幼少時代の性的虐待の影響
小児性愛という言葉は、どんどん耳にすることが増えている言葉です 。関係当局が把握していることだとは言え、社会の一員として私たちも子どもの性的虐待の影響を忘れてはいけません。このような犯罪は、教育水準、民族、宗教関係なしに、どこでもどんな社会階級の人にも起こりえます。
児童性的虐待は、今に始まったことではありません。いつから始まったのかを見極めることは不可能ですが、人類が始まってからかなり早い段階にも存在していたとしてもおかしくはありません。
「人類は、愛情を示す行為よりも、自分が影響を受けた虐待を覚えている傾向にある。キスはなにも残さない。しかし、傷は傷痕を残す。」
-ベルトルト・ブレヒト-
すべての文化に、近親相姦を禁止する古代の神話や伝説があります。しかし、親と子どもの関係、特に父親と娘の関係については、より「寛大」な文化も存在するようです。
父親や、義理の父親は、性的暴行の最大の加害者であり、主な被害者は娘や義理の娘であることがわかっています。
しかし、レイプの加害者が別の血縁者であるケースも多数存在します。80~95%の子どもの性的虐待は家庭内で起こります。割合的には小さいですが、男の子が被害者の場合もあります。
子どもの成長
ジークムント・フロイトの重要かつ議論の的である発見のひとつは、人間が生まれた瞬間から性的衝動を持っているという認識です。心理分析によって、子どもも空想、欲望、性的表現があることが明らかになりました。
子どもの性は、成人のものとは異なります。これは、肉体的、感情的、知的成熟度を考慮すれば当然です。
子どもは自分の体を探求して、特定の刺激から快楽の感覚を得ます。しかし、それよりも子どもにとって重要なものがあります。それは、家庭の規範です。
子供が成長するためには、母親や父親と性的関係を持つことは違法であるということを理解しなくてはいけません。さらに、親族であっても許されないということもです。
このルールに従うことは、子どもが法と文化を学ぶ方法です。不可能な欲望を諦めて、限界を見極め尊重する能力を手にします。
もし子供がこれが間違ったことであると理解できなければ、意味を見出すことが困難な混沌として世界を認識し始めます。理由もわからずに罪の意識を感じたり、恥じたりすることもあります。
大人と子どもとの間に、同意のありなしに関わらず性的な接触があった時、子どもへの性的虐待となります。子ども同士でも、3歳以上の年齢差がある場合の性的接触もこれに当たります。
性的虐待の影響
性的虐待の影響は、場合により様々です。以下の色々な要因に左右されます。
- 虐待が起こった時の子どもの年齢。
- 虐待の加害者(父親や母親によって行われた場合はより深刻)。
- 状況の特徴(脅威の度合い、暴力、誘惑)。
- 虐待の期間。
- 被害者の心理的特徴。
- 状況が「解決」された方法。
ほぼすべてのケースで、短期・長期の影響があります。
短期的影響
短期的には、性的虐待の影響は幼児化として現れます。指をしゃぶり始めるかもしれません。あるいは、自分でトイレができなくなることもあります。
子どもが不安で鬱状態になることもよくあります。学校での成績が落ちて、孤立したり不機嫌になったりすることもあります。性的に早熟になったり、中毒や自殺未遂的なふるまいを見せたりすることもあります。
長期的な影響
長期的な影響は、虐待の深刻度や治療的支援に左右されます。
もっとも起こりやすいのが、睡眠障害、悪夢、鬱や自尊心の低下です。
大人と子どもとの間に、同意のありなしに関わらず性的な接触があった時、子どもへの性的虐待となります。
交際関係や性生活にもかなりの影響があります。性交渉恐怖症、かなりの確率で不満な関係に導く不可解な傾向などが見られます。
より深刻なケースでは、性的虐待の影響で統合失調症の発症率が上がり、自殺しようとしたり、危険な性行動の傾向を見せたりします。
性的虐待の被害者は、その影響を軽減させるために、臨床心理士、心理学者、心理分析学者によって治療を受けるべきです。早ければ早いほど、好ましいです。
絵:Beatriz Vidal, Kelly Vivanco
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