リトルエンペラー症候群:子供の暴動
近頃、子供が親や先生に対して無視や、挑戦的、または馬鹿にした態度をとる光景を目にすることがとても増えました。懸念されるのは、このような態度が極端に酷くなっていくことで、親は子供によって虐待を受けているようなものです。今回はリトルエンペラー症候群、子供の暴動についてお話をしようと思います。
私の専門分野での経験と日常の両方で、子供が親を叩いたり、侮辱したり、馬鹿にしている様子を目撃するのは一般的になりました。そして、彼らは自分達の欲求を叶える為にこのような態度をとっていることが多いのです。
最も印象的なことは、子供が暴力的な態度をとればとるほど、親が彼や彼女たちを喜ばせる為に努力をすることです。子供達の欲求に圧倒された親は、彼らを満足させれていないことから最終的に罪悪感を覚えてしまうのです。
リトルエンペラー症候群の特徴を知る為に、まずは実際に起こったストーリーを話していきましょう。それは私が夏休み中に目撃した出来事です。
リトルエンペラーは食べたくない
父親、母親、そして5歳くらいの子供の家族が比較的空いているレストランで食事をしていました。母親は子供にご飯を与えるので精一杯のように見えました。その子供は自分で食べられるように見えましたが、彼は食べる行為をしたくなかったのです。
問題はその子が食べたくないという様子ではありません。彼は母親が頼んだコーラしか欲しがらず、コップさえも手放さなかったのです。それは、お母さんが返してと頼んでいても続いたのです。
そして、お母さんが思いついた一番良い方法が「このステーキを食べたらコーラ飲んでもいいよ」という彼に対する交渉だったのです。
「食べろって言われてもこんな気持ち悪いステーキは食べないよ」や、「もう食べないって言ったじゃん、僕が言ったこと分からないの?」などと、その子の悪い態度と母親に対する侮辱的な言葉遣いはさらに増していきました。
一方、その闘いの唯一の観客であるその子の父親は、無関心な顔をして子供を観察したのです。
コーラの件が終わった後、お母さんは子供を満足させる方法が見つけれずに諦めてしまいました。その子は飲みたいだけコーラを飲んで、母親をからかったり、テーブルの下で蹴ったりしていたのです。
最終的に母親から「もう今日はプール連れて行ってあげない」と、罰を与えられましたが、彼は真剣にそれを捉えていませんでいた。
この時点で、このリトルエンペラーはこのようなタイプの状況に勝つための要素をすでに持っているのです。この先も、彼は今回のコーラ事件より少し激しく闘えばいいということを知っているのです。
リトルエンペラー症候群の特徴
上記で説明した状況の中に、リトルエンペラー症候群、または子供の暴動の特徴を指摘することが出来ます。
- 所有物への大袈裟な感覚。その子供は許可を取ることも、求めることもせず、何に対しても満足しませんでした。欲しいものを手に入れた時、彼はさらに欲しがったのです。
- 彼の要求したものに対しての拒否、退屈、フラストレーションへの忍耐力が低い。このようなケースでは、そこが公衆であろうと、そうでなくても彼は家族や友達に対して、怒りや侮辱、そして暴力で反応しようとします。
- 問題解決力がとても低い。他人が彼の為に問題を解決することに慣れてしまいます。
- 自己中心的。世界は自分を中心に回っていると思わせている。
- 自分の行動にいつも正当性を見出し、彼の行為を他人の責任にする。
- 共感しない。叫ぶ、脅す、暴力を振るうなどの行為を取った際に後悔を感じない。
- 親が決めたルールや罰に対して、不公平だと文句を言う。これは彼に利益を生み、親が罪悪感を感じ、折れてしまうと、より多くの権利を主張する。
- 権威や社会規範に上手く応じなくなる。
- 低い自尊心を持つ。しかし、これは暴力的な態度の仮面で隠れている。
- ほとんどの時間を悲しみ、不安、怒りなどの気持ちと過ごすことになる。
どのようにして子供がリトルエンペラー症候群になるの?
最初に言及したように多くの子供がこのような状態になっています。しかし、なぜこの現象が増えているのでしょうか?
遺伝的要素に加えて、その責任は主に2つのことに関係していると言われています。それは、許容的な育児のスタイルと社会の影響です。
明確な境界線が無いと、子供は自分達は何をしても良いと間違った信じ方をしてしまいます。その信念では、報酬を得るには努力が必要、他人を尊重するといった考えは築くことが出来ないのです。
また、私達の住む消費者主体で個人主義的な社会の影響も無視できません。同様に、子供達との大切な時間に影響を及ぼす労働時間も無視の出来ない社会の影響です。
健全な子供は明確な境界線が必要
これらの全ての要素を組み合わせて考えると、子供たちは物事を重視せず、即座に欲望を抱くことに慣れてしまうという理論を立てる事ができます。同様に、両親もまたストレスを感じてしまい、親が何をしてもあなたの子供は満足出来なくなるのです。
強く、健康に、そして、感情的に賢く なるよう子供を育てるには、最初からしっかりとした境界線を引いてあげることです。子供はある程度のストレスを経験する必要があります。そうすることで、この世界で何かを得る為には努力をしたり、他人を尊敬しないといけないと学ぶのです。
子供に世界は自分中心に回っていると思わせることは可哀想です。ストレスを経験しない子供は弱い子供に育ってしまいます。
将来、今回紹介したような子供は新しい状況を処理するのが困難になったり、問題を解決することが難しくなるでしょう。いずれ、彼らは人生が自分達の意志で曲がってくれるものではなく、自分の思うがままにいかないことを発見してしまうからです。
引用された全ての情報源は、品質、信頼性、時代性、および妥当性を確保するために、私たちのチームによって綿密に審査されました。この記事の参考文献は、学術的または科学的に正確で信頼性があると考えられています。
- Garrido, V. (2005). Los hijos tiranos. El síndrome del emperador. Ariel, Barcelona.
- Pereira, R., & Bertino, L. (2009). Una comprensión ecológica de la violencia filio-parental. Violencia familiar, 226.
- Urra, J. (2012). El pequeño dictador. Grupo Ilhsa SA.