ミゲル・デ・ウナムーノの残した5つの格言
ミゲル・デ・ウナムーノはスペインの作家、哲学者で「98年世代」の一人とも呼ばれています。彼の作品では、彼がどのように全ての文学の種類(小説、エッセイ、詩、演劇)を受け入れているのかが見られますが、この人物の最も特徴的な部分は、作品にも多々登場する実現主義というテーマでした。
そのため、今回私たちは特に彼の哲学的な懸念へ反応した格言をまとめてみました。
しかし、それを紹介する前に知っておいてほしいことがあります。まず、ウナムーノの時代に出てくる実存主義というのは98年世代という集団を経験した結果を象徴したものであるということです。政治的、社会的、経済的、そしてモラルの欠如は、当時彼らのインスピレーションであり、この時代の苦悩が作品にも反映されています。では、ミゲル・デ・ウナムーノの格言を見ていきましょう。
ミゲル・デ・ウナムーノの格言
1.愛は信じさせる
「愛は神を信じさせてくれる。それは私たちの望みであり、未来の命。この愛は私たちの中に夢を作る。」
神への言及はウナムーノの作品によく見られます。 こちらの記事(英語)では、ウナムーノは「不滅と忍耐を保証し、生存の意味を与えてくれる自分だけの神」を求めていたと説明されています。
しかし、この格言にはパラドックスが入っています。人間に必要な希望を私たちは持っている。しかし、一方でその希望によって私たちは苦悩を持っているという部分です。また、その希望のことを彼は幻想や夢と呼んでいるのです。
この矛盾は彼の作品のリサーチの中でも発見されており、研究者は未だに彼が無神論者や不可知論者、または宗教的な人間だったのか分かっていません。
2.読書の重要さ
「本を読まなくなればなるほど、読むものが有害となる。」
2つ目の格言は読書についてを書いています。読書は重要なことですが、ウナムーノはこの時すでに人間は本を読まない脆弱な存在だと知っていたのでしょう。
頻繁に読書をしなければ、全てを信じたくないために批判的になるのをやめてしまいます。ですので、この格言は私達を説得しているように見えます。読書は操作されることを避ける方法の一つなのです。
3.科学は疑問を教えてくれる
「本当の科学は疑うこと、そして自分たちが無知であることを私達に教えてくれる。」
これは少し先ほどの格言に似ていますね。読書をしないと全てが真実のように見えてしまうように、科学は疑いを持つことを私達に教えてくれているのです。
疑いをもつことは正しい答えに導いてくれたり、素晴らしい知識を与えてくれます。これは科学の世界で非常に重要なことで、自分が無知だと感じたら、それは私達を学習に繋げたり発見するよう促してくれるでしょう。実際、かの有名な哲学者ソクラテスの名言にも「無知の知」というものがあります。
4.幸せでないことの唯一の強み
「幸せでないことの唯一の強みは、幸せを願うことができることだ。」
ウナムーノにとって幸せという考えが大きな要素だったのは明白なことですが、それは達成のできない目標にも見えます。なぜなら、私達は一度も完全な幸せに達することができない、満足できないように思えるからです。
この格言は幸せでないことの唯一の強みについて話していますが、それは願望や希望(最初の格言であったような)をほのめかしているのでしょう。希望はありますが、あくまで実現することは不可能という解釈ができます。
5.愛されていないと感じるのは悲しいこと
「愛されていないと感じるのは悲しいことだが、愛すことができないのはさらに悲しいことだ。」
ウナムーノ最後の格言は愛についてです。人は自分自身を愛していない時ほど、愛されることを求めてしまいます。自尊心を育むと愛を感じることを助けてくれます。そして、それによって私たちが望む幸せが達成されるのです。
宗教、愛、幸せ、そして疑問はウナムーノの作品で最もよく見られるトピックで、私達の心に何かを訴えかけてくれます。また、これは私達を彼が頻繁に没頭していた考えへと導いてくれるでしょう。
ミゲル・デ・ウナムーノは言葉は力強いです。この言葉によって彼の生きていた時代を今回紹介したように反映することができます。彼の格言は時を超えて、現在を生きる私達に響き渡る力を持っているのです。
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