非言語コミュニケーションで政治家が伝えていること
人気のある政治家の多くが、はっきりとした言葉使いをします。支持者とコミュニケーションをとるために、そのようにしゃべることが多いのです。マスコミにおいては、ジェスチャーや非言語コミュニケーションが言葉よりも大きな影響を与えることがあります。
政治家の話を聴くとき、群衆が長時間集中することはあまりありません。言葉の全体的なメッセージを聞きます。特に、スローガンに込められたメッセージに注目が集まります。一方で、指導者のイメージも大きく影響します。各党のコミュニケーションの専門家は、ここにとても気を使っています。政治家の服装、声のトーン、表情などすべてです。動きさえも、政治家に対して特定の感情を抱かせることになりかねません。
「政治家の思いが鈍く堅苦しいほど、一般的に、その人の言葉の質もそうなる。」
-オルダス・ハクスリー-
政治はエンターテイメントと一緒になってきています。多くの国で、選挙期間中にテレビ化された討論が決定要因になっています。メディアが投票数にこれほど影響を与えたことはありません。そして多くの国民が、自国の政治に参加しようとする時、伝統や感情と固く結びつきます。
研究によって、大衆の共感を得ることに成功した政治家に共通する7つの動きが発見されています。また、ビジネスや管理職、テレビの「影響者」など、リーダー的な人々にもこれらの動きが見られます。さらに、隠れたメッセージが込められたボディランゲージについても分かっています。それでは、ご紹介しましょう。
政治家が使う、効果的なボディランゲージ7つ
人は、特定の動きをする人を、力をもつ人だという感覚と無意識につなげます。当然、政党の党首も同じです。これが自然にできる政治家もいれば、自然になるまで、練習をしなければならない政治家もいます。そんなボディランゲージがこちらです。
- 額にしわを寄せない。リラックスした額は、状況のコントロールや指揮を表します。自信と安心を伝えます。反対に、しわのよった額は、緊張や不快の表れです。
- 人の目を直接見ます。テレビであれば、カメラを直接見るのと同じです。人は、自分の目を見ている人を信じやすいようです。
- 穏やかで安定した呼吸をする。発言に対する確信と自制のサインです。言葉に詰まったり、息が切れることはありません。「冷静」「思慮」「知的さ」を示します。
- 手と指がリラックスしている。多くの人が思っているのと違うかもしれませんが、握られた手、指差しのようなジェスチャーは、信頼を欠くことにつながりかねません。リラックスした手は、愛や温かさを表します。
- 足をもじもじさせない。強さ、安心、親しさのメッセージです。
- 顔を触らない。話をしている最中に顔を触ると、嘘をついている、混乱していると解釈されます。
- 思慮、バランスのある挨拶をする。信頼の厚いリーダーは、皆に温かく手を振ると言います。多くの人の前にいるのであれば、すべての方向を向いて手を振ります。
最近は、政治のリーダーは保護的で信頼できる友達のような雰囲気を求められています。ビジネス界などリーダーや力のある人は誰でもそうです。
その他の明らかなボディランゲージ
政治家やリーダーはその存在を活かし、視覚的な印象を作り上げます。それが支持者との最初のコミュニケーションです。この視覚的印象に、大きな影響をもつ4つの面があります:表情、ボディランゲージ、服装のマナー、清潔感です。これらすべてが非言語コミュニケーションで、「印象」を作り、私達に感覚的な跡を残します。
そこに隠されたメッセージがある場合、それを暗示するボディランゲージがあります。次がその例です。
- 過剰な瞬きをする。神経学的には、これは人が何かにはまってしまったと感じて、逃げ道を探している証拠だと言います。あまり好まない話題について話す時の政治家によく見られる動きです。
- あごに力が入る。発声が難しくなったり、顔の下の方が異常に硬くなります。自分の考えや思いがばれるのではないかと恐れている人に表れやすいものです。
- 呼吸のために一旦ポーズする。偽善的な政治家がする動きです。これは、言っていることと考えていることの間で衝突が起きていることを意味します。ポーカーをする人は、これを使い、他の人の「手」を予想します。
選挙権をもつ人に影響を与えるため、政治家は今までより、大衆心理学を使っています。小さな武器ですが、効果はとても大きなものです。ボディランゲージはコミュニケーションのひとつとして使われることもありますが、批判に使われることもあります。リーダーのボディランゲージの読み方を知ることで、あなたに影響を与えようとする状況を、あなたがコントロールできるようになるかもしれません。