拡散的思考とは何か

· 2019年3月19日

拡散的思考または水平思考とは、同じ問題に対して複数の創造的な解決案を生み出す思考です。それは自発的で流動的、予測不能で同調や協調を気にしない、好奇心と心的アプローチに基づいた思考です。実際、楽しんで、想像し、新鮮な視点から自由な予想をする子供たちはとても近い考え方をしています。

拡散的思考は今日の現代世界で重要な思考です。同じような技術を真似することに慣れている社会では、大企業が別の技術を重要視するようになる時が必ずきます。拡散的思考により仕事に独創性とバイタリティーをもたらし、革新と創造性を提唱できる魅力的な人材を養うことができまするようになるのです。

しかし、学校や大学はいまだに方法論としての収束的思考を優先しています。1960年代にJ.P.ギルフォードは収束的思考と拡散的思考を区別し定義しました。

創造性とは遊びココロを持った知性である。

-アルバート・アインシュタイン-

ギルフォードは子供達に拡散的思考を訓練することの重要性を強調しましたが、教育機関は彼にほとんど注意を払いませんでした。その代わりに、直線的思考や、規則、そして「正しい」1つの答えを見つけ出す内省的な方法が優先されました。

確かにこの方法は便利ですが、私たちの現実の生活は複雑で動的であり、問題の答えが1つだけという考え方は非現実的で間違っていることを認めなければなりません。だからこそ、私たちは真の拡散的思考を使用する方法を学ぶ必要があるのです。

現在、多くの教育機関では生徒に正しい答えを見つける以上のことを求めており、新しい疑問を持つことを勧めています。

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拡散的思考と心理的プロセス

まずは1つ明確にしておくことがあります。他よりも優れている唯一の思考法などは存在しません。収束的思考も多くの場合に有用かつ必要ですが、真の問題は私たちがこう考えるのだと1つの考え方を「訓練」されてきたということです。つまり、私たちは自発性、機知、魅惑的な自由を無視してきたのです。

拡散的思考で人々を訓練することを目的とした多くのコースでは、学生に対して以下のような質問をします。

  • レンガとペンであなたはどのような事ができますか?また、歯ブラシと爪楊枝を渡したらあなたはどのように使いますか?

最初は1つのアイデアさえ思いつくのが難しいかもしれません。しかし、エドワード・デ・ボノがいう「水平思考」を得意とする人たちは、複数の答えや独創的に富むアイデアを思いつくかもしれません。この思考がどう機能するのか少しでも理解するために、どのような心理的プロセスが生じるのか解説していきましょう。

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意味論ネットワーク、または接続性の理論

拡散的思考とは類似性がないアイデアとの関連性、概念を見つける能力です独創性の専門家である心理学者は、人は異なる観念連合の精神的ネットワークを持っていると言います。

  • 「激しい」意味論ネットワークを持っている人々は、論理と直線的思考によってさらに抑制されます。
  • 「浅い」意味論ネットワークを持つ人々は、どこへもつながる精神的ネットワークを持っています。それは、意味のない2つのことを互いに関連づけることがありますが、他のネットワークが貢献し独創的なアイデアが生まれます。

左右の脳

脳の右半球が創造的側であり、左が論理的側だと聞いたことがあると思います。この理論によれば、拡散的または水平思考をより使う人々は、より多く右半球を使っているということになります。しかし、このような左右分化、半球優位性一般論には気をつけなければなりません。なぜなら、実際はとても微妙なプロセスだからです。

脳とは明確に分離された領域を持つ機関ではありません。その実、アイデアを生み出す時は、独創的で、保守的、論理的または高度な創造性に富んでいて、どう考えているかに関わらず、私たちは脳の全体を使っているのです。あるアイデアを他のアイデアにどう結びつけるかはとても重要な思考回路であり、とても独創的な人々は木のような思考プロセスを使っていると言われています。言い換えれば、彼らは一方ではなく脳の両方で繋がりを作って思考しているのです。

「望むものを想像し、想像は現実になり、そして最後に創造するのです。」

-ジョージ・バーナード・ショー-

イマジネーション

拡散的思考の訓練の仕方

すべての人々は年齢に関係なく、拡散的思考を訓練して利用することができます。そのためには特に4つのエリアに焦点を当てます。

  • 流暢さ:多数のアイデアを生み出す能力
  • 柔軟性:様々な分野の知識を基にした多種多様なアイデアを作り出す能力
  • 独創性革新的なアイデアを生み出す能力
  • 発展性:既存のアイデアをより洗練されたものに改善する能力

そしてさらに上記の4つを発展させる4つの方法があります。

シネクティクス演習

「シネクティクス」とは心理学者ウィリアム・J・J・ゴードンによって造られた用語です。基本的に、関係ないように見える概念、目標、考えの間につながりや関係性を見つけることができることを意味します。この実習は精神的な作業をたくさん必要としますが、コンセプトを選び毎日練習することができます。例えば、以下の通りです。

  • ペーパークリップとスプーンで何ができますか?
  • アフリカのリンポポ川とシベリアのバイカル湖の間にはどんな関係があり得るでしょうか?

スキャンパー法

スキャンパー法とは、ボブ・イバールによって開発されたもうひとつの独創的なアイデアの会得方法です。革新的で拡散的思考を実習し創造するのに役立ちます。例えば仕事のアイデアを考えなければならないとしましょう。「アイデア」を思いついたらそれを「フィルター」に通すのです。

  1. アイデアの中のある要素を別の要素に置き換える(楽しみ方に何か変えられる部分があるか、もしくは私たちの取り組み方に変えられる部分はあるか)
  2. 全てのアイディアを一つに組み合わせる(より楽しく働くには何がでるか)
  3. 応用する(他の職場ではストレスを少なくするために人々は何をしているのか)
  4. 修正する(ストレスをかけずにどう仕事ができるのか)
  5. 他の用途を出す(職場で何かもっと楽しいことができるか)
  6. 何かを省く(もし少し早めに仕事が始められたら、1日をもっと有効に使えるか)
  7. 改革する(何を変えることができるか)
少女と雲

発散的思考と気分

心理学者ニナ・リーベルマンの興味深い本「遊びごころ:想像力と創造性との関係」の中での彼女の研究は、拡散的思考と気分にとても関連があります。拡散的思考は喜び、楽観、そして内面の幸福に伴います。良い人間関係を持ち、良い睡眠を取り、そしてプレッシャー、不安、ストレスから解放されいることは発散的思考のための理想的な状態です。

強いプレッシャーや忙しい毎日の中で、私たちはたくさんの大切な事を無視しています。拡散的思考とは自由や陽気さ、オープンなな態度から生まれると言って良いでしょう。

Bono, Edward (2014) Lateral Thinking: An Introduction. UK: Vermilion

Runko, A. Mark (1991) Divergent Thinking (Creativity Research). Creativity Research