反精神医学の復興

· 2019年1月2日

反精神医学は、1960年代後半と1970年代前半に発生し、議論の的となった運動です。この運動を主に激励したうちの一人は、ニューヨークのシラキュース大学の教授でもあったハンガリー人のトーマス・サスです。一方、この言葉を1967年に作り出した人物は、デビッド・クーパーです。

反精神医学運動は、その名が示すとおり、精神医学の理論や実務―少なくとも、その当時の方法論―に反対するものでした

この運動の推進者達は、精神医学は、根拠がとても薄い疑似科学であると主張しました。また彼らは、精神医学が医学分野ではなくイデオロギーであると主張しました。「正常」と「異常」といったラベルを使うことで、人間の精神をコントロールしようとしていると述べました。

「精神衛生は大きく注目される必要がある。それは最後に残ったタブーであり、正面に向き合って取り組まれる必要がある。」

―アダム・アンツ―

この運動は、そのアプローチの革命的性質から人々に共感されました。前頭葉切断術や電気ショックのような、物議をかもしていた治療法に対する、示唆的で効果的な反対の声となっていきました。時間と共に、影響力を失ってはいきましたが、完全になくなることはありませんでした。現在、私たちは、ボニー・バーストウ博士の助けにより、この運動の復興に対面しています。彼女はトロント大学の教授で、反精神医学の奨学金を最近開設しました。

反精神医学の論拠

反精神医学は、精神医師や心理学者、医師、哲学者、そして、「生存者」としても知られる、多くの「精神をわずらっている」人々が関わっている活動です。彼らの意見では、精神病というのは、そのようなものとして存在しないのです。主な根拠のうちの一つは、今日に至るまで、精神が病気になるという臨床上の証拠が存在しないという事実です。脳スキャンやCATスキャン、その他のテストでも、「精神病」という言葉を使えるという証拠を示すものは無いのです。

精神分析

反精神医学運動のメンバーは、精神的な病状とされているものが判断され分類される方法についても非難しています。彼らの主張では、精神医学の実務の裏には、厳密な意味での科学的方法は無いのです。「精神病」というのは、3,000人ほどのアメリカ人精神医師の決定によってつけられたラベルでしかない、と述べています。

この運動は、「精神病」の治療法として前頭葉切除術が取り入れられた経緯についても、非難していました。前頭葉切除術の発案者であるエガス・モニスは、類人猿の前頭葉切除を行いました。結果としてその霊長類は、より落ち着いた行動を見せたため、彼はすぐさまその方法を人間に用いました。彼は、このチンパンジー1匹による唯一の実験のみによる「発明」でノーベル賞を受賞しました。

反精神医学は、「精神病」の薬の効果が、一種の科学的な前頭葉切除術であると主張しています。患者を治療する代わりに、悪化と死を徐々に引き起こしているだけだと述べています。彼らは、「精神病」は生物学的でなく象徴的で文化的なため、心理療法のほうが遥かに有益であると考えます。

ボニー・バーストウと反精神医学

世界には、生物学的精神医学を問題にし続ける多くの声があります。それにもかかわらず、世界中のほとんどすべての医療制度が、精神医学を治療形態として実施しています。反精神医学を主張する人に言わせると、問題を持つ人を薬で治療するほうが、より安上がりでより利益につながるから起きているのです。おそらく製薬業界がこの後ろにあるのです。とはいえ、カウンセリングには多くの時間がかかりますが、薬は30分だけで不安を和らげることができます。

ボニー・バーストウ

ボニー・バーストウ

精神医学治療の効果は、いくつかの研究から疑問を投げかけられています。真の改善が観察されている症例は、ほんの少しです。どちらかといえばその反対に、こうした薬による深刻な副作用が、患者と身体の精神に深刻な影響を与えている、と言います。

ボニー・バーストウ教授は、こうした主張を再び取り上げています。彼女の反精神医学の奨学金への献身は、世論の高まりを組織化する第一歩です。これは、本当の道しるべを成しています。

しかしながら、多くの精神医師は、この運動全体を科学的な根拠が殆どない純粋なイデオロギーに分類します。彼らは、科学的というよりも政治に関係するばかげた攻撃であると主張します。しかしながら、「精神病」の存在を現在支持する検査には、少なくとも疑問の余地があるという事実があるのです。

対話を基にした心理療法

ボニー・バーストウは、様々な形の対話を基にした心理療法を通じて、問題のある精神状態を治療することを促しています。統合失調症と診断された人がこの方法を使用することで、特に症状があまり深刻でなかった人達の間では、良い結果が出ています。

多くの精神医師が薬物を乱用していることは真実ですが、こうした薬物が極限状態にある人々を助けていることも真実です。この意味では、薬物は患者の症状を和らげるものとして良いものです。その患者が必要としている適切な有効治療を見つけるための時間を、薬物が与えてくれるのです。

しかしながら、最適な選択は精神医学と反精神医学の間の建設的な対話を促すことです。こうすることで、この難しい分野で助けを必要としている人に、より人道的で効果的な治療を見つけられるようになるでしょう