人生のパートナー探し:希望vsニーズ

自分の願いから、人生のパートナーを選びましょう。一人になることを恐れず、自由に探すのです。これに関し、心理学者マルセロ・セベリオの言っていることを今回の記事ではご紹介していきます。
人生のパートナー探し:希望vsニーズ

最後の更新: 18 2月, 2020

人生のパートナーを選ぶ時、「相手を見つけようとして探す」ことにオープンになる必要があります。しかし反対に、恐怖心や幼さからか、一生懸命になることなくパートナー探しをしている人が多いようです。また、いろいろな理由からパートナー探しをあきらめる人もたくさんいるのです。

いずれにせよ、パートナーを選ぶ時には、誰かと一緒にいなければというニーズからではなく、自分が希望して相手を選ぶことが大切です。誰かと一緒にいなければというニーズは、一人でいることへの恐怖心でしかないからです。すると自分の穴を埋めてくれる人を絶望的に、そして手当たり次第に求めるようになってしまいます。

パートナー 希望 ニーズ

 

人生のパートナー探しと孤独

孤独が人がパートナーを探そうとする理由になっているようです。孤独と言うと、自分の価値の低さ、自分は望まれていないという気持ち、孤立、受容の欠如、疎外、拒絶、放棄などが連想されます。また、これは悲しみ、怒り、落ち込みとも関係します。

歴史の中にもこのような考え方が見えてきます。まず聖書の教訓には、「人が一人でいることは良くない」とあります。孤独は社会的によしとされていないのです

このようなネガティブな考えがあれば、当然このような状態にはなりたくないと誰もが思うでしょう。しかし実際、絶対的な孤独は存在しません。一方で、誰かと一緒にいても孤独を感じることがあるのも事実です。

 

人間関係の中の孤独

孤独の中でも最も難しいのが誰かを求めるタイプです。そうすることで満たされていない幼少期の感情的ニーズが生まれたり取り除かれたりするからです。

さらに、環境の影響もあります。時と共に、自分は誰ともつきあっていないという事実を常に突き付けられ続けます。つまり、自分には家族や子どもなど、持つべきはずのものがないと言われ続けているようなものです。そして最終的に自分は不要だと感じさせられるようになります。自分の友達グループの多くが結婚や妊娠をしていると、特にこのような思いが強くなります。それは友達が自分が欲しがるべきなのに実際には持っていない現実を映す鏡になっているためです。

このような状況すべてが孤独の悲しいイメージを大きくします。 自分の落ち度に直面することになるため、自尊心にも影響が出ます。自分にはないもの、大きな負債を抱えた気分です。そして絶望的な気分になります。それに耐えられなくなり、ついには孤独から抜け出そうとするのです。

次に起こること

孤独から抜け出すために、その穴を埋める人を見つけようとします。それは主に自分の内にある孤独です。えり好みをしないことで、「ゴースト」が生まれます。ゴーストは理想的を投影したもので、相手はあなたの「運命の人」ではなく、単なるあなたの映すニーズの受け手でしかありません。

このニーズは、あなたに欠けているものを映しています。ただし、パートナーがいないことは、あなたに特別な何かが欠けているということを意味するものではありません。一般的に人が依存的な関係を作るのは、一人でいることに耐えられない場合です。ですのでパートナーからフィードバックを求めます。そして孤独感と向き合うため、自分に足りない価値を相手から認めてもらうことにより埋めようとします。

ニーズは不安につながり、行動の爆発へと変換されるということを頭に入れておきましょう。さらに、孤独への恐怖、認めてもらえないこと、自分への低評価は、毒のある人間関係を築くことになりかねません

 

ニーズから人生のパートナーを選ぶこと

ニーズから人生のパートナーを選ぼうとする時、人は必死な行動をします。この場合、本人は自分を低い位置に置き、相手を高い位置に置いて承認を求めます。これは恋愛の方法としては良いものではなく、距離のある関係になりかねません。

必死に相手を求めると、それは自己実現的預言になってしまいます。 寂しい人は、自分の孤独をどうにかして終わらせようとし、結果的にまた一人になってしまいます。こうなってしまうのは、このような関係には期限があるためで、孤独感はさらに大きくなってしまいます。

パートナー ニーズ 希望

 

その他の孤独

孤独にはもうひとつ種類があります。この孤独は、健康的な自尊心に根付いたもので、自分を楽しむことを可能にするようなものです

ですので、このタイプの自尊心をもつ人は相互依存的です。パートナーがいない現実を、他の人と共有する時間は価値あるものにしたいという願いに変えた人です。自分の価値を認めて楽しんでいるため、不安にかられたり絶望的にはなってストレスを感じることがありません。

