歳を取ることと老化することの違いとは?
なぜこの世には、他の人よりも素敵に年齢を重ねることができる人々がいるのでしょうか?その問いへの答えとして、よく健康状態や財政状況が持ち出されますが、実は私たちが見落としがちな事実があるのです。それは、歳を取ることと老化することには違いがある、ということです。
注意深く見てみれば、その違いが生まれる真の理由は健康状態でも経済状況でもないことがわかるはずです。もちろん、それらも何かしら影響してはいますが、経済的にゆとりがある、健康な人々の多くがかなり惨めな思いをしていることもあれば、その逆のパターンも存在しています。
若々しい精神力を持つ人は、実年齢ほど老いを感じないものです。反対に、”老人がやるような”アクティビティを行わなければならないことに不平を言う中高年もたくさんいます。結局のところは、歳を重ねるプロセスをどう理解するかによって完璧な違いが生まれてくるのです。
全ての中高年が老いを感じるわけではない
私の父は自らの老いを感じたことがないそうです。亡くなるその日まで、彼には常にたくさんの長期的な計画があり、日々アクティビティをこなしていました。
私は父が降参したり、限界を認めたり、年齢に負けるのを見たことがありません。身体の衰えでさえも彼を止めることはできなかったのです。父は、同じくらいの年齢の人々とつるむことを嫌いました。「なぜならみんな年老いてしまったからだ」、と彼は言っていました。それを聞いて私はいつも笑ってしまったものです。
病気ですら、彼の生活態度を変えることはできませんでした。亡くなるまでの数年間、彼はかなり深刻な心臓の病と闘っていました。それにもかかわらず、父は常に病気を笑いに変えるユーモアのセンスを忘れず、病気に生活を乗っ取られてしまうことを決して許しませんでした。
少し立ち止まってそのことについて考えてみると、彼は生涯を通じてそのような態度で生きてきたのだ、と気づきます。父は、自分と同じくらいの年齢の人々と一緒にいても居心地の良さを感じたことがなかったのです。彼は常に若い人々に囲まれていました。父は、航空事業に興味を持つ多くの若者たちにとって師匠のような存在で、自身の経験を彼らに伝えたり、飛行機について教えたりしていたのです。
私が子どもの頃の家はまるで学校のようで、いつも若者たちとその活気で溢れていました。父は常に、何かを学んだり将来の計画を立てようとしている好奇心いっぱいの人々に囲まれていたのです。彼は、自分の愛するものについて人に教えるのが大好きでした。それは、歳を取っても変わらなかったようです。おそらくこれが一番素敵な年齢の重ね方なのでしょう。父は私にとって最大の見本でした。
なぜ素敵な歳の取り方ができない人がいるのか?
これは非常に答え難い質問です。歳を取ってもあまり変わらない人もいれば、かなり見た目が変わってしまう人もいます。もしかしたら、加齢とともに真の自分自身に近づいていくのかもしれません。その時にはもう、本当の自分を隠すためのエネルギーが残っていないのでしょう。
機嫌が悪くて怒りやすく、欲求不満そうな老人たちは、単にそれまでの生き方が反映されてそうなっている場合が多いです。多くの場合、不機嫌なお年寄りたちは歳を取る前からそのような人物だったのでしょう。つまり実のところ、だんだんと真の自分自身を隠すのが難しくなってくるということです。この事実が、人生のあらゆる面で現れ始めます。
優雅に年齢を重ねる
若い心を持っているように見える人々には、何らかの共通の特徴や気質があるようです。これらの特性の中に、加齢と老化との真の違いが見てとれます。
本来の年齢以上に老け込んでしまうことは避けられるのでしょうか?老けたと感じずに年齢を重ねることはできるのでそうか?また、歳を取っても意義深くて完璧で、満足のいく生活を楽しむための秘訣は何なのでしょうか?以下は、生き生きとしたお年寄りたちの戦略です:
若々しい心を維持するためのカギ
重要な戦略の一つが、年齢にかかわらず情熱を持ち続けることです。モチベーションを上げてくれるような、自分をワクワクさせてくれるようなアクティビティを選ぶようにしましょう。クリエイティブになり、積極的に活動し、計画を立て、日々のスケジュールを守るようにしてください。
周囲の人々と健全な人間関係を構築し、維持していきましょう。もちろん家族は大切ですが、長期的な友人関係は将来の感情面の幸福を保証してくれるはずです。利他主義的な生き方もまた、幸せな高齢者に共通する特徴です。
他人を助けることで、生きている意味のようなものを感じられます。誰かの役に立つことで、自分の命には価値がある、と感じることができるのです。また、他者に手を差し伸べることで自尊心にもポジティブな影響があります。
若々しい心の持ち主は、楽しむことが大好きで、ユーモアのセンスに溢れています。笑うことは活力の源ですし、楽しむには歳を取りすぎている、という事態など存在しないのです。また、ユーモアのセンスを鍛えることは、脳にとってとても良いエクササイズとなります。
さらに、信条や個人的な価値観、そしてスピリチュアルな活動も非常に重要です。これらは、多くの人にとって生活や活力の無尽蔵の源となっているようです。
歳を取ること、あるいは老いていくことへの挑戦
一定の年齢に達すると、歳を取ることと老化することの違いのように見えていたこういった特徴も、発達しなくなっていきます。結局のところ、私たちは日々老化しているのです。
どのように人生を生きるのか、そして自分自身の肌で何を今感じているのかが、優雅に年齢を重ねていけるかどうかを決めるカギとなります。この挑戦に挑む準備はできていますか?
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