障害を抱える子どもとその家族への影響
家族が増えることは嬉しいことです。みんなが赤ちゃんを迎えて幸せな家族をお祝いする準備をします。しかし実際はこれが私達が望むほど完璧で素晴らしいものではないことが あります。
問題や予期せぬことが起こった場合、私達はその状況と向き合わなければなりません。そして、このような状況は家族にも影響します。この難しい状況のひとつが、障害児の出生です。そこで、この知らせと誕生そのものが家族に与える影響をあらかじめ知っておくことは、このことに関連する課題に立ち向かう上で必要不可欠です。この記事でさらに見ていきましょう。
「あなたは障害により定義されるのではない。障害に伴うチャレンジにどう立ち向かうかが大切である」
–ジム・アボット–
障害児と家族への影響
まず、障害児は家庭環境の中で作られる様々な関係や人に影響を与えることがあります。個人のライフサイクルにおいても、各ステージで様々な困難が訪れることを頭にいれておきましょう。また、家庭内に緊張が生まれることもあります。
この緊張にうまく対応したり、それが理解されない場合、衝突が起こるのも無理はありません。例えば夫婦に距離ができ、効果的なコミュニケーションが取れなくなるケースもあります。これにより不快な悪循環に陥り、この状態を止めることは難しくなる可能性もあります。
一方、親が過保護であったり子どもの自律を制限してしまう場合、障害児との間に衝突が生じます。このような親は、子どもがもつ障害により影響を受けない部分を見逃したり、可能な範囲での自律を止めることになります。さらに、兄弟間でも問題が起こることがあります。この問題は、親が障害のない子どもに責任を押し付けることにより起こるものです。そしてこのような困難な状況は、兄弟間で恥や否定の感情が生まれる原因にもなります。
しかし、すべてが不快や緊張を生むのではありません。家族にポジティブな影響を与えることもあります。家族間の親密さや絆が深まり、家族の繋がりが強くなることもあるのです。言い換えると、皆のレジリエンスが高まるのです。
「人生におけるチャレンジは、私達をつぶすためではなく、個性を磨くためにある」
–ニック・ブイヂ–
障害児と社会・労働環境
社会は進化を続けていますが、障害を持つ人に関する誤解はまだ存在します。その結果、障害児を持つ家族は孤立する傾向があるのです。多くが、社会的関係をあまり持たず、余暇活動に参加していません。
また、影響は職場にもおよびます。家族が、子どもが新しい状況と仕事を同時に行うことは不可能だと思うと、仕事を辞めてしまうかもしれません。家族のことを考えてそうしたとしても、緊張の原因になりかねません。世話をする人の幸福や経済状況に影響する可能性があるためです。
「障害をもっている人よりも、世界の方が障害について心配している」
-ワーウィック・デイヴィス-
障害児と家族の健康
ここまでお話してきたことはすべての家族に当てはまるわけではありません。想像できるかもしれませんが、家族、社会、仕事、経済に関するこれらの状況は、家族の健康にも関わります。特に、障害を持つ人の世話をする人が受ける影響は大きいものです。
障害を持つ人に対する過重の責任は、世話をする人の精神的重荷につながりかねません。現状に対し、悲しみ、怒り、不安、罪悪感などの感情を抱くことは至って普通んことなのです。
しかし、この影響は精神的なレベルにとどまらないことがあるので注意が必要です。世話をする人は、いつも以上に疲労し、それが健康問題になることもあります。最初にも言った通り、障害児を育てることにはたくさんの困難が伴います。しかし、適切な対応を学ぶことで、これらを有益な状況に変えることは可能なのです。