新しいコミュニケーション方法の人間関係の質への影響

2019年1月30日

現代の新しいコミュニケーションの方法に対峙する、ピーター・ドラッカーのユニークな言葉があります。「コミュニケーションにおいて最も重要なことは、言葉にされていないことを聞くということだ。」しかし、どうしたら話している相手を見ずに言葉にされていないものを知ることができるのでしょうか。コミュニケーション上の沈黙なのか、それとも別のことを考えているからの沈黙なのか、どうやって分かるのでしょうか。

ドラッカーが言っているように、会話には言葉ではないものの多くを伝えるたくさんのジェスチャー、動き、表情があります。しかし、インスタントメッセージやメールなどの現代の新しいコミュニケーションの方法では、これらの詳細を欠きます。これによって人間関係の質に影響があるでしょうか。

「他人や自分とのコミュニケーションの方法が人生の質を決める。」
-トニー・ロビンズ-

コミュニケーションの新しい方法

間違いなく、新しいコミュニケーションの形は世界の見方を変えています。かつては人と人の間の簡単な会話や電話でのやりとりだったものは、LINEのグループ、フェイスブックの投稿、ツイッターのつぶやきになってしまいました。これらはそういった例のごく一部です。

写真

新しいテクノロジーとその貢献は、かなりのスピードでわたしたちのコミュニケーションを変えています。顔を合わせたふれあいが日々減ってきています。しかし、早くより実用的なコミュニケーションとしてこれらの変化は素晴らしい進化をもたらしています。メリットもあります。しかし、LINEの会話は顔を突き合わせた会話より効果的でしょうか?

著名な精神科医であるデビット・R・オルソンによれば、いくつかの要因を考える必要があります。コミュニケーションは、3つの活動を基本にしています。発話行為、発話内行為、発話媒介行為です。

発話行為とは、音や言葉、意味のある文章を発することを指します。発話内行為は、文章の力を意味します。発話媒介行為は、文章によって生み出された影響のことを指します。

例を見てみましょう。

  • 「彼女に渡して」-発話行為
  • 彼女に渡すように助言された。-発話内行為
  • 彼女に渡すように説得された。-発話媒介行為

発話行為は、ただ何かを言う行為です。発話内行為は、言葉として発されたことの理解の仕方によって、同じフレーズを異なる方法で使用することも含みます。例えば、「寒い」ということは、相手の人に窓を閉めてもらいたい、コートを貸してもらいたい、あるいはただ自分の肉体的状態に関する情報を与えているだけかもしれません。

発話内行為が欠けている異なるコミュニケーションの現実

発話は文字や言葉に書き起こすことができないと考えるオルソンによれば、発話内行為が失われています。つまり。発話行為と発話媒介行為だけしか残っていないのです。

声のトーンや揺れなどのコミュニケーションの関連事項が完全に失われています。ビックリマークを使ったり、「声を荒げる」のにカギかっこを使ったりすることもできます。しかし、アクセントやイントネーション、緊張、怒り、不満などの関連情報を解釈することができません。

この会話の発話内行為の欠落は、いらだちと不安をメッセージの受け取り手に生み出すだけでなく、それを発している人にも苛立ちを生み出します。他人が自分を理解するための何かが欠けていると感じます。

新しいコミュニケーション方法の特殊性

新しいコミュニケーションの特殊性は、見ず知らずの人に話す時にも見られます。自分の目の前にはいないため、相手がどんな人かはわかりません。だから、相手がどんな人か想像するのが少し難しいのです。

この時点では、ネガティブともポジティブとも言えません。ただ違うというだけです。はっきりしているのは、親密性に欠け、発話内行為が完全に欠落しているということです。コミュニケーションの向こう側にいる相手の真意を決めこんでしまうことにもつながります。

バーチャルコミュニケーションが、従来のコミュニケーションと比べて悪いわけではないのは明白です。ただ異なっていて、違う目的のためには良いということです。最近では、ビデオ電話の技術もあり、話す間に顔を見ることもできます。

携帯

2人の人がLINEでコミュニケーションをとるとき、もう一つ変数が存在します。すでにお互いを良く知っていたら、発話内行為は一部残ります。そのため、メッセージの受け取り手はより正しい解釈が可能になります。

「その人の性格は、会話で習慣的に使われる形容詞によって形成される。」
-マーク・トウェイン-

現代のコミュニケーションは孤独を生み出すか

現実的に、コミュニケーションの新しい方法は新しい会話の形を生み出しました。これによって、コミュニケーションの質に影響があるでしょうか。技術によって、従来は可能ではなかったコミュニケーションが可能になりました。しかし、会話の質には不利に働きます。

最後に、現代社会で起こる孤独の感覚は、特定のメディアが原因であるとする研究結果が出ています。画面上で人を見ることは出来ますが、その人を近くに感じることは困難になっています。ビデオ電話で目を見ることは出来ますが、ハグしたり触ったりはできません。

テクノロジーを使ってのコミュニケーションは近くにいるひとではなく、遠くにいる人とのために使いましょう。メリットを利用しつつ、テクノロジーの枷で人間関係を傷つけないようにしましょう。

Kaplan, A., & Mazurek, G. (2018). Social media. In Handbook of Media Management and Economics: Second Edition. https://doi.org/10.4324/9781315189918

Bandura, A. (2001). Social Cognitive Theory of Mass Communication. Media Psychology. https://doi.org/10.1207/S1532785XMEP0303_03