心と体と瞑想について:その関係性とは?
瞑想とそのメリットに関する文献はたくさんあります。元々は東洋からやってきた瞑想ですが、今では西洋の国々でも一般的になりました。これだけ一般的になってきた瞑想ですが、多くの人に知られていない側面もあります。それは、心と体、そして瞑想の関係性です。
瞑想を毎日行う人はたくさんの効果を感じているでしょう。今回は、この瞑想の仕組み、そしてなぜ効果があるのかについて話していきたいと思います。もう少し分かりやすく言い換えますと、瞑想によってどのような変化が脳と体に起こるのかを見ていくということです。
瞑想は脳を磨いてくれます。それは結果として、私達の感情や体に影響を与えます。この心、体、そして瞑想の相互関係を理解するには、専門的な知識を知る必要があるので、まずはそれが何か見ていきましょう。
「深い瞑想だけが自分が本当に自分自身であると気づかせてくれる。」
―シュリ・チンモイ―
魅力的な脳の世界へようこそ!
ここでは、瞑想によって影響を受ける脳の場所を見ていきたいと思います。
- 背外側前頭前野は、物事を合理的な視点でとらえることのできる脳の一部で、感情的な経験のコントロールに関わっており、物事をパーソナルにとらえる傾向があります。この部分は「評価センター」としても知られています。
- 背内側前頭前野は、あなたに対して、あなたのこと、経験、考え、そして目的などを常に話しかけている部分です。また、ここでは、あなたや周りにある全ての情報を処理しています。「自分センター」とも言われる場所で、2つのセクションから構成されています。一つは、懸念を繰り返しているセクションで、もう一つは共感において非常に重要な役割を果たしています。
- 島皮質は体の感覚を制御し、腸内レベルで感情を経験します。また、島皮質は感情の反応レベルを調整するのを助ける機能でもあります。
- 偏桃体は私達の警告機能であり、恐怖を司る場所です。ですので、偏桃体は私達が危険に瀕した時に行う「戦う、または逃げる」という判断に直接関係しているのです。
瞑想しない脳の仕組み
瞑想しない脳はたいてい「自分自身にとらわれている」という状態にあることがあり、先ほど述べた「自分センター」に強く依存しているのです。さらに、このセンターは体の感じる恐怖とリンクされ、強い神経の繋がりを引き起こします。この場合、自分が受け取った情報のほとんどがこのセンターによって処理されてしまうのです。
この依存性は、ネガティブな考えばかりにとらわれてしまう原因でもあります。なぜなら、「自分センター」と「評価センター」との繋がりが弱くなってしまうからです。
「評価センター」の働きを高めるには、「自分センター」の活動を抑えなければなりません。そして、「自分センター」の活動が抑えられないと、先ほど話したように物事を個人的にとらえてばかりになります。また、これは共感力を高めます。受信した全ての情報を同化する方法で、間違ったデータを破棄して過度な思考と懸念を減らすのです。
瞑想中の脳
定期的に瞑想している脳では、いくつかの現象が起こっています。例えば、「自分センター」と恐怖の感懐を壊し、恐怖に対する反応の強さを下げるのです。そして、これこそが瞑想すると不安が減るという理由の一部なのです。
また、「評価センター」と恐怖の間により強力なニューロンの繋がりが作成されます。これは、何か危険に瀕した時に、自動的に反応してしまうのではなく、合理的にその危険を評価できることを意味します。そして、自分にとって利益にならない仮説を立ててしまう思考を止める役割も持っているのです。
「誰かを本当に愛する前に瞑想は不可欠。孤独でありながら大きな幸福を感じることができれば誰かを愛することができる。」
―バグワン・シュリ・ラジニーシ―
共感:さらなる効果
定期的に瞑想をする脳では、「自分センター」と共感を司る部分の繋がりが向上します。瞑想を通して、共感の経験に関係している島皮質の活動を高めているのです。これによって、他人の精神状態や望み、モチベーションなどが理解しやすくなります。
心、体、そして瞑想
ネガティブな感情の軽減は、免疫システムに直接影響を与えているようです。さらに、定期的な瞑想は心拍を下げたり、血管を拡げてくれるのです。
ある研究では、瞑想と血圧低下が関係していることを発見しました。そして、これには内分泌系にも良い効果があるということも見つけられました。瞑想をした時には、エンドルフィンという幸福ホルモンを分泌するので、ストレスホルモンを適切な数値に保つことができるのです。
このように、心と体、そして瞑想は非常に密接な関係にあります。これから瞑想を始めようとしている人は、専門家に相談して一貫性を持って取り組んでみましょう。毎日の習慣を利用して、あなたも健康を手に入れてみませんか?
「心に静寂が訪れた時に魂は話し始める。」
―トレイシー・ケネディ―
引用された全ての情報源は、品質、信頼性、時代性、および妥当性を確保するために、私たちのチームによって綿密に審査されました。この記事の参考文献は、学術的または科学的に正確で信頼性があると考えられています。
- Ponte, P., Castella, M., Filella, D., Feliu, A., Matas, L., Soler, J., Ruiz, M., Sole, M.J., Ferrero, M., Aguilera, M., Roca-Cusachs, A., Arroyo, J.A. (2018). Benefits of mindfulness meditation in reducing blood pressure and stress in patients with arterial hypertension. Journal of Hypertension: June 2018 – Volume 36 – Issue – p e294–e295
- Gladding, R. (2013). This Is Your Brain on Meditation, The science explaining why you should meditate every day. Psychology Today. Recuperado de https://www.psychologytoday.com/intl/blog/use-your-mind-change-your-brain/201305/is-your-brain-meditation
- Do-Hyung Kang Hang Joon Jo Wi Hoon Jung Sun Hyung Kim Ye-Ha Jung Chi-Hoon Choi Ul Soon Lee Seung Chan An Joon Hwan Jang Jun Soo Kwon (2013). The effect of meditation on brain structure: cortical thickness mapping and diffusion tensor imaging. Social Cognitive and Affective Neuroscience, Volume 8, Issue 1, January 2013, Pages 27–33