家族の関係と摂食障害

摂食障害は、若い女性の間で広まっています。摂食障害の患者自身についての研究は多くありますが、周りの家族を含む研究はまだそれほどありません。この記事では、摂食障害患者においての感情表出モデルを紹介します。また、精神障害の一種である摂食障害が進行する過程での、家族の関係についても紹介します。
家族の関係と摂食障害

最後の更新: 18 10月, 2019

摂食障害は食に関する行動の妨害または変化で、食べ物の摂取に関わるものです。これらの障害は長期間継続することがあり、患者の体の健康を脅かします。また、心理的、社会的、そして家族の関係にも悪影響を及ぼします

これらの障害は、若い女性の間で広まっており、それゆえ多くの研究がなされてきました。特に、10代の女性への影響はただならぬものです。西欧諸国では、10代と若い女性の実に4%が何らかの摂食障害に悩まされていると推定されます。しかし、患者の家族を含めた研究はまだ多くありません。

10代の多くの女性が、摂食障害を発症するリスクにあり、これは避けることのできない急を要する問題に発展しています。社会的な問題で、家庭の幸福に影響を与えるため、直接的に家族の関係に関わってきます。また、この障害の発症から進行にかけて、家族の影響が大きいため、家族を含めた研究の必要性は高まっています。

摂食障害の原因

摂食障害 家族

数多くの研究が、何が摂食障害の引き金となるのか、またどうして広まっているのかを追求しようとしてきました。完璧主義論が、拒食症の症状の進行に影響しているとする研究も数多くあります。

2010年メキシコ国立自治大学が行ったもののような最近の研究では、完璧主義とは、間違っていることや、間違いを起こすこと、または優柔不断への異常な心配を抱くこと、としています。

原因には、体型に関する不満や、ネガティブな自尊心、制限された食生活や、体重の増加などが挙げられます。また、家族間の揉め事や、体重、体型に関する批判的な出来事も原因として考えられます。

そして、何が摂食障害を蔓延する原因としては、食事の制限、下剤の服用、社会環境との隔たりなどが挙げられます。次のセクションは、この障害に対する周りの家族の反応に関してです。

摂食障害と家族の関係:感情表出の役割

感情表出とは、家族間での感情のコミュニケーション方法であり、施食障害を広めてしまう原因とも考えれます。感情表出は、ロンドンの精神医学、心理学と神経科学協会が50年代に使用しはじめたモデルです。初めの頃は、家族の元に戻されたあと、症状が再発した、統合失調症患者を対象に研究が行われていました。

結果、家族の中枢を構成する要素についての研究へと繋がりました。症状の再発は、家族の元への戻されたことに関係すると研究者たちは信じていたからです。実際、ブラウン、バーリー、ウィングは症状の進行と、広がりに繋がる3つの特徴を発見しました。

  • 反抗
  • 感情の異常な介入
  • 批判

ムエラとゴドイなどの他の研究者は、ポジティブな意見と暖かさという特徴も研究結果に含んでいます。摂食障害の患者に関しては、感情表出のモデルによって、統合失調症患者に見られたような特徴があることが示されました。

自分を愛する女性は脅迫的になりえるが、本当の女性を愛する男性はさらに脅迫的である

-ナオミ・ウルフ―

感情表出の要素

  • 批判:家族による、摂食障害患者に対するネガティブな評価(この批判は発言そのものでなく、発言の仕方も含む)。
  • 反抗:家族からの拒否。摂食障害患者の行動に対する批判だけでなく、全面的な個人への批判。
  • 感情の異常な介入:摂食障害患者の行動をコントロールしようとする、家族の異常な感情の介入。また、すすり泣きや、悲しみなどの感情的反応も含む。その一方で、過保護になり自己犠牲が必要となる場合もある
  • 暖かさ:共感や、愛情、興味などに特徴づけられる、家族からの適切な感情的反応。
  • ポジティブな意見:摂食障害患者への、言葉による愛情表現。

これら全ての要素が、摂食障害に悩む人の症状に影響を与えているようです。例えば、批判的なコメント、反抗、感情の介入が度を過ぎると、患者の家族の状況はより威圧的になり、柔軟でなく、監視的な環境になります。

この分野の縦断研究によって、短期間の摂食障害と、慢性的な摂食障害には違いがあることがわかりました。摂食障害を短期間で克服した患者においては、わずか6%の家族が高い感情表出をしていたということです。

発症してからの蔓延について調べた研究とは違い、ほとんどの研究で家族の感情表出と、摂食障害の発症の関係について証明しています。55~60%の摂食障害患者の家族が、高い感情表出を示すという結果が出ています。

家族の関係と摂食障害の発症

先ほども書いたように、治療の一部として心理教育が必要不可欠です。また、必要であれば、摂食障害患者の心理的治療の一貫として、家族への介入も大切でしょう。

家族全員が、感情をうまく処理することができ、適切なタイミングで感情を表現できる場所があるような、感情的な家族の適応は、摂食障害患者の治療にとても重要です。

加えて、家族の参加も忘れてはいけません。特に、摂食障害患者が若い時はなおさらです。家族がどうしたらいいのか、どう対応すべきなのかが最初からわかっている場合などありません。ですから、治療の全てにおいて、家族が関わることが重要なのです。家族は摂食障害完治になくてはならない要素なのです。

決して、家族を責めてはいけません。摂食障害で悩む人にレッテルを貼るのはやめましょう。そして、その症状を改善する行動を、一緒に学んでいきましょう。深呼吸をして、長期に渡るかもしれない治療に備えて、冷静になりましょう。


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