線維筋痛症とプロバイオティクスの関係とは?

07 4月, 2019

アルメリア大学で、線維筋痛症とプロバイオティクスの関係についての分析が行われました。この研究では、あるバクテリアの摂取をした線維筋痛症の患者が、生活の質を大きく改善したことがわかりました。

線維筋痛症は、筋骨格に全身性、放散性の疼痛がみられる原因不明の慢性疾患です。線維筋痛症を患う人は、身体的な不快感のみならず、心理的、精神的な苦痛にも悩まされます。この疾患の有病率は、世界的にみるとおよそ2.7%であると推定されています。

心理的なカウンセリングや、瞑想などの療法は、線維筋痛症を患う人々の様々な症状を和らげるのに役立つとされています。一方、最新のデータによると、プロバイオティクスも代替療法になるようです。この記事では、プロバイオティクスと線維筋痛症の関係を詳しく見ていきましょう。

プロバイオティクスが認知機能を改善

プロバイオティクスとは、人の体に様々な効果をもたらしてくれる生きた微生物のこと。例えば、腸内細菌のバランス改善、免疫力の向上、消化機能の改善などの効果が期待できます。アルメリア大学で行われた研究では、4種のプロバイオティクス菌株が線維筋痛症の患者に与えた影響を特定することに成功しました。

臨床試験を経て、プロバイオティクスの化合物を十分に摂取することで、複雑な認知機能を改善できることが解明されました。認知機能の障害に悩まされる線維筋痛症の患者は珍しくありません。線維筋痛症患者の食行動に関する他の研究にも影響を与える、有益な研究結果となりました。

バクテリア

この研究の当初の仮説は、プロバイオティクスにはいくつもの利点があるというものでした。そのほとんどが患者の精神機能や、身体的、感情的な側面に関わるものです。アルメリア大学の研究者パブロ・ロマンによると、研究を開始した当初は、線維筋痛症の患者が苦しめられている痛みや不安感の緩和にバクテリアが効果をもつのか確認したかったとのこと。また、患者の認知機能に改善がみられるかどうかも知りたかったようです。

これを行うに際し、患者が自己評価を行うための質問事項や実験的なタスクが設けられました。痛みのレベル、生活や睡眠の質、線維筋痛症の症状の及ぶ範囲や程度に加え、精神面での症状や不安感などの指標を通して、有益な情報が集められました。

研究の結果

研究の結果からは、プロバイオティクスの摂取は、運動機能をつかさどる脳の部位には影響しないことが分かりました。一方で、ある種のタスクへの患者の適応能力をコントロールする脳の部位には影響があったのです。さらに、これらが起こる際には患者に疲労のサインがみられませんでした。

プロバイオティクスの化合物を摂取した患者グループの行動はより衝動性が低く、決断にかかった時間は短かったとのこと。

線維筋痛症とプロバイオティクスの研究におけるプラシーボ効果

線維筋痛症とプロバイオティクスの関係についての結論に至るまでに、60人の線維筋痛症患者を通して臨床試験が行われました。この疾患の患者は主に女性であるため、参加した個人の大半は女性です。

まず、治療に先立って専門家による個々人の検査が行われました。この検査では、質問事項やタスクなど様々な手段によって、認知能力や、身体的・精神的状態に関わる要因が記録されました。患者の痛みは2日間にわたって測定され、不安感や抑うつ症状なども検査されました。

首の痛み

患者は2つのグループに分けられました。一つ目のグループは8週間に渡ってプロバイオティクスを経口摂取する一方、二つ目のグループは同期間にプラシーボ(偽薬)を服用します。1日あたり4錠の錠剤が与えられました。プロバイオティクスのカプセルと、無害な物質を含むもう一方の錠剤は、見た目、味、臭いに全く違いのないものです。

治療期間の後、研究者たちは再び患者にインタビューを行い、治療の前後に得た結果を評価し、比較しました。プラシーボを摂取した患者には改善がみられませんでした。他方、プロバイオティクスを服用した患者たちは、様々な衝動性テストにおいて、実験開始前の結果に比べて認知的適応力が優れていたことが分かりました。したがって、こういった治療におけるプラシーボ効果の可能性はないと考えられます。

この初期の研究の後、アルメリア大学の研究費を用いて、看護師、理学療法士、心理学者、神経科学者など広い学問領域にわたるチームにより、プロバイオティクスの他の疾患への効果に関する新たな研究が続けられています。今のところ、線維筋痛症とプロバイオティクスの関係からは、ポジティブな効果が実証されています。