このような楽しみ方は、時間や空間を大切にすることと同じで、自分の時間に誰かを招待する前にもう一度きちんと考えることを意味します。これが可能なのは、自分とうまく付き合っているため自分の時間を本当に大切にし、楽しむことができるからです。こうなると時間を無駄にしたくないため、選択的になります。自分を守ろうとしてこのような行動をとるのではなく、自然とそうなるのです。

結局、孤独は最高のパートナーであり、相手が誰であっても欠かせない条件なのです。

あなたがもし人生のパートナーを探しているのであれば、自分との良い関係はあなたの健康に欠かせないものなので、大切にしましょう

 

希望から人生のパートナーを選ぶこと

希望から人生のパートナーを探そうとすると、自分の愛情の対象となる人に対し分別的になれるかもしれません。これには、良い面と悪い面があります。相手自体が良いまたは悪いのではなく、その人との関係の目的に左右されます。これには個人的、主観的属性が関係します。

さらに、希望から人生のパートナーを選ぶことは、孤独を認めていることを意味します。一人でいる時に自分と良い関係が築けているのであれば、誰かと時間を共有する時にも良い選択をするはずです。

人生のパートナー探しにおいては、孤独を認め楽しむことが原点になります。また、それができればパートナーを探す時に注意深くなることもできます。

しかし極端に注意しすぎると、パートナーを探す上で選ぼうとしすぎ、保守的になりかねません。実際、保守的なだけでなくそれが恐怖症へと変わり、結局孤独になってしまうこともよくあるのです

 

人生のパートナー探しにおける悪い恋愛

これは、批判的で厳しく聞こえるかもしれません。もしあなたが、ひどい恋愛を終えたばかりで、悪い恋愛にはまっているのであれば、ニーズからパートナーを求めているということです。恋人がいたらいいなぁという願いと、どうしても恋人が必要だと感じることは同じではありません。人が恋しいのと、こがれているのとは違います。

例え話をするとわかりやすいかもしれません。まずニーズとは、3日間の絶食後レストランにいるようなものです。絶望的な空腹感から、目の前にあるものを何でも食べてしまうでしょう。一方で、レストランに行く前に間食をした場合、メニューをきちんと見て自分が好きなものを選ぶことができるでしょう。

自分や孤独と良い関係にあることは、必ずしも賢明な選択と繋がるわけではありませんが、切迫した状態ではなく自由に関係を築こうとすることができます。あなたを操作の対象とする必死な態度ではなく、関係的な調和に基づいた決断を可能にします。

パートナー ニーズ 希望

 

理想と現実

人生のパートナー探しには、あなたの愛情を与える相手を見つける際に2つの選択肢があります。それは、相手に単なる美徳と理想を見るか、注意深く相手を分析し良い所と悪い所を考えるかの2つです。

しかしどんな恋愛関係においても、理想は初期には必ず現れます。その後相手を認めることができますが、いつもこれができるとは限りません。それは、フィルターを通さずに相手を見ることは簡単ではないためです。

 

愛情を求める人

自分に足りないものを投影することができない人は、救世主や理想像を探すようになります。こうなると、自分のニーズと合う人とのみ接触するようになります。自分の見たい部分のみを見て、残りをすべて切り落としてしまいます。自分の嫌いな部分は拒否し、本当には無い良い面を作り出し、自分の理想の人を作り上げるのです

彼らの選択を主観的と言うのであれば、パートナーがいたらいいなと思っている人はより客観的だと言えます。全体を見渡し、より批評的になれます。その人が本当はどんな人か、より現実的にはっきりさせることができるからです。

希望から行動する人は、人に対し完全に違った見方をします。ニーズから行動する人は、自分の理想にのみ注目します。

恋に落ちる時、良い所と悪い所のバランスにおいて良い所に比重が傾くのは明らかです。これは恋愛の成功を示すいいことですが、相手の嫌いな部分が明らかになっていっても、関係を続けようと努力するのはおかしなことだと思いませんか?

 

フラストレーション

期待をしすぎて自分の思うように相手が反応してくれない時に、失望する人がいます。自分の不快感を相手に押し付けるのは簡単です。ゴーストと「恋に落ちた」人は、自分のニーズに沿って関係を築くのです

このような人は、自分が愛情を注ぐ相手が本当はどんな人であるかを考えず、相手を自分の好みに当てはめるという無理な課題を遂行しようとし、傷つきます。自分ではない誰かになってほしいというとんでもない要求により、相手は自分にはパートナーである資格がないと感じてしまうのです。

パートナー 希望 ニーズ

おわかりのように、「愛」を感じた2人は恋人になるかもしれません。しかし夢中の思いから真の愛へ、そして成熟した関係への道を見つけることができれば、お互いの欠点を認め、何も言わずに相手を愛し合うことができるでしょう。


このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。