助けて!かんしゃくが始まった!
「おかしちょうだい!」
大変です!今はお子さんがお菓子を食べていい時間ではありませんが、だめと言ったら必ず手に負えない状況になることがわかっています。それが、かんしゃくです。しかしちょっと待ってください、これは本当にコントロールすることができないのでしょうか?
子どもにお菓子はないよ、と言うと、かんしゃくが始まるのがわかります。子どもは泣き、叫び、お菓子が欲しいと何度も何度も怒鳴り散らします。あなたは子どもに最初は落ち着いて話そうとしますが、イライラしてしまって結局はあなたも叫んでしまいます。この状況が手に負えないものにならないために、何ができるのでしょうか。ぜひ続きを読んでみてください!
「乱暴な振る舞いは、まるで短く急な冬の洪水のようだ。」
―エピクロス―
子どもがかんしゃくを起こすことは普通のこと?
子どものころは、私たちは自分の考えをあまりうまく表現できません。誰も教えてくれていないか、あるいは教わっていても自分をうまくコントロールできないのです。ですので、18カ月~5歳までの子どもがかんしゃくを起こすのは、たいていの場合自分が好まないルールへの反応です。一般に、かんしゃくは2、3歳ごろに頻度がピークに達します。
これは反抗的な行為であり、子どもの一生のこの段階では典型的なものですが、だからと言ってかんしゃくがあまり頻繁に起こらないようにするためにできることが無いわけではありません。実際、かんしゃくを起こさないようにするために何もしないでいると、子どもが成長するにつれてより深刻な問題行動が身についてしまうかもしれないのです。これには、反抗挑戦性障害や反社会性パーソナリティ障害などが含まれます。
問題を解決したり欲しいものを手に入れるのに子どもが攻撃性に頼らないようにするために、親が理解するべき重要なことがあります。それは、子どもが泣くのは苦しんでいるからではなく、それが欲しいものを得るために子どもが持っている唯一の手段だからだということです。
「言うことを聞かない態度は、ウィットを鋭くし、判断を偽造する。」
―ルイ・ド・ボナール―
撲滅のカギとなるツール
かんしゃくを無くすために持っておくべきツールは、他の行動や適切な振る舞いを強化することです。子どもが落ち着いていて、叫ばずにものを頼んだりするのが私たちは好きだということを、子どもに示す必要があります。子どもが注目を引けたと感じれば、こういった良い振る舞いを続けるようになり、それをもっと頻繁に行い始めます。
ですので、子どもがかんしゃくを起こしているときは注意を払わず、いい振る舞いをしているときに注目を与えるようにするのです。この注目を与えないことが、以下でステップバイステップで説明するかんしゃくの撲滅になるのです。
しかし、まず明確にしておかなければならないことがいくつかあります。まず、これを計画的に行うことがとても重要です。かんしゃくがおさまるようになるまでに、さらにひどくなることがあったとしても、この方法を変えてはいけません。
子どもが自分が無視されていると感じたときにかんしゃくは悪化します。あなたが与えないことにした注目を引けるかどうかを試すため、さらにひどく、破壊的なかんしゃくを起こすようになるのです。
2つのシナリオ
かんしゃくがひどくなったときには、2つのうちのどちらかのことが起こりえます。私たちには子どもに注目を与えるか、無視するかの選択肢があります。注目を与えた場合、この振る舞いを強化してしまうことになります。つまり、欲しいものを得るためにはもう少したくさん叫ぶだけでいいのだと言っていることになってしまうのです。それは望んでいることではありませんね。
2つ目目のシナリオでは、とても我慢強くいなければなりません。この方法でも計画的でいなければならないからです。目標は、かんしゃくを起こしても何も得られないということがわかって、子どもが自分でかんしゃくを起こすのをやめることです。子どもは最初のシナリオとは全く違ったメッセージを受け取ることになります。
子どもは、叫べば叫ぶほど注目を与えてもらえなくなるということがわかります。それを覚えていて、かんしゃくはうまくいかない作戦だと認識するようになります。その結果、次に何か欲しいものが出てきたときには、かんしゃくを使う可能性が低くなるのです。
最後に、長い間かんしゃくを正さずにおくほど、それを無くすのが難しくなります。止めるのは難しいですが、努力をしないと長期的な結果がさらに悪いものになってしまいます。
「自分と一緒に住む人と、自分が愛する人との違いを混同させているものが何かを知るべきである。」
―ノーマン・マクリーン―
撲滅のためのステップバイステップ
自制心が、撲滅法の秘訣です。ここで他にも役に立つのは、リラックスすることです。撲滅法を以前にも聞いたことがあるかもしれませんが、正しい適用法をご存知ですか?ステップバイステップでそのやり方を見ていきましょう。
- かんしゃくが始まったら、子どもの振る舞いを無視し、まるで声が聞こえないかのように自分たちのやっていることを続けます。
- 一度だけ、子どものやっていることについて自分たちが思うことを教えてあげる必要があるかもしれません。例えば、「私、だんだん怒ってきたよ」などです。そして、どんな振る舞いをしてほしいかを説明します(「落ち着いたら、話を聞くね」)。
- そしてその状況から身を引いて、子どもの年齢×1分待ちます。子どもがかんしゃくを止めないときは、子どもに話しかけたり目線を向けたりせずに、自分のしていたことに戻ります。
- 子どもが落ち着いたら、子どものことをどれだけ愛しているかを伝え、子どもが落ち着いているのがどれだけ好きかについて話します。
実際は、かんしゃくが始まると、子どもが叫んだり蹴ったりするのを無視するのはとても難しいことです。しかし、止めてほしいと思うなら無視することが欠かせません。ですので、忍耐で自分の身を固めて、知的に行動しましょう。かんしゃく、かかってきなさい!
画像は、Vance Osterhoutさん、 Hunter Johnsonさん、 Eddie Koppさんのご厚意で使用させていただいています。