セラピーにおけるコントロールの幻想

セラピーにおけるコントロールの幻想

最後の更新: 02 9月, 2019

人生の中で、心理士にかかったほうが良いのではと自分自身に尋ねる瞬間があるかもしれません。人には疑念や恐怖があります。周りの人に意見を求めることもあるでしょう。代替医療や疑似科学セラピーなどを受けて心を落ち着かせようとするかもしれません。出口を求めて専門家の元へ向かいます。時に、感情の健康が深みにはまって、すべての光と希望を失ったように感じます。逆に、コントロールできていると幻想を抱くこともあります。しかし、本当に制御は取れていますか?

「いつも物事を正しく行っているわけではないとはわかっています。自分自身をより良くしようとしているだけなのです。より良い人、より良い父親、より良いアーティストになる方法を考えているんです。」
-ネイバディウス・ウィルバーン-

カウンセラーの目的を話したところで、エネルギーと意図についてみていきましょう。高すぎた山が、近づきやすいように感じ始めたとします。改善して、自分でもよくなってきていると感じて、そうなってくると自分の思うことを信じるようになります。さて、「わたしならできる」「まだ悪いことは何も起こっていない」「良い時も悪い時もある」という言葉が、頭の中を駆け巡ります。カウンセリングの辞め時とはいつなのでしょう?

コントロールの幻想

コントロールの幻想は、心理学者の間では知られている考えです。言葉としては口にしていなくとも、気づいている人も多くいるでしょう。人は、他の理由付けや思考ツールと共に、自分自身をだます方法を生み出してしまうんです。

コントロールというのは、最もよく知れた概念のひとつです。自分の手のうちにないものを支配して制御する感覚です。はっきりとした例には、ギャンブラーがあります。制御できないようなゲームにも自分には作戦があると思い込みます(例えばルーレットなど)。

 

「現実は幻想のようなものだ。しかしとてもしつこい。」
-アルベルト・アインシュタイン-

悩む

私たちがネガティブな絆と鎖から解放されるとき、もう助けは必要ないと思い始めることはおかしくありません。

「自分は良くなった」と考えることはポジティブなことですが、これを現実と比較して、見通しを誤ってはいけません。これは、セラピーの中で注力していくべき目標のひとつです。人がセラピーを終える様々な理由の中で、コントロールの幻想は最も害のあるもののひとつです。準備のできていない再発が悪影響をもたらすためです。 

セラピーにおけるフォローアップの重要性

セラピーで成果が出てくると、次の段階へ向かいます。自分の目標を掲げて、自分の感じていることに関する自分自身の決断を下すかもしれません。これはとてもポジティブなことです。

しかし、有害な思考や悪い習慣をとめることは、それを「コントロール」することができていることを意味するわけではありません。これこそセラピーの間に気を付けておくべきことで、自分を改善してくれたものを切り捨ててはいけません。始めの問題を解決したら、セラピーの成果を失わないためにも、防止策を構築していくことが得策です。そうしなければ、回復するための良い状態を保つ方法を作り出すことができません。

「自分に嘘はつかないでください。自分自身に嘘をついてそれを聞き入れる人は、自分の中あるいは周りの真実を見分けることができなくなります。そのため、自分自身や周りの人への敬意を失います。敬意がなければ、愛することもできません。」

-フョードル・ドストエフスキー-

診断

自分の親戚や親しい人が良い状態へたどり着いた際どうしたら良いでしょうか?自己欺瞞

「観察」と監督の過程に入ります。自分は良くなったのか疑ってみたり、愛する者が良くなったのか疑ってみることです。コントロールの幻想に立ち向かい、歩んできた道を慎重に見返す必要があるとき、ただ「わたしは大丈夫」と言うだけで終わることにはリスクが伴います。ゴールへたどり着くことは、歩んできた1つ1つの小さな一歩の結果であることを忘れないでください。

「成功は特別な能力だけで達成されるわけではない。継続的な努力、方法、組織化だ。」

-ジーン・ピア・サージェント-

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