幸せは左脳にアリ

2019年4月7日

大衆的に信じられていることとは逆に、人の感覚や感情はこころにあるわけではなく脳にあります。最近の研究では、幸福の大部分は左脳にあることがわかりました。ワクワクしたり、エネルギーでいっぱいになったり、ポジティブに希望を感じたとき、最も神経活動が見られるのが左の前頭前皮質です。

これは面白いことです。ダニエル・ゴールマンはニューヨークタイムズの記事でこのことに関して話しており、心理学、仏教、崇高性などは、人間に関するたくさんの疑問への答えを導きだそうと一緒に取り組んでいると説明しています。

2000年の5月、実りのある会合が開かれます。ダライ・ラマが、当時最も権威のあった心理学者や神経学者と面会したのです。学者達が心に抱いていた目標は一つでした。仏教がネガティブな感情をどのように処理しているかを探るという、簡単ではないものの、実践的な目標です。さらに、優しさ、利他主義、幸せについて考えを巡らせるときの人の脳で起こっていることを発見するのも目的でした。

彼らはインドのダラムシャーラーで5日間を共に過ごします。この会合は、参加科学者のひとりであるリチャード・デビッドソンにとってとても実りの多いものでした。ディヴィッドソン氏は、ウィスコンシン大学の感情神経科学研究所の責任者であり、脳には, 自分を変える「6つの力」があるの著者です。 この会合を終えたとき、デビッドソンは一つの仮説を立てます。

「近年の研究では、人が共感するとき、物理的・心理的痛みを感じたときと同じ神経ネットワークの多くが活性化されることが分っています。」

-リチャード・デビッドソン-

ハート
左脳にある幸福

リチャード・デビッドソン氏は、感情神経科学の分野での研究で有名です。自分の講演会では、1つのフレーズを繰り返し伝えています。健康な人生を送るには、健康な精神を持っていることがカギである、ということです。近年、彼は同大学の健康精神センターの職にも就いています。

2008年、デビッドソン氏は神経可塑性と瞑想テクニックの関係を示した研究に力を入れていました。長い間瞑想を実践してきた人に、脳の電気活動や集中力がより見られるかどうかを確かめたいと思っていました。

「瞑想することで、立ち止まり、精神がつまずきの深刻度をどれだけ簡単に大げさに認識するかを知り、このような深淵に引き込まれて行かないように抵抗することができる。」

-リチャード・デビッドソン-

2012年に発売された著書、『脳には, 自分を変える「6つの力」がある』の中には彼の最も興味深い理論を見ることができます。この本の中で、デビッドソンは、幸せは左脳に位置していると明かしています。もう少し詳しく見てみましょう。

前頭葉と他の感情

脳の中に位置する何億ものニューロンの塊に関する研究は山ほど行われています。幸せが左脳に位置しているということは、ポジティブな感情が時間をかけて成長していくということを示しています。

  • 例えば、最近まで、感情や感覚は脳の最も未発達な部分、爬虫類脳に位置していると信じられていました。ここは大脳辺縁系のような最も古い構造が見られる場所です。すべての感情処理の制御を担っています。
  • しかし、神経科学は30年以上前に新たな発見をしました。感情は脳の深い部分にある大脳辺縁系だけが担っているわけではないことが分かったのです。実はこの構造は、複雑な思考処理を担う前頭葉に直接つながっています

悩む
苦悩、ストレス、不安は右脳

リチャード・デビッドソン氏は、これらの事実をすでに予測していました。彼は大脳辺縁系と前頭葉の関係についてすでに知っていたのです。しかし、長年の研究とMRIのテストによって、とあることに気づきました。

  • 苦しんだり、ストレスを感じたり、うつになるとき、扁桃体と前頭前皮質を覆う回路が最も活発になる。
  • 前頭前皮質は、かなりストレスを感じたときに経験する過覚醒と関連がある

 

左脳とポジティブな感情

幸せは左脳にあり…もっと正確に言えば、左前頭葉に位置しています。落ち着いていて、楽観的で、リラックスしていて、希望に満ち溢れているときは、反対側で起こっている激しい神経の活動に比べて右前頭葉の活発が鈍くなります。神経科学が認めているとても重要で顕著な事実です。

「精神的な活動を通して、自分の脳を意図的に変えることができる。」

-リチャード・デビッドソン-

 

幸せが左脳に位置しているとして、それをどうやって刺激するか

デビットソン氏は、脳の活動を変更するためにわたしたちができることは、思考と全体的な精神活動を改善することであるとしています。認知行動療法によっても証明されています。この治療法は、不安症、うつ、恐怖症、ストレスなどの改善に大きく役立っているからです。

幸せが左脳に位置し、右前頭葉の過剰活発を「抑えたい」なら、以下の項目を実践しましょう。

  • 瞑想。
  • 優しさ。
  • 利他主義。
  • 休息時間を自分に与える。
  • 友情を育てる。
  • 目標を常にもつ(モチベーションを保つ)。
  • 熱意を持つ。
  • ポジティブで希望を持つ。
ヨガ

どこで何が起こっていようが、ひとつ忘れてはいけないことがあります。自分以外はだれも自分の精神活動を変えたり最適化したりすることはできないということです。幸せに、もっと柔軟に、偏見のない人生を送りたいと私たち自身が思うべきです。自分に幸せの神経の気を作り出す機会を与えてあげましょう。

「結果として、自然は人間に自分の周りの世界の需要に適応できる可塑性と柔軟性を備えた脳を与えた。脳は、不変でも静止してもいない。常にその人が描く人生によって変えられている。」

-リチャード・デビッドソン-