ソフロロジーで日々のストレスから解放
「Sophrology (ソフロロジー)」という言葉はギリシャ語に由来します。sos (調和)、phren(意識)、logos(学習、理性)を組み合わせたものです。スペインを起源とする科学的分野で、れっきとした医療分野です。ソフロロジーは、私たちの精神力を最大限に活用する方法を見つけ出すことを目的としています。
筋肉にはストレッチと運動という刺激が必要です。同じように、精神力も鍛え育てていかなくてはいけません。つまり、ソフロロジーは私たちの潜在能力を引き出しやすくしてくれるのです。そして、精神面と肉体面の両方を扱うのです。
ソフロロジーは「人間の意識の科学」と大胆に名付けられていますが、リラクゼーションの方法としてとらえる人も多いのです。そこで、その2つの考えを合わせてみましょう。ソフロロジーは、ストレスの多い状況でリラックスしやすくする科学的分野です。
「ストレス」とは一体なにか?
ストレスは私たちの体が常に作っているものだと科学者は言います。 実のところ、ストレスのない体というのは死んでいるのと同じなのです。ストレスは少なからず必要なものです。しかし、ここでいう「ストレス」とは、「あぁ、ストレスが溜まる!」と言うときのストレスとは違います。
ストレスとは、あなたの指示に対しての体の何らかの反応のことを指しています。それは、生理的かつ心理的な反応です。そして、その反応に伴い胃腸、心血管、分泌腺でも変化が起きます。
多くの人はストレスの対処法はない、あるいはあまりないと思っています。人生の変化球や感情の浮き沈みと上手に付き合っていくのは簡単なことではありません。しかし、その付き合い方は練習すれば上手くなるスキルなのです。
ストレスと付き合っていくためのソフロロジーとは?
ソフロロジーは、1960年代にAlfonso Caycedo(アルフォンソ・カイセド)によって提唱されました。カイセドはマドリッドで働くコロンビアの精神科医でした。彼の治療はヨガ、仏教、そして禅の要素を多く含んでいます。このような背景からソフロロジーはストレス予防や軽減にも有効な手段となり、その延長としてより深い自己認識へ繋がるものになったのです。ソフロロジーはその理論を学ぶだけでは理解が進むものではありません。自らの経験があってこそ理解が深まるものです。
カイセドメソッド
カイセドメソッドは、言わばソフロロジーの実用化です。アルフォンソ・カイセドはヨガ、仏教、禅といった東洋の要素を多く取り入れ、現代のライフスタイルにも合うようにしました。
では、カイセドメソッドとは一体何なのでしょうか?詳しく見ていきましょう。
カイセドダイナミックリラクゼーション
カイセドダイナミックリラクゼーション(CDR)はソフロロジーの代表的な手法です。CDRにはリラクゼーションテクニック、運動、メンタル戦略が含まれています。全ての要素には「日々のストレスをコントロールする」という具体的な目標があります。
CDRを行うと、自分の心の内を観る方法を学ぶことができます。まずは身体に意識を向けます。そして、心、感情へと意識を移していきます。
意識して注意を向けることで得られる「気づき」は、身体の緊張、思考、抑えられない感情を扱う際に役立ちます。このプロセスは、ネガティブな習慣をポジティブに変える練習です。徐々に穏やかなふるまいになり、自分と他人の価値観についてより深い意識が生まれることでしょう。
CDRは一貫性のある構造化された方法論で12のレベルで構成されています。その主な目的は身体的、精神的、感情的、行動的、価値論的、社会的な自己認識を徐々に深めていくことです。そして、リラクゼーションテクニック、呼吸法、心理物理学的戦略を用いて最終的にはストレスを軽減することを目指しています。ポイントは穏やかな日常生活を送り、ポジティブな習慣を作り、自分の存在価値を見出すことです。
実施方法
実施するのには10~15分間要します。その時間で自分の過去、現在、未来について深く見ていきます。また、常にポジティブな体験や経験に焦点を当てていきます。
ネガティブな感情が身体と心のバランスにネガティブに働くように、ポジティブな感情はあなた自身の全てに影響を与えます。ソフロロジーでは日々のポジティブな面に目を向けられるようにすることを目指します。
ソフロロジーを通せば自分のポジティブな面を体感し(ポジティブな身体化)、毎日の小さな幸せに気づくことができるようになります。カイセド医師によると、ポジティブなことを意識に上げると、それがあなたのあらゆる面に良い形で現れるといいます。