ユーモアのセンスは万国共通?

自分にとって面白くないジョークがあるのはなぜか考えたことはありますか? あなたはどのようなユーモアのセンスを持っていますか? これはどこの国でも同じなのでしょうか? 見ていきましょう。
ユーモアのセンスは万国共通?

最後の更新: 16 4月, 2021

ひとつの国におけるユーモアは同じでしょうか? それとも、異なるでしょうか? MendiburoとPáez (2011)によると、ユーモアは文化の普遍的要素です。しかし、その表現はそれぞれ異なります。AlfordとAlford (1981)によると、これらの表現は、様々な物や形で表されます。

そうではありますが、すべての文化におけるユーモアに共通する要素があります。例えば、MendiburoとPáez は、もっとも面白い刺激は、どこか不調和で、普通ではなく、予期せぬもの、驚かせられるもの、あるいは特別で、イメージ、アイデア、文章、行動に関するものだと主張します。

言い換えると、一般的に、人を笑わせる状況、アプローチやアイデアを言います。各国に、独自のタイプのユーモアがあります。つまり、その国の人が面白いと思うものは、他の国の人にとって全く面白くないかもしれません。お分かりいただけるように、ユーモアは非常に個人的なものです。国により、どのようなユーモアがあるでしょう? 研究でどのようなことが分かっているのでしょう? この記事では、これらの疑問についてお話します。

ユーモアのセンスは万国共通?

Oxford Learner’s Dictionaryによると、ユーモアとは面白い物事を笑う力です。また、Merriam-Webster dictionaryによると、ユーモアとは、人に面白いことを言い、物事の面白い面を見る力です。ユーモアの定義は様々で、世界共通の定義はありません。事実、非常に主観的なものであるため、適切に定義することが難しいのです。

そして、誰もがユーモアを備えているわけではありません。ユーモアを持ち、これを鍛えることで、笑い、幸せ、全般的な幸福感等のメリットを得られるので、皆がユーモアのセンスを持っているわけではないという事実は残念なものです。チャーリー・チャップリンはかつて、「笑いのない一日は無駄な一日である」と言っています。

さらに、ユーモアは国により全く違うと言うことができます。ユーモアに関し、共通点がある国々もありますが、全体的に、ユーモアは非常に独特である傾向があります。また、まったく同じユーモアを持つ人が2人といないように、国においても同様です。個人的違いと社会的および文化的違いが関係します。

こういった意味では、文化、社会、その他の価値観も個人のユーモアに影響を与えます。あなたも、海外旅行や外国人と出会った時、これを感じたことがあるかもしれません。例えば、地元のジョークを外国人に言い、相手が作り笑いもしなかったことはありませんか? あるいは、誰かが言った海外のジョークを全く面白くないと思ったことはありませんか? これはよくあることです。しかし、後にお分かりいただけるように、すべての文化に共通する要素が存在します。

ユーモア センス

ユーモアは測定可能?

ユーモアは測定可能だと知っていましたか? ユーモアスタイル質問紙と呼ばれるものがあります。これは32の質問から成り、あなたが使ってきたユーモアのタイプを知ることができます。

質問は、友好的ユーモア(集団への所属を促すのに使われる)、自己肯定的ユーモア(自己の誇張に基づく)、攻撃的ユーモア(人に焦点を当てる)、自己卑下的ユーモア(自己皮肉に基づく)のカテゴリーに分けられます。それぞれの国で、他と比べ優勢なタイプのユーモアがあります。

様々なユーモアの例

オランダ人のGeert Jan Hofstede教授は、これに関し、興味深い研究を行いました。その内容は、地理により、ユーモアがどのように変化するかというもので、この研究は長年かけて行われました。次にその例をご紹介します。

Hofstede教授によると、ロナルド・レーガン元大統領はユーモアのある人でしたが、あるとき会議のために日本に向かっていました。その中で彼は冗談を言い、翻訳者が聴衆に向けてそれを通訳し、会場は笑いに包まれたそうです。

その後、大統領は通訳者を褒め、自分のジョークをどのように日本語に上手く訳したのか尋ねました。そして、翻訳者は、少し不快に思いつつ、「大統領、私はあなたのジョークを変えることはまったくしていません。聞いた通りに訳しました」と答えています。これは、ここでお話していることの非常に良い例です。

各国でのユーモアの例

それぞれの国のユーモアはどうでしょう? ユーモアの研究者でネブリハ大学のUniversity Center of Health Sciences San Rafael-NebrijaのBegoña Carbeloは、この質問に答えを出すのに貢献しています。彼女によると、アメリカの人は、冗談というより物語のようなものを話す傾向があります。さらに、アメリカ人は、漫画やアニメをより高く評価します。また、困難に直面した時のコーピングメカニズムとしてもユーモアを利用するようです。

Hofstedeによると、例えば日本人は自分に関する冗談を頻繁には言わないと言います。一方で、ユダヤ人やスコットランド人はその反対です。また、イギリス人は、何より、人の注目を集めるため、あるいは、ステータスを示す方法として、皮肉や知的な遊び、ユーモアに頼ります。

さらに、研究者が言うには、イギリス人は面白くいることにあまり興味がないようです。その代わり、困難な状況を乗り越えるためにユーモアを使います。では、スペイン人はどうでしょう? 専門家によると、スペイン人のユーモアはもっと自己中心的で、2つの意味を頻繁に使い、冗談を多く言うそうです

共通の要素

ユーモアは国により異なりますが、私達が思っているより共通していることが、最近の研究により示されています。例えば、漫画の話には、モリエール、シェイクスピア、セルバンテスなどのコメディーの中で見られる笑いや大げさな主張が元になっているものがあるのです。

ユーモア

さいごに

このように、ユーモアは様々です。友達の外国人のジョークが理解できない、あるいは、自分のジョークに彼らが笑わないのはユーモアに多様性があるためです。各国の文化や歴史がこれに大きく影響しています。人が何を面白いと感じるかをきちんと掴むためには、それぞれの場所の伝統、在り方、社会性、規範、価値観を考慮することが大切です。ユーモアのタイプはさまざまですが、共通する要素や基礎的柱があることを頭に入れておきましょう。

例えば、 Martin (2007)によると、笑うためには、それが深刻なものではないとあなたに思わせる面がなければならないと言います。相手が、何か遊び心のあることを話していると理解することが必要なのです。


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  • Alford, F. y Alford, R. (1981). A Holo-Cultural Study of Humor. Ethos, Vol. 9, No. 2 ,
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  • Kalliny, M., Cruthirds, K. y Minor, M. (2006). Differences between American, Egyptian and Lebanese Humor Styles: Implications for International Management.
    International Journal of Cross Cultural Management; Vol. 6 , 121-134.
  • Martin, R. (2007). The Psychology of humor: an integrative approach. Burlington:
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  • Mendiburo, A. y Páez, D. (2011). Humor y cultura. Correlaciones entre estilos de humor y dimensiones culturales en 14 países. Boletín de Psicología, 102: 89-105.

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