科学的視点からみた瞑想

· 2019年2月5日

瞑想は近年とてもポピュラーになってきたことで、様々な状況で様々な目的のための私たちの生活の一部になってきています。これには理由があります。瞑想には、肉体的・精神的健康にたくさんのメリットがあるのです。だからこそ、瞑想が流行ってきたのかもしれません。

しかし、多くの人は「信じない」といって瞑想を拒みます。しかし、瞑想は宗教ではありません。効くと信じる必要はありません。これは魔法や運任せとは違います。

瞑想にあるとされているメリットの多くは、科学的にも証明されています。さらに、これを証明する過程でさらに多くのメリットが見つかっています。

次に、近年研究者によって発見された素晴らしい瞑想のメリットを見ていきましょう。研究はまだ続いており、ご紹介するメリットはほんの一部に過ぎません。

瞑想によってクリエイティブになる

瞑想の興味深いメリットのひとつは、これが想像力を促進するということです。オランダのライデン大学の2012年と2014年の研究によれば、特定の技術によってクリエイティブシンキングを促進できます。

これらの研究では、「オープン・モニタリング」と呼ばれる瞑想を見ていきました。この研究の中で、参加者たちは特定の概念や物体に注目せずに、様々な思考や感覚を受容します。すると、より高いクリエイティブシンキングの能力を発揮し、前よりもたくさんの新しい考えを生み出しました。

これらの発見は、瞑想が人間の認識において長く続く影響を及ぼすということを証明しています。人間が新しい考えを思いついたり、出来事を経験したりする方法です。これは熟練の瞑想者だけに言えることではありません。新人だって、瞑想からのメリットは得られるのです。

脳
瞑想によってストレスと不安が軽減される

瞑想に関して最も顕著なメリットは、これがストレスを軽減したり、防止したりできるということです。アメリカのジョージタウン大学によって行われ、2017年の1月に発表された研究では、瞑想がストレスに対する炎症ホルモン反応を軽減するということがわかりました。特に、マインドフルネスを行った後の効果が顕著です。適切に設計された臨床実験では、意識的な瞑想が不安症に対抗するという客観的な心理学的証拠も発見されました。

研究者たちは、瞑想のコースを受けてから、不安症を持つ患者がストレスの多い状況に対するストレスホルモン反応や炎症を飛躍的に減少させた、ということを発見しています。瞑想が含まれないストレスマネージメントコースを受講した患者は、瞑想が含まれているコースを受講した患者より低い結果を出しています。

カナダのウォータールー大学の研究者によって発表された2017年の別の研究では、10分の瞑想で不安症の人の集中力が上がるということがわかりました。不安を感じている82人の参加者への瞑想の影響を評価しています。今という瞬間への意識を高めることで、関係のない不安の原因であるしつこい思考を軽減することができるということがわかりました。

研究者たちは、どんな人でも漂う思考が一日の思考の半分を占めるものだと言います。不安症を持つ人は、反復思考が今行っている課題に入り込んで、学びの能力、課題を遂行する能力、安全に機能する能力にすらネガティブに影響します。

瞑想によって、精神的・肉体的健康とストレス耐性が改善

ヨガや瞑想をすることに対して、多くの人がポジティブな健康への影響を報告しており、精神的・肉体的メリットを感じています。しかし、これらを行うことがどう精神と体の健康に作用していくのでしょうか。

2017年の8月に発表された新しい研究では、ストレスの心理的・免疫学的マーカーを観察することで、人へのヨガと瞑想の影響を調査しています。研究者たちは、3か月の集中療養の参加者を研究しました。その結果、ヨガや瞑想を行うことはストレスと炎症の心理的・免疫学的マーカーにポジティブな影響を及ぼすことがわかっています。さらに、主観的な幸福感も改善しました。

『Frontiers in Human Neuroscience(人間の神経科学のフロンティア)』に発表されたこの記事は、ヨガと瞑想の脳由来神経栄養因子(BDNF)への影響、視床下部-下垂体-副腎系(HPA)、炎症マーカーなどを調査しています。研究者たちは、3か月の集中ヨガ・瞑想リトリートの参加者を研究しました。BDNF信号、起床時コルチゾール反応(CAR)、免疫マーカーにポジティブな影響があることを発見しています。

参加者は不安症と鬱状態が改善したことを報告しており、またマインドフルネスが高まったこともわかっています。研究チームは、リンパ漿におけるBDNF値の上昇に関しても注目しています。これは、学び、記憶、炎症、免疫、気分のコントロール、ストレスへの反応、代謝などの複雑な制御を担う神経修飾物質です。

視床下部-下垂体-副腎系(HPA)の一部である、起床時コルチゾール反応も観察しています。この結果、ストレスに対してより良い耐性があることがわかりました。

森林
瞑想は脳の構造と遺伝子発現を変える

『Psychiatry Research: Neuroimaging(精神医学研究:神経画像)』に発表された、アメリカのマサチューセッツ総合病院の研究者によって行われた2011年の研究では、瞑想の中でもマインドフルネスが、記憶、自意識、共感、ストレスに関連する部分でかなりの変化を起こすことを明らかにしました。この研究は、脳の灰白質の中で瞑想によって引き起こされた変化を記録しています。

