いろんな人生を経験したいなら本を読もう
わたしは、探検家にも、吸血鬼にも、象にも、ガゼルにも、人形にも、山にも、星にもなれます。本を読むと、旅をしたり変身することができます。本はいろんな人生を体験させてくれ、毎回新しいことを学ばせてくれます。
1930年代に2人のオーストリア人がキューバに移住し、たばこの会社を設立しました。工場では従業員たちは長時間にわたって労働していました。時間をやり過ごすために、従業員の一人がいつもみんなに本を読み聞かせていました。
「書いたページを自慢したければすればいい。私は読んだページ数を誇りに思っている。」
-ホルヘ・ルイス・ボルヘス-
従業員の一番のお気に入りは、アレクサンドル・デュマ・ペール著「モンテ・クリスト伯」でした。お話を聞くことで生産性が上がり、生産するたばこの質も上がりました。それがきっかけで、このたばこは後に「モンテクリスト伯」と呼ばれるようになりました。
この小話を聞くと、読書はわたしたちに羽を与えてくれることがわかります。本はわたしたちの想像力を掻き立て、別の人生を体験させてくれます。知らない場所を夢見たり、強い感情を得たり、あったこともない人を愛したり、飛ぶことだってできます。
読書のメリット
読書をするとき、本の中のキャラクターに自分を重ね合わせるだけではありません。行ったこともない場所に行くことも、見たこともない行事を体験することも可能です。これによって、環境と自分の周りの人に敏感になります。
次は、本のメリットを分析してみましょう。共感、創造力、記憶などです。アルツハイマーやストレスを予防したり、進行を遅くしたりします。知識を高めたり、話したり聞いたりする能力を発達させることもできます。
読書をすると共感力が養われる
2013年、エモリー大学の科学者は、読書家と読書をしないひとの脳を比較しました。読書家は、読んでいる本のキャラクターの感情を理解するために想像力を使うことができ、一般的に共感する力が強いことがわかりました。
読書は、他人が感じていることを理解する能力を高めます。この能力はあなたの発達のための基本的なスキルです。友情、家族、恋人関係、仕事など、様々なエリアであなたに影響を与えます。
読書の習慣は記憶力を高める
別の研究によれば、記憶をあまり使わないと、記憶力が弱まることがわかりました。そのため、クロスワードパズルやすうどくをしたり、読書をすることが推奨されています。これらのアクティビティーは、記憶をつかさどる精神サーキットに常に油をさし続けてくれます。
「読むことは人を豊かにし、話すことは人を機敏にし、書くことは人を確かにする。」
-フランシス・ベーコン-
読書をすると、本やキャラクターの人生を通じて、起こったこと、人の状況、知り得た対立を覚えておくことができます。このような記憶はわたしたちの知性を高めます。
読書はストレスの解消になる
デビス・ルイスによって行われた研究によると、読書はストレスレベルを68%下げます。また、心拍数を下げ、リラックスさせてくれます。一日6分の読書だけでストレスレベルが飛躍的に低下します。
わたしたちが読書をするとき、わたしたちの精神は別の場所に移ります。だから、例えば仕事で嫌なことがあっても、自分の接続を切り、気をそらすことができます。リラックスし、他のことを考えず読書だけを楽しむことができます。
読書でアルツハイマーのリスクが下がる
アルツハイマーのリスクを下げるための様々な研究で、読書が良いツールであることが証明されています。脳を刺激し、細胞同士がつながって生長します。
2001年、定期的に読書をするまたは精神的なエクササイズを行う高齢者は、アルツハイマー病を発症しにくい、と様々な研究者が発表しました。この簡単な習慣を毎日行うことで、脳をエクササイズさせることができます。
人前で話すことや書くことが上手になる
読書は、あなたの話術や作文力を高めてくれます。読書をすることで語彙が増え、新しい表現を学ぶことができるからです。この学びが、自分の言いたいことを伝えるために言葉を利用し、うまく執筆し、リラックスして話すことを可能にしてくれます。
読書をする人は、読んだ本のキャラクターの様々な人生を経験するだけではありません。読書家は、様々な話のタネを持っていて、話を聞き、観察する能力があります。
いろんな人生を楽しめる
読書をすることで、アマゾンの冒険家の生活や、空想の国の生活、ジャングルのオラウータンの生活が楽しめます。一ページ一ページがあなたの魂を満たし、読書をしている時間を楽しむことができます。読書は何より、大きな喜びです。お金もあまりかからないし、誰にでも簡単にできます。
自分の今の人生を楽しむだけでなく、過去や未来の人生も同時に生きることができます。もちろん、時を旅したり、自分の祖先について知ることもできます。未来がどんなふうになっているかを知ることもできます。読書は、起きている間に見る夢のようです。様々な現実を見ることができます。
「いい本を読むことは、本が語り掛け、魂が呼応する絶え間ない会話です。」
-アンドレ・モーロワ-