ほんの少しが私の魂を満たしてくれる

ほんの少しが私の魂を満たしてくれる

最後の更新: 14 10月, 2017

幸せになるには、ちょっとだけあればいいのです。そのほんの少しは、くずであってもいけないし、自己中心的な愛を満たすために他人が残した残り物であってもいけません。その少しの部分は私たちの魂を満たさなくてはいけません。私たちを人として尊厳しなくてはいけません。それが金であるかのように、他人が与えてくれた壊れた破片に満足するのはやめましょう。

最近では、ポジティブ心理とスピリチュアリティーの中間のようなアプローチが増えてきました。小さなことを大切に思い、少ないが必要不可欠なもので幸せになることを学ぶことを強調しています。「幸せは大事なものは何もないと気づくことだ」といったような考え方ですが、これは間違いなく私たちを混乱させます。

 

「自分が受けるに値するより少ないものに満足してしまったら、それよりももっと少ないものしか手に入れられないものだ。」
-モーリーン・ダウド-

すべてのものにはニュアンスがあり、それが大きな違いを生んでいきます。はじめに、自分が受けるに値するより少ないものに満足してしまうのは良くないことです。時に、「最小限で十分」と自分を思い込ませてしまうことは、私たちを実りのない庭に取り残してしまうようなものです。土の状態はよく肥沃だ、遅かれ早かれ種は芽を出し素晴らしい花が咲く、と自分に言い聞かせている人がいます。

しかし、私たちの人生は一生かなわない夢の待合室になることがよくあります。達成されることのないゴールは、実らなかった花のようです。少ないものに満足することは集めたくずで生きることではなく、また幸せは「本当に大切なことは何もないということを自分に言い聞かせる」ことでもありません。実は、むしろ逆です。何が大事か明確にしていることが重要です。

次のことを考えてみましょう。

チューリップと水に浮かぶ女性

 

人生の意味と目的

鬱の治療に関する現代の基準に対し、精神科の専門家は不満を抱いています。それは、必ずしも期待された結果が得られるとは限らないからです。プログラムはうまくいかないし、薬学的治療と精神療法を混合させたアプローチは改善は見られてもほとんどのケースで一時的な場合が多いです。

精神療法士であり、多くの鬱や感情に関するたくさんの本の著者である、エリック・メゼル博士は、いくつかの面を再構築する必要があると述べています。多くの精神科医は、患者を兆候学的に分析することに重きを置いています。問題の根幹を見つけ出すために時間やリソースを投資しません。

人生の悲しみを癒す目的で、バンドエイド的にたくさんの抗うつ剤が処方されています。でも、あなたにはもっとたくさんのアプローチが必要です。偏見が少なくなることが必要です。そうなることで、みんなが平等に治療を受けることができます。

メゼル氏によると、私たちが最も苦しんでいるものは、深く壊滅的な存在に関する苦しみです。自分たちの感情、考え、意思に価値を与えないほど、私たちは人生の目的を失ってしまいました。 私たちの日々の生活は、霧とミストで覆われ、そこでは本当の意味があるものがひとつもありません。

トロッコに乗る人と追いかけて転ぶ人

自分に値するより少ないもので生きていくことに慣れてしまっている、と私たちははっきりと言えます。少ないもので満足することが問題なのではありません。大事なことは、何が私たちの重要な目的、価値観なのかという、自分の優先順位を知ることです。 そこからやっと、周りののノイズやごまかしなしに、自分の内なる音楽と波長を合わせることができます。

良いものであれば、小さいものは重くない

バックパックを背負って川を渡ろうとしている人がいるところをちょっと想像してみましょう。その日は太陽が暑く、強くて、時には目も開けていられないほどです。その人は、どこへ行きたいかもわからず、川を渡らなくてはいけないということだけを直感的に感じています。背負っているバッグが重すぎるとわかっているにも関わらずです。彼はほとんど動けません。何かしなくてはいけません。

「人類が持っている最大の誘惑はごく小さなことで満足してしまうことだ。」
-トマス・マートン-

主人公は立ち止まり決断を迫られます。バックパックをおろし開けます。バックパックの中にはたくさんの石が入っています。ほかのものより大きいものもあれば、ごく小さいものもあります。大きいものは、最も美しく壮観です。これらの石は、彼の価値観、ニーズ、徳など、彼の愛するもの、彼を彼たらしめるものです。

小さいものは、外的なニーズを表します。他人が彼に課した心配事、批判、いつわり、満たすべき義務、他人を満足させること、他人が彼に期待する人物になるニーズなどです。彼は決定的な決断を下さなければいけません。主人公は、バッグの中からすべての小さな邪魔になる石を取り出すことにします。

石のアート

もっと軽い旅…

小さな石を一つ一つとりだしていると、主人公は素晴らしいことに気づきます。小さい石は何千もあって、彼のお気に入りの大きな石の3倍の重さがあります。小さい石を出し終えてもう一度バックパックを肩にかけると、あまりの軽さに驚きます。再び歩き始めると、道がはっきり見えてくるように感じます。強くなったように感じ、川を渡る勇気が出てきます。

彼が背に運んでいる石は、数は少ないですが大きさは大きいです。その石は美しく、彼を毎日その形と輝きでインスパイアしてくれます。そのおかげで、少しずつ、彼は自分の道と目的地を思い出します。彼はそれに従うことを恐れません。

私たちも同じようにしてみましょう。無駄な重さを取り除いて、意味があり、私たちを豊かにしてくれる少しの石だけをとどめておきましょう。


このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。