集中力:簡単な技で改善する方法
集中力が続きませんか?自分の記憶が落ちてきていますか?常に混乱して意識がフワフワしてしますか?誰かに話す時、相手の言っていることが耳に入らないようなことがありますか?テレビを見ていたり本を読んでいたりするときに、何が起こっているかあまり理解していないように感じることはありますか?
集中力と記憶は、大きな問題になり得ます。これは仕事や勉強だけでなく、普段の生活にも言えることです。これらの問題の影響はさらに深刻にもなり得ます。自尊心、個人的な関係、感情の安定性にも影響するためです。
しかし、これは怖がったり警戒したりすべきものではなく、名前を付けてあげましょう。上手くいかない一日を過ごすことと、常に集中できないように感じることは全く違う状態です。混乱、物忘れ、集中力や精神的な明確さの欠落は、ブレイン・フォグと呼ばれています。
ブレイン・フォグとは何か?
ブレイン・フォグとは、病気としては認識されていませんが、世界的にも認められている精神的な状態を示す変則です。残念ながら、ブレイン・フォグに苦しむことはよくあることです。ただ、だからといってそれが「普通」だということではありません。
ブレイン・フォグには、集中力の問題以上の意味があります。ブレイン・フォグ状態にあると、集中できず、混乱して、考えることが困難になります。ブレイン・フォグであることで、調査すべき重大な不均衡が存在するという合図を脳が送り出します。
実は、精神的・心理的問題だと思われたことが、実は全く違うものである場合があります。生活様式の中のたくさんの要因がブレイン・フォグを引き起こします。例えば、食べ物です。あるいは、病気や薬の副作用かもしれません。
良いニュースは、それを引き起こす要因を特定すれば、ブレイン・フォグは避けることも治すことも可能であるということです。健康的な食生活を送るという簡単なことで改善されることもあります。
なぜブレイン・フォグになるのか?
多くのケースでは、ブレイン・フォグはその人の健康状態と直接的に関係しています。様々な病気の治療に使われる薬は、ブレイン・フォグを引き起こすことがあります。また、生活の質を高めるために使用されるダイエットサプリもこれを引き起こすことがあります。
不健康な生活様式、特に栄養状態の悪さによって現れることもあります。後ほど見ていきますが、栄養は肉体的な健康以上に重要です。精神的・感情的健康にも重要な要因となります。次に、メンタル・フォグを晴らして、集中力を高める方法を分析していきましょう。
不健康な栄養状態
不健康な食生活を送っていると、ブレイン・フォグの可能性が高まります。しかし、悪い食生活とは何でしょうか?また、良い食生活とは何でしょうか?答えは簡単です。しかし、これを理解して受け入れることは簡単ではありません。多くの人にとっては、聞きたくないと思っていることかもしれません。
まず、食べることと、口にできるものを消費することの間には違いがあるということを覚えておきましょう。食品は必要な栄養素を提供します。口に入れられるだけの生産物は、空腹を満たすためのもので、体が本当に欲しているものであるとは限りません。
だから、健康な食生活を送っているときは、そんなに食べなくても大丈夫なのです。栄養が豊富な食事を送っていないと、もっと頻繁に食べる必要が出てきます。体が受け取れていない栄養素を欲するためです。だから、口にできるだけの意味のない物をできるだけ減らして、それを本物の食べ物に置き換えるべきです。
栄養不足
集中力の問題やブレイン・フォグは、栄養不足が原因かもしれません。この不足は、健康的な食生活を保っていても起こりえます。十分な食品を口にしていないか、適切に吸収されていないかのどちらかです。
集中力の問題を引き起こす栄養不足を見てみましょう。
- ビタミンB12不足:ビタミンB12不足は、軽々しく考えてはいけません。様々な精神的・神経的障害を起こしかねません。消化不良や胃酸を抑制する薬も、このビタミンの不足を引き起こすことがあります。
- ビタミンD不足:ビタミンDは、気分を改善して、ブレイン・フォグや鬱状態を消して、記憶を改善し、問題解決能力を高めます。
- オメガ3脂肪酸不足:オメガ3脂肪酸は、脳にかなり集中しています。これは記憶、健康、脳の正常な機能に欠かせないものです。すべてのオメガ3脂肪酸のなかでもDHA (ドコサヘキサエン酸)は最も脳にメリットがあります。脳の組織の重要な構成要素で、特に大脳皮質の組織に必要です。これは、記憶、言語、抽象化、想像力、判断、感情、注意に関連する脳の部分です。
ブレイン・フォグをなくして、集中力を高めてくれるサプリも存在します。しかし、これらのサプリには注意が必要です。思っているほど便利とは限らないからです。例えばヌートロピックス(Nootropics)は、集中させ、やる気を出させて、ポジティブにして、生産的にしてくれる可能性のある薬です。しかし、これらも期待されるほどの効果はなく、全く無害でもありません。
睡眠の妨げ
ブレイン・フォグは、質の良い眠りがとれていないことから引き起こされている可能性もあります。睡眠は、長期的にも短期的にも脳の機能において不可欠です。ねむるとき、脳の掃除のようなものを行います。これによって記憶が固まります。さらに、睡眠の間、脳は新しい組織を作り、それは1日の中で失われた組織を補います。
1日眠れなかっただけでも記憶、体の動き、気分、判断力、ストレスの管理能力に影響が出ます。さらに、1日よく眠れないと、酔っているときほどの精神パフォーマンスしか発揮できないとする専門家もいます。
慢性的なストレス
ストレスは、現代のトレードマークのようなものです。慢性的なストレスが、普通の状態であるかのようです。ストレスを感じていることは、生産的で、人気で、成功していることだと間違って認識されているようです。しかし、ストレスによって、深刻な病気に苦しむリスクが高まります。例えば、ガン、痴呆やアルツハイマーなどの脳疾患などです。
