身体的な痛みへの対処法
痛みは、多くの場合健康上の不具合を示すサインとして現れるものです。身体的な痛みで悩まされることは多く、それが大変な苦痛となることもあります。痛みに耐えるには、痛み止めの他にも別の方法があるということを知っておくといいですよ。次第にこうした方法が治療薬に完全に取って替わることすらあり得るのです。
ハーバード大学医学大学院によると、身体的な痛みはその時のメンタルの状態と密接につながっていることが分かっています。痛みの感じ方は、性格やライフスタイル、感情、過去の経験などに大きく依るところがあるということが研究の結果で分かっているのです。
身体的な痛みを一時的に経験した後、良くなるというケースも多く見られますが、「完治」したのにまだ痛みを感じることもあります。これは、脳が特定の感覚に慣れ、痛みを自動的に生み出してしまうせいで、「幻肢」効果と非常によく似た現象です。
脳で捉える体の痛み
メンタルと体を別々のものとして治療するという過ちはよくあるものです。生物学的なものがすべてではないのです。私達には、体験すること全てに対して意味を与え、何らかの意味を汲み取ろうとする脳を持っています。 その結果、全ての身体的な痛みには、脳が関係するのです。
私達一人一人の脳の中には、痛みに関する見取り図のようなものがあります。痛みが現れた時、その痛みに意味を与え、その痛みから予期できることをリストアップするのです。また、痛みに対して特定の形で反応したりします。こうしたことの反芻が、痛みのレベルの基準や痛みに対する耐性閾値への基準を決定づけていきます。
痛覚閾値とは、身体的な痛みに対する耐性を指す概念です。これには個人差があります。ある人にとっては最小の刺激でも激しい痛みと感じ、またある人にとってはかなり激しい刺激に対してもその痛みを我慢できる範囲としたりします。この個人差は、各個人の心理的構造によって生まれます。
痛みに耐える方法
身体的な痛みに対処するのに有効だと証明されている方法は数多くあります。一つ目は、リラックスの習慣に関するものです。リラックスすることによって心身共により落ち着いた状態となり、身体的な痛みをより我慢できるものとしてみなすことができます。
よく使われる方法には以下のようなものがあります。
- 深呼吸:これは、一番基本的な方法かつ最もシンプルなものです。単純に息を吸って吐くだけです。深呼吸の際に、身体的な痛みを吹き飛ばすのに役立つフレーズを一緒に吐き出して、前向きになれるメッセージを添えるといいと専門家はアドバイスしています。
- 全力集中:これは痛みに全神経を傾け、その痛みの顕れ方を観察するという方法です。この時、痛みを自分なりに解釈しようとしたり、否定しようとしないで下さい。ただ、痛みを観察してみましょう。
- 基礎的な瞑想:自分の呼吸のリズムに注意を傾け、頭の中でそのリズムを追ってみましょう。穏やかな場所を思い浮かべ、その場所を頭の中でキープしてみて下さい。集中力が途切れたら、その場所のイメージに戻りましょう。
- リラックス:ストレスとなる痛みがある場合は、基礎的な瞑想を行いましょう。心拍数を下げ、筋肉を緩めることが目標です。
その他の大事なエクササイズ
身体的な痛みに対するコントロールを高めるには、他のエクササイズをすることも重要です。これらのエクササイズは、前述したものとは違って内面ではなく、もっと外界の要因に関連したものです。リラックスでき、かつ痛みから注意を逸らせるような趣味を何かしら作ることはいつだって良策だと言えるでしょう。中でも散歩や絵画、あるいはエコ活動などはうってつけの方法だと言えます。
読書も集中力を高めるのでおすすめです。 集中力は痛みを我慢するのに大変便利な上、ストレスを緩和するのにも役立ちます。この仲間として、詩も素敵な方法と言えるでしょう。
長く独りぼっちでいることは良くありません。誰かと連絡を取り合うことは良い刺激となります。とは言え、そうした人間関係をただ身体の不具合の話をするためだけに利用してしまうのは止めましょう。その話題について定期的に話す必要があるのであれば、一番いいのは心理療法にかかることです。そうすることで、愛する人を疲弊させることなく、必要なだけ専門的な助けを得ることができるでしょう。
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Martínez Sánchez, L. M., Martínez Domínguez, G. I., Gallego González, D., Vallejo Agudelo, E. O., Lopera Valle, J. S., Vargas Grisales, N., & Molina Valencia, J. (2014). Uso de terapias alternativas, desafío actual en el manejo del dolor. Revista de la Sociedad Española del Dolor, 21(6), 338-344.