MRIの分析によって、海馬の灰白質の密度が高くなったことがわかりました。これは、学びや記憶において重要な要因です。自意識や内省に関わる行動にも同じ影響がありました。さらにストレスの軽減によって、扁桃体の灰白質量も改善されました。扁桃体は、不安症やストレスにおいて重要な役割を果たすとされています。

ウィスコンシン、スペイン、フランスからの研究者によって2013年に行われた別の研究が、『Psychoneuroendocrinology(精神神経内分泌学)』に発表されています。この研究は、意識的に瞑想を行った後、体の中に特定の分子変化があると報告しています。

経験豊富な瞑想者と共に集中マインドフルネスを1日行う効果を調査しました。この研究では、瞑想をした被験者と、静かな非瞑想的なアクティビティーに参加した訓練を受けていない被験者のグループと比較しています。マインドフルネスを8時間行った後、「瞑想者」たちは一連の遺伝子・分子変化を見せました。遺伝子調節機構のレベルの変性、炎症誘発遺伝子のレベルの減少などです。これらの変化は、ストレスの多い状況でより早く肉体的に回復することに関連しています。これらは、抗炎症効果や痛み止めの薬に含まれている効果と同じものです。

ストレスを起こすDNA反応のかわり

イギリスのコベントリー大学が行った2017年6月の研究では、心身介入(MBI)、瞑想、ヨガ、太極拳は、人をリラックスするだけではないと示しています。リスク要因となるDNAの特定の部分を「元に戻す」あるいは補ってくれるのです。

『Frontiers in Immunology(免疫学のフロンティア)』に発表された研究では、過去数年以上にわたる研究を考察しています。これらの研究では、異なる心身介入(MBI)が遺伝子へ及ぼす影響を分析しています。18の研究で、11歳以上の846人の被験者を対象にしています。すべてを調べてみると、MBIの結果起こった体の中で起こった分子変化にパターンがあることがわかります。これらの変化が被験者の精神的・肉体的健康にもメリットをもたらしたということも明らかになりました。

研究者たちは、遺伝子発現がどのように影響を受けたかに注目しています。つまり、体、脳、免疫システムの生理的な構成に影響を及ぼすたんぱく質を生成するためにどうやって遺伝子が活性化するのかということに注目するということです。

世界中のたくさんの人が、ヨガや瞑想などの心身介入の健康メリットを実感しています。これらのメリットは分子レベルで起こっており、遺伝子情報の形を変えることができます。研究者はこれを「分子マーカー」と呼んでおり、体におけるストレスや不安の影響を反転させてくれます。

瞑想は痛みを軽減する

痛みの軽減は、瞑想における研究がなされている理由のひとつです。イギリスのリーズ大学によって2017年6月に発表された研究は、瞑想は従来の痛み止めの安い代替案になるということを発見しました。

瞑想

研究によれば、10分のマインドフルネスは痛み止めの代替案として使用することが可能です。結果は、一度10分のマインドフルネスを行うことで、痛みへの耐性や痛覚閾値を改善して、痛みに対する不安を軽減するということを示しています。

他の研究でも、痛み止めなしに瞑想を利用して痛みを軽減させる可能性を模索しています。2016年の3月のアメリカの研究もそうです。ウェイク・フォレスト・バプティスト・ヘルスによって行われ、『Neuroscience(神経科学)』に発表されました。この研究によれば、短い瞑想のあと痛みが軽減します。

これらの結果は、アヘンを原料とした薬に依存体質の人には重要な発見です。こういった人たちは、中毒的にならない痛みの軽減法を求めています。瞑想は、副作用なく痛みを軽減するために、他の従来のセラピーや薬と並行して行えます。

同じウェイク・フォレスト・バプティスト・ヘルスが行った2015年の研究では、意識的な瞑想は偽薬よりも痛みを軽減することが明らかになっています。この研究では、二方向からのアプローチが取られました。痛みの点数と脳の画像を利用して、マインドフルネスはプラシーボなのか本当に効果があるのかを決定しています。

この研究では、マインドフルネスを行った被験者は偽薬よりもより痛みが和らいだ、と報告しています。脳のスキャンは、脳の活動が偽薬を摂取した場合と異なることを示しています。

瞑想の効果に関する研究はこれからも続く

ここでは、瞑想の効果に言及したいくつかの研究をご紹介してきました。間違いなく、興味が高まっている分野です。神話や思い込み、偽薬効果以上のメリットがあるのは明確です。

これに効果があるのかどうかを知りたいなら証拠は必要ありません。やってみてください。心を開いて、批判的にならないようしましょう。副作用はありません。やってみたら、効果はお分かりいただけるはずです。

Zeidan, F., Johnson, S. K., Diamond, B. J., David, Z., & Goolkasian, P. (2010). Mindfulness meditation improves cognition: Evidence of brief mental training. Consciousness and Cognition. https://doi.org/10.1016/j.concog.2010.03.014 Tang, Y. Y., Hölzel, B. K., & Posner, M. I. (2015). The neuroscience of mindfulness meditation. Nature Reviews Neuroscience. https://doi.org/10.1038/nrn3916 Moore, A., & Malinowski, P. (2009). Meditation, mindfulness and cognitive flexibility. Consciousness and Cognition. https://doi.org/10.1016/j.concog.2008.12.008