慢性的なストレスは、不安症、鬱、悪い決断、不眠症、物忘れなどを引き起こします。ストレスホルモンであるコルチゾール量が多いと、異常な量のフリーラジカルを分泌します。これは脳の細胞膜を攻撃して、通常の機能を奪い死滅させます。さらに、コルチゾールは、新しい脳組織の形成を阻害します。
薬
どんな薬にもある程度のリスクが存在します。ブレイン・フォグは、処方された薬の副作用として良く報告されています。
例えば、コルチゾールレベルを下げるための薬や睡眠薬も、記憶の喪失を招きます。また、抗コリン薬として知られる薬は、アセチルコリンの活動を阻止することで機能します。これは、脳内で記憶や学びを担う化学物質です。薬による副作用には、ブレイン・フォグ、物忘れ、集中力低下などがあります。
さらに、たくさんの「市販」薬も、アセチルコリンの活動を阻止します。アレルギー、逆流性食道炎、痛み、不眠症の薬などです。その為、治療におけるメリットが副作用を下回っていないか、良く精査することが重要です。
健康問題
健康問題が集中力の問題を引き起こすことがあります。中には、病気の治療がこの問題を引き起こしている場合もあります。化学療法を受けているがん患者などです。
化学療法のよくある副作用には、ブレイン・フォグがあります。アメリカがん協会によれば、化学療法によって引き起こされるブレイン・フォグは、病気そのもの、治療、睡眠の問題、ホルモン変化、鬱、ストレスが重なり合って起こります。
科学療法の前と後にこれらの患者の脳の活動を分析すると、治療によって顕著な変化が脳の機能に見られました。これは、化学療法が精神的な鮮明度にある程度影響していることを示します。
ブレイン・フォグと関連している健康問題を見てみましょう。
- 線維筋痛症
- 慢性疲労症候群
- 不安症
- 鬱
- 発作的な精神的錯乱
- カンジダ症
- 糖尿病
- 重度の金属中毒
- C型肝炎ウイルス
- ホルモンのアンバランス
- 低血糖
- 過敏性腸症候群
- ライム病
- 閉経
- 多発性硬化症
- 神経変性疾患
- 関節リウマチ
- アレルギー
- 薬物乱用
ブレイン・フォグの解決法:集中力を高める
ブレイン・フォグをなくして集中力を改善するための決定的な方法はありません。個々の患者が自分に合った方法を見つけ出す必要があります。そのもやを生み出す要因を特定することから始めてください。
多くの人は、自分の食事習慣から始めなくてはいけないかもしれません。自分のストレスをコントロールして、睡眠習慣を改善する方法も探しましょう。自分の健康状態を見て、それに合った解決策を見つけることが必要です。ブレイン・フォグは、診断されていない健康問題の症状である可能性もあります。
ブレイン・フォグをなくすための手引き
もやをなくして記憶を改善させるための手引きをご紹介していきます。
- しっかり食べてバランスの取れた食生活を維持。精製糖、精製小麦粉、飽和脂肪酸、カフェインを避けましょう。健康な脂肪と質の高い炭水化物を口にしてください。
- 水分補給。ちょっとした水分不足でも深刻な脳の問題をひきこしかねません。水を飲んで、水分の多い食べ物を食べましょう。甘い飲み物や甘味料、カフェインが含まれた飲み物を避けましょう。
- 健康的な習慣を身につける。質も量もある、より良い夜の睡眠のための健康な習慣を作ってください。
- 瞑想やリラックステクニック、特に外で行う運動。運動は、ストレスを制御・防止してくれます。ストレスの対処法を学ぶことも、より良い睡眠を得るための良い方法です。
- 使っている薬を確認して、ブレイン・フォグを避けるために、変えることや補うことが可能か判断する。
- 集中問題や記憶喪失を引き起こす病気や栄養不足などでないか確認するため、健康診断を受ける。
- 脳に休みを与える。自然なエネルギー量を保ち、思考の明確さを維持するために、一日を90分のまとまりにすることを専門家は勧めています。休憩中は、30秒間隔、または気が散った時ごとに、自分の心に浮かんだ思考のすべてをまとめます。
- 課題を行うのに邪魔になっているすべての機器をオフにする。お知らせ、電話、メールを受け取ったと知るだけのことで、集中力というのはそがれます。
健康な生活に適応する時には積極的でいましょう。体やこころのためにです。言い訳の余地を残さず、責めることもやめてください。自分の脳を自分ほど心配してくれる人はいません。そして、自分ほどその最高の状態を享受できる人はいません。
引用された全ての情報源は、品質、信頼性、時代性、および妥当性を確保するために、私たちのチームによって綿密に審査されました。この記事の参考文献は、学術的または科学的に正確で信頼性があると考えられています。
Hölzel, B. K., Carmody, J., Vangel, M., Congleton, C., Yerramsetti, S. M., Gard, T., & Lazar, S. W. (2011). Mindfulness practice leads to increases in regional brain gray matter density. Psychiatry Research – Neuroimaging. https://doi.org/10.1016/j.pscychresns.2010.08.006
Konnikova, M. (2013). The power of concentration. New York Times. https://doi.org/10.1017/CBO9781107415324.004
Greenlees, I., Thelwell, R., & Holder, T. (2006). Examining the efficacy of the concentration grid exercise as a concentration enhancement exercise. Psychology of Sport and Exercise. https://doi.org/10.1016/j.psychsport.2005.02.001