退屈紛らわし食い:その正体と原因について
物を食べるという行為については様々な立場から解説することが可能です。最もよく知られているのは生物学的な説明でしょう。しかし、実は他にも全員が学んでおくべき解釈があるのです。この記事では「退屈紛らわし食い」を説明するその他の観点を紹介していきますよ。
退屈を紛らわすために何かを食べるという行為は、全員ではないにせよ多くの人々が行なっている、あるいは少なくとも一度は行なったことがあるはずです。一部の人にとってはこれが常習化しており、毎日のように退屈紛らわし食いをしているので止めることができません。本人たちはそれを変える方法など存在しないと思っているかもしれませんが、それは間違いです。実はこの行動を変えることは可能なのです。
また、一日にあるいは一週間に何回退屈紛らわし食いをしてしまったのか、その回数に注意を払っておくことが重要です。これは不健全な習慣なのです。過食は危険なものであるということを覚えておいてください。
さらに、退屈紛らわし食いの傾向やこれが起こる理由についても掘り下げていきましょう。そして最後にこの行為を回避するための戦略や、健康に有害となってしまうケースについてもお伝えします。
退屈紛らわし食いとは一体どんな行為?
食べることで、私たちは身体を適切に機能させ続けることができます。しかしながら、人間の身体において重要なメカニズムは食事だけではありません。おそらく皆さんもご存知のように、ウェルビーイングを実現するためには感情のバランスと社交性のバランスも保つ必要があるのです。時にはこれら全てのメカニズムが一体となることで、退屈紛らわし食いが引き起こされる場合があります。
それでは、メリアム=ウェブスター辞典でそれぞれの言葉の定義を確認してみましょう。まず、「食べる」という動詞については「食物を口から体内に入れること:摂取し、噛み、そして飲み込むこと」と定義されています。もう一つの言葉「退屈」の定義は、「興味や関心の欠如によるうんざりして落ち着かない状態」です。
基本的に、退屈紛らわし食いというのは精神的に疲労している時に食べ物を摂取してしまう行為を指しています。これは感情面の問題です。実はこの行為は、解決策が見つからなそうな問題を抱えている時に心を癒そうと食べ物に手を出してしまうような感情的な空腹状態から来ています。
なぜこの行為が起きるのか、そして健康への影響とは?
食べるという行為は、その人物の学習パターンと関連しています。様々な状況を分析することにより、何がその人を食べることに向かわせる要因なのかを判断することが可能です。
退屈を感じると、人は感情や思考、そして行動が干渉し合うような悪循環に入り込みます。何をすべきか分からない状態というのは誰にとっても対処し難いものです。その結果、退屈している人物は自分を楽しませてくれる何かを探すことでこの循環を断ち切ろうとします。そしてこのケースではそれが食べ物なのです。
感情的摂食行為と退屈
頭脳の働きに対応することの難しさは誰もが知っていることですが、まとまらない考えやネガティブ思考、懸念などが頭の中を駆け巡っている場合にはなおさらでしょう。そのような状況では、あらゆる苦痛に対処するのに役立つような防御メカニズムを探し出そうとするのがかなり一般的です。そのため、緊急性があるというのが退屈紛らわし食いの主な特徴となります。そしてこの行為には際限がなく、罪悪感や恥といった感情が作り出されます。一方で生理学的な空腹は徐々に起こるものであり、こらえることが可能で、普通はネガティブな感情は生み出されません。
実は、様々な研究によって過食と感情との関連性が強調されています。例えばコルドバと彼のチームは『Journal of Health Psychology』誌に発表した論説の中で、ネガティブな感情を前にした時の人間の過食に走る傾向の高さを説明しました。
さらに、食べるという行為が学習によって獲得されるということ、そして全ての個人はいずれかの時点で食べることを条件付けられるということを覚えておかねばなりません。普通、空虚感を食べ物によって埋め合わせようという発送は無意識からは生まれないのです。そのため、人は感情をすでに経験したことのある状況と結びつけて考えるようになり、食べることで気分が良くなった事実を思い出すようになります。
このようにして、似たような状況に陥る度にその人物はすぐ当時安らぎを与えてくれたもの、つまり食べ物のことを思い浮かべるようになります。これが過度に行われるようになると(それが癖になってしまうと)、健康への支障が出始めるのです。
また、食べることでドーパミンなどの神経伝達物質の放出が促されるという事実も忘れてはなりません。もちろんこれも、人を退屈紛らわし食いへと走らせる要因の一つかもしれないのです。
一方でストレスフルな状況に陥ってどう反応すべきか分からないという状態の時にも、人は衝動的に退屈紛らわし食いを行ってしまう場合があります。これは付随的なものである限りは適応のための自然なプロセスの一部だと言えるでしょう。
退屈紛らわし食いを回避するための戦略
退屈紛らわし食いは、常に意識的に行われるとは限りません。自分がこの行為を行なっていることを特定できれば、ウェルビーイングが向上することは確実です。回避するための戦略などあるのでしょうか?以下を確認してみましょう。
- アクティビティのスイッチを入れる。退屈を感じたら何かを食べるのではなく、幸せで楽しい気持ちになれるようなアクティビティを実行してください。例えばエクササイズはエンドルフィン値を向上させ、幸福感を感じさせてくれます。もちろんどんなアクティビティをするかは人によって異なります。自分に合ったものを見つけられるかはあなた次第です。
- 食べたものを記録する。毎回の食事で何を食べたのかを日々書き出しましょう。こうすることで自分が何を体内に取り込んでいるのか把握することができます。また、どんな場所で食べ物を口にしがちなのかを思い返すのにも役立ちます。何度それが起きているのかが認識できていれば、退屈紛らわし食いを克服しやすくなりますよ。
- 誘惑を避ける。食料品を買いに出かけた時には、退屈した時に食べてしまいがちな食べ物は買わないようにしましょう。これらはスナックや甘いものである場合が多いです。
- 時間。食事と食事の間の間隔を空け過ぎないでください。大量の食べ物を一日に一回か二回だけ食べるよりも、少ない量を何度かに分けて食べる方が良いのです。
- 満足感。満足感を感じさせてくれる食べ物を食べていると、満腹になれるので退屈紛らわし食いに走る危険性が低くなります。
- 感情をコントロールする。自らの感情を認識して追究し、それらに振り回されないようにしましょう。私たちには自分を制御する力が備わっていることを忘れないでください。こうすることで感情的摂食行為を回避できます。また、これには自己認識力や意志の力も必要です。
さて、これらを実践するに当たっては、例えば栄養士や医師、心理士などの専門家に助けを求めることも可能です。ここで重要なのは、自身の生活を最大限健康的なものにするための戦略を見つけるということなのです。
最後に、退屈紛らわし食いは様々な理由が元で起こり得ます。心の穴を埋めるためであったり、防御メカニズムが原因だったり、あるいは学習済みの行動として起こることもあるのです。一部の人にとってはこれが悪循環を打ち破るための手段なのかもしれません。または、神経伝達物質の放出により生み出される満足感を得ることが目的だという人もいるでしょう。いずれにせよ、その行為が行き過ぎたものなのか許容範囲内なのかを見極めることが大切です。そうすれば適切な対策を取ることができ、この習慣を変えることができますよ。
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Córdoba, D.L., Cacho, A.E.K., & Morales, M.H.C. (2002). Relación entre el comer en exceso y el manejo de las emociones: una experiencia con estudiantes. Psicología y Salud 12(2), 261-268.