。
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- Gottman, John (2012) Las siete reglas de oro para vivir en pareja. Debolsillo