認知行動療法で不眠症を克服する

不眠症の克服は場合によっては困難です。この記事では、認知行動療法がどう治療の助けになるのかを説明していきます。
認知行動療法で不眠症を克服する
Sergio De Dios González

によってレビューと承認されています。 心理学者 Sergio De Dios González.

によって書かれた Francisco Pérez

最後の更新: 21 12月, 2022

おそらく、不眠症を克服するためにできることはやり尽くしたけれどどれもうまくいかなかった、と感じているかもしれません。軽度の不眠症はイライラの元となり、深刻な場合はどんどん衰弱してしまいます。もし解決策をお探しなら、一般的な不眠症の薬よりも心理療法の方がよっぽど効果的かもしれません。記事を読み進め、認知行動療法がどのように不眠症の治療に役立つのか学んでいってください。

不眠症はとても一般的な問題ですが、適切な治療がなされないこともしばしばです。統計的には、成人人口のうち6%の人々が精神障害の診断と統計マニュアル(DSM−5)で定義された不眠症に悩まされています。さらに、不眠症患者のうち12%の人が、不眠症が日中の活動の妨げにもなっていると証言しています。

不眠症の定義とは?

不眠症は睡眠障害の一種です。不眠症を抱える人は、眠りにつくまでに時間がかかったり、睡眠状態の維持が困難だったり、朝かなり早い時間に目が覚めてしまったりします。この障害は正常な日常生活を難しくし、健康にも甚大な悪影響を与えかねません。

さらに、不眠症はさらなる心理学的・医学的病状の予兆となる傾向があります。これが、不眠症に悩んでいるならば適切な治療を受けねばならない理由です。DSM−5は、メンタルヘルスの専門家は、患者が寝つきや睡眠の問題を抱えている場合に不眠症の診断を下すべきだと述べています。

不眠症と診断される場合、これが日中の活動の妨げになっていることが条件の一つです。もっと言えば、不眠症以外にこの問題の説明がつく医学的・心理学的病状が存在しない場合です。したがって、不眠症と診断する際は、寝付くまでに30分以上かかることと眠ってすぐに目が覚めてしまうことが必須の症状となります。もしこれが一週間に少なくとも3日あり、それが最低でも6ヶ月続くようであれば、その患者は不眠症です。

眠れない女性

認知行動療法(CBT)で不眠症を克服しよう

多数の研究により、認知行動療法(CBT)が不眠症治療に効果的であることが特定されています。この治療による結果は、適切なフォローアップがされれば長期間続くことが期待されます。

医師は、様々な種類の処方薬や市販薬を不眠症患者に処方します。これには、ベンゾジアゼピンや非ベンゾジアゼピン系睡眠薬や抗うつ薬、そしてジフェンヒドラミンやドキシラミンなどの抗ヒスタミン薬などが含まれます。

それにも関わらず、非薬理学的な治療の方が患者の反応が良いことが証明されているのです。また、これらの治療法には長期間続く効果もあります。認知行動療法は効果的で期待できる治療法なのです。

不眠症のための認知行動療法は、患者が行動や思考、そして信条を変えるための手助けができるように設計された心理学的な調整です。この思考や信条というのが慢性的な睡眠の問題を長引かせてしまうのです。

この治療法がユニークなのは、睡眠に焦点を当てているからです。他の種類の心理療法と比べて比較的短時間で行われ、患者が治療の中でとても活発な役割を果たします。不眠症治療のための認知行動療法の基本的な目標は、患者の眠りを助け、日中の活動状態を改善することです。

これらの目標を達成するために、セラピストは患者に直接指示を与えます。ですが、患者にはセラピストが家でも行うように勧めたことに従う責任もあります。

臨床心理士は認知行動療法においてどう不眠症を扱うのか?

認知行動療法は不眠症を引き起こすような行動と認知のプロセスに焦点を当てたもので、その目標はこのプロセスを再現することです。治療には時間制限もあります。普通、不眠症患者は心理士と面会する一回50分間のセッションを、6回から8回ほど行います。

初回のセッションでは、セラピストが患者に対して治療の説明をし、睡眠の科学や概日リズムについての話もします。患者は自分の目標もセラピストに伝えます。次の3セッションは、患者の睡眠に対する心配事や、症状について気になること、安全な行動、そして日中のエネルギーなどを取り扱います。

不眠症の男性

5、6、7回目のセッションでは、リラクゼーションや睡眠衛生、日中および夜間のルーティーンなどについて強調していきます。最後に、8回目のセッションでは再発の防止が中心となります。

新しいセラピストと不眠症のための認知行動療法を始める際は、まずセラピストが患者を評価します。彼らは患者の病歴に加えて不眠症期間やその重症度についても調べます。最初のセッションは患者の治療に対する批判的な様相も含みます。それから、心理学者は治療の要綱とレイアウトを手渡します。また、その患者に特有なケースや基本的な睡眠パターンについても話をします。

セラピストとの最初のセッションで最後に行うのが、不眠症を克服するためにしなくてはならない行動や認知プロセスの特定です。治療を終えた時、不眠症を克服するための治療を通して学んだテクニックや道具などを全て活用し、再発防止に努めなくてはなりません。


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