プラトニック・ラブ:満たされない欲求
かつてプラトンは、私たちが望むものだけを愛し、持っていないものだけを欲しがる、と言いました。
彼の時代には、私たちが今日もあまりにも慣れ親しんでいる壊滅的な気持ちをすでに感じていたのです。それは、人生への永続的な不満です。
他の人が自分を羨ましがっているかどうかや、自分の人生に何か不満があるかどうかにかかわらず、私たちは常に何かが欠けているように感じます。私たちの中には一定の空虚があり、私たちはその心の穴をどのように埋めるべきか分かりません。
この感情はロマンチックな関係で最も頻繁に起こるようです。愛を理想化する人は非常に多く、彼らはそれが完璧であることを必要とします。
このノスタルジックなロマン主義、(特定の相手ではなく)恋に落ちることに恋することは、私たちをいつも満足していないと感じさせるものです。この愛の考え方は現実的ではありません。それはむしろ幻想や、こうなっていたかもしれない、という想像に基づいています。
ごく稀にこのプラトニックな形の愛が実際の関係に発展することもあり、人は満たされ陶酔感を得ます。それは今まで多くの苦しみを引き起こした空虚感を埋めてくれます。
問題は、時間が経つと関心を失い、かつてと同じようなプラトニックでダイナミックなものに戻ってしまうことです。手が届かないものを欲し、苦しみに耽るのです
欲望と喜び
欲望にしか喜びを感じていない人が非常に多いのも事実です。憧れ、夢、希望、そしてそれらを理想化することは、喜びを得ることに繋がっています。
しかし、彼らが実際に望むものを得てしまったとき、彼らは退屈してしまうのです。一度彼らが心の空虚感を完全に埋めてしまった場合、新たな欲望のためのスペースがありません。
彼らは本物が不完全であることを理解した時、それに対して憧れていたときに抱いていた期待を満たすことはありません。
彼らは、新たな憧れと願望を求めて逃げ出します。そうすることで自分が本当に生き生きと感じるからです。
彼らは苦しんでいますが、それは甘い中毒です。彼らはもっと他に良いものがあるはずだと思っています。もしそれが見つからなかった場合でも、「まだそれを見つけていないだけ」と、検索を続けるのです。
私たちはしばしば、幸せがどこか特定の場所にあると考えています。私たちがそのどこかで待っている幸せを見つけることができれば、不満はあっという間に消えてしまうでしょう。
しかし、最終的に私たちはそれが実際にそうではないことを知ります。本当は、私たちはすでに、すべてを持っています。私たちが日々の生活の中でほんのわずかなものを変える方法(ほとんどの場合お金を使う方法ではない)を知っていれば、私たちはどこか別の場所にある幸せを探す必要はないのです。
問題は、私たちがこれらの変化を恐れることです。変化は私たちを不安にさせるので、自らの現実を作り出す代わりに、こうなっていたかもしれない、という思いにしがみ付いてしまうのです。
あなたが今持っているものを愛する
あなたが持っていないものを望むことは普通のことで、そして、ほとんどの場合、それはやる気をみなぎらせる力の源です。しかし、欲望がニーズになってしまい、それが痛みや苦しみにつながるとき、それはあなたを立ち止まらせ、空虚感や不満を感じ始めます。
逆説的に、この生き方はあなたに生きることを許しません 。あなたは自由ではありません。人生はどのようにあるべきかという考えの奴隷になっています。
したがって、あなたが今持っているものに対して愛を注ぐことが重要です。それがあなたの人間関係、仕事、友人、または住んでいる街など・・。こういったもの中には、他人が欲しがるようなポジティブなものがたくさんあるのです。
あなたの眼に映る日常的で幻想的な汚れをきれいに拭き取って、好きではない人生の側面を自発的に変えなければなりません。そして、可能な限り多くの希望を持ってそれを行いましょう。
あなたが生きる毎日に感謝することができれば、持っていないものに対して欲望を抱くことはないでしょう。あなたは現在を生き、何が起こっても幸せであることを学ぶでしょう。あなたは逆境を受け入れ、あらゆる経験からポジティブな何かを得るでしょう。
今ここにはない未来に想いを寄せ、あなたの人生について絶えず不平不満を言うことを止めてください。今あなたがいる場所に留まり、リスクを冒し、あなたの人生について気に入らないものを変えていってください。
しかし、決して実現することのない不可能な夢のためにはしないでください。あなたがすでに持っているものは完璧なので、それを利用しない手はないはずです。