プレゴレキシア:妊娠中の体重増加への恐怖

· 2019年5月12日

女性が妊娠している時、9~14キロ体重が増加します。女性によって異なりますが、妊娠の最初の3か月から、毎月1.4キロほど増加するのは至って自然なことです。しかし、プレゴレキシアを発症してしまう妊婦もいます。これは、妊娠中の拒食症です。

体重の減少や体重増加不振、重要な栄養素の不足によって、胎児が適正に成長することを妨げます。それ故に、それほど多く見られる病気ではありませんが、プレゴレキシアの発症は母親と胎児にとって非常に深刻なものになり得ます。

妊婦はどのようにして体重増加を避けるのか

プレゴレキシアは、 妊娠を意味する「プレグナンシー/pregnancy」と拒食症を意味する「アノレキシア/anorexia」を掛け合わせた単語です。これは、妊婦に影響する摂食障害です。これらの女性は、 妊娠期間中に体重増加に対して異常な恐怖を抱くようになります。プレゴレキシアの女性は、妊娠前の体重を維持しようとします。体形を維持するためには、何でもします。

これらの女性は、低カロリーの制限された食生活で、自分の口に入れるものを厳しく制限します。炭水化物や脂質が含まれるような食べ物を避けて、この病気に特徴的な「食べたい衝動」を抑え込もうとします。また、異常な運動をします。ドカ食いをしてしまった際には、嘔吐や下剤の使用などの「浄化」行為を行います。これは非常に危険です!

ウエストを測る妊婦
以前から拒食症だった人のみに起こるのか

過去に拒食症になったことのない人が、プレゴレキシアを発症することはあり得ます。しかし、これは一般的ではありません。多くの場合は、以前に拒食症や過食症などの摂食障害を患ったことがある人に起こります。しかし、過去に摂食障害を患ったからと言って、必ずしも妊娠中にプレゴレキシアを発症するというわけではありません。ただ、リスクは高いと言えます。

この病気は、摂食障害を引き起こしやすくさせる、心理的、生物学的、個人的な要因から引き起こされます。

プレゴレキシアの症状

本人が妊娠について話すことを避け、問題を否定して、自分の状態や変化を拒否することから、妊婦がこの病気を患っていることがわかります。これらはすべて、妊婦の体重増加に対する恐怖と不安の感情の結果です。これらの背景に、妊娠について話さなければ、妊娠はなかったことになるという妊婦の思い込みがあります。

身体的には、妊娠中にこの病気を患う女性の体重はかなり軽く、体重が減少する人さえいるでしょう。3ヶ月目以降に特に顕著になります。ここから、体の変化が目に見えて現れてくるためです。

さらに、低カロリーダイエット、異常な肉体的運動、「浄化」行為で、めまい、頭痛、異常な疲労感が見られます。これによって、集中力が低下して眠れなくなります。これらすべての症状は、妊娠のリスクを高めるだけではありません。出産や胎児の成長にも問題を引き起こす可能性があります。

プレゴレキシアの影響

この病気の発症は、あまり食事を摂取しないことに関連しています。栄養不足、貧血、徐脈、高血圧、不整脈、抜け毛、異常乾燥肌などを引き起こします。さらに、プレゴレキシアの妊娠への影響を見ていかなくてはいけません。

不十分な食事による重要なミネラルの減少によって、 骨の脱灰が起こります。これにより、母乳の生成量が少なくなります。出産後、赤ちゃんが満足いく量の母乳を出すことが困難になるでしょう。

さらに、羊水の量が減ります。これは胎児にとって重要な液体です。胎児を外的な怪我から守ります。さらに、 胎盤がはがれてしまうかもしれません。もしこれが起こってしまえば、状況はかなり深刻です。特に6か月目以降であれば、危険度はさらに増します。

 

嘔吐
プレゴレキシアの胎児への影響

母親の栄養は、胎児の成長にとって欠かせないものです。不十分な食生活は、非常に危険です。プレゴレキシアは、出産中の異常の可能性を高めます。例えば、呼吸不全、低出生体重、低いアプガー指数などです。さらに、未熟児(妊娠37週以前)、胎児の異常、神経変容、注意欠陥多動性障害(ADHD)、知的障害なども引き起こしかねません。

母親に深刻な胎盤変位が見られる場合、胎児に成長問題が発症する可能性が高まります。プレゴレキシアは、出産からはじめの1カ月で胎児が死亡する可能性を高めます。

包括的な治療

食べ方は、食べる量同様重要です。食べる量を増やさないのなら、より質の良い食事をしなくてはいけません。妊婦は、食事に気を使いつつ、それを心配しすぎてもいけません。プレゴレキシアだというのは、早く分かればわかるほど良いです。早期に発見できれば、影響が子どもや母親にとって取り返しのつかないものになってしまうことを避けられます。

プレゴレキシアは精神的な病気であることを考慮すれば、様々な分野の専門家チームによって治療が行われるべきです。一緒になって、精神科医、産科医、栄養士、看護師が、複雑で包括的な治療を行います。

リラックスした、ストレスのない雰囲気を作り出して、食事計画を正常化させることが重要です。家族は、妊婦に特定量の食べ物を食べるよう、強制してはいけません。これは逆効果を生み出します。

肥満も痩せすぎも、妊娠にリスクとなります。その為、妊娠中には、バランスの取れた多岐にわたる食事をとることが重要です。また、定期的に、ヨガ、ピラティス、ウォーキングなどの運動を行うと良いでしょう健康が関わっている時に、美しさを優先すべきではありません。子どもの命が関わっているとなると、なおさらです!

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