「ラフターセラピー」の7つの効果とは?
現在、アメリカ合衆国にはラフターセラピー(笑い療法)を専門とするセンターが複数存在しています 。患者たちに幸せと楽しさを運んでくれることから、ピエロやアニメーターを雇っている病院も多いのです。また、ラフターセラピーはスペイン(病院訪問を専門とする道化師集団がいくつかあります)や南アメリカでも認知度が高まっています。患者のためにラフターセラピーの講義を提供している研究所もあるほどです。
多くの企業や学校がラフターセラピーのワークショップを成功させていますし、健康やスポーツ、家族に関連する祝日にはラフターセラピーの講演が行われ、2000人以上の人々が参加しているようです。なぜこのセラピーはそれほど人気が高いのでしょうか?その理由はシンプルで、笑いは寿命を伸ばしてくれるものだからです。笑うことで私たちの気分は変化し、身体にインパクトが与えられます。これが苦痛を和らげたり病気を予防するのに有効なのです。このセラピーによる効果はしっかりと確認されています。
たとえば、HIVやガンの患者たちは気分が良い状態の時の方が治療への反応が良くなります。事実、フランスやスイス、カナダ、日本、そしてアメリカの複数の病院では、彼らに特化したラフターセラピーのセッションを用意して治療が行われているほどです。
笑うことが、病気の人々のエネルギーを更新させ、回復の可能性をぐっと高めてくれる素晴らしい薬になることが専門家たちによって証明されてきました。しかしながら、このセラピーは単に治療のためだけに用いられるわけではありません。得られる効果は他にもたくさんあるのです。
実は、笑いや優れたユーモアは、喜びに満ちた観点から人生を眺め、生きるための一つの道筋なのです。つまり、自らの身に降りかかる様々なことに対してより幸せな形で向き合い、解決する手段であると言えます。
ラフターセラピーとは一体何?
ラフターセラピーとは、笑いという完全に自然なアクションに基づいた代替療法です。基本的には、「笑いを通じて頭脳と心への好ましい効果を生み出すことを目的とした心理療法ストラテジー、あるいはテクニック」とされています。
また、「ストレスやその他の病状の主な阻害剤として笑いを活用する代替療法」と定義することも可能です。ラフターセラピーは通常グループで行われ、様々な技術を利用しながら参加者たちを身体的にも情緒的にも笑わせます。
ここには、楽しさを感じたり子ども時代に戻って最高の笑いに到達できるようにするための様々なテクニックの実践が取り入れられています。しかし、最高の笑いとは何なのでしょう?最高の笑いとは、純粋に大爆笑できるような最も健全な笑いのことです。
個人で行う場合もグループの場合も、ポジティブな精神状態を生み出すためのテクニックを通じてセラピーが実践されます。このテクニックは参加者のウェルビーイングやモチベーション、効率性などに影響を与えるので、結果的にクオリティオブライフの向上が期待できるのです。
これは治療というよりはむしろ、多くの場合補完的技術と見なされます。このセラピーだけで治すことのできる病気などありませんが、身体に嬉しい効果を与えてくれることは確かです。さらに、このセラピーを受ける回数が多ければ多いほど、結果も目に見えて良いものとなっていきます。
心理学的レベルで見た、笑いのもたらす効果
ラフターセラピーにより血圧の状態が良くなり、セロトニンやドーパミン、アドレナリン、エンドルフィンといったいわゆる幸せホルモンの分泌も改善されます。これらは、不足すると人は悲しみや絶望、憂鬱、だるさなどを感じる恐れのあるホルモンです。
ラフターセラピーによる主な効果は以下の通りです(※心理学的レベルでの効果です)
- リラクゼーション効果と呼吸の改善により、不安に対処しやすくなる。
- 幸せホルモンが分泌されることでストレスが減少する。
- 抑うつ状態から離脱できる。人生に対してよりポジティブな見通しが立てられるようになるため。
- 自尊心を向上させる。
- 認知症の症状を和らげ、治療を補足する。
ご覧の通り、ラフターセラピーによりメンタルヘルスの改善が期待できるのですが、効果はそれだけではありません。
笑うことで免疫系を強化できる
生体防御のレベルは、体内のエンドルフィン値と関連しています。良い気分の時、体内には十分な量のエンドルフィンが存在します。このホルモンはどんな役目を果たしているのでしょうか?体内に大量のエンドルフィンがあると、その人物は病気やウイルスに屈しにくくなります。反対に、うつ病や深刻なストレスに苦しんでいる場合にはエンドルフィン値も防御力も減少します。つまり、病気にかかるリスクが高くなるということです。
エンドルフィンはオピオイド系神経伝達物質です。その効果はケシから作られるドラッグのアヘンのものと似ており、モルヒネやヘロインとも関連性があります。
このオピオイド系神経伝達物質が生成されるのは、性行為を行った時や運動した時、チョコレートや辛い食べ物を食べた時などです。エンドルフィンの発見は1970年代に遡り、科学者たちがいくつかのドラッグの作用を研究していた時のことでした。これらの物質が脳や脊髄にある特定の受容体に働きかけ、痛みの感覚を和らげていることを発見したのです。
この研究者たちはなぜそのような受容体が存在するのかを疑問に思っていたのですが、これが体内で天然の麻薬(エンドルフィン)が生成されていることの発見につながりました。エンドルフィンの活動は、視床下部の属する大脳辺縁系と関連しており、ここにはエンドルフィンと相互作用する特定の受容体が存在しています。
免疫系は、普通の風邪からエイズなどの性病に至るまで、あらゆる種類の感染症から身体を守る役目を果たしています。体内の潜在的な発ガン性細胞を監視し、排除するのも免疫系の仕事です。しかし、このシステムが不具合を起こすと、そういった悪性の細胞が病気という形で反応を起こします。だからこそ、体内のエンドルフィン値を一定に保つことが重要なのです。
ラフターセラピーの7つの効果
ラフターセラピーは主にグループで行われます。様々なテクニックの使用を通して、参加者は身体的にも情緒的にも笑うことができます。それではこのセラピーによる効能を見ていきましょう。
- セラピーが行われている間、通常参加者は常に動き続けることになるので、セラピー中ずっとエクササイズをしているのと同じことだと言えます。ただ、上手くこなそうとして身体のコンディションを最高な状態に整える必要などありませんのでご安心ください。
- これは非常に健康的なアクティビティです。心臓が強くなり、肌の酸素量が増え、生体防御力も上がり、体内の毒素が排出され、頭脳が明晰になり、入眠も容易になります。
- 心配事を忘れられます。セッションの中には、自らの抱える問題を想像上の炎の中に投げ捨てる、という象徴的な行為から始まるものがあります。たくさん笑った後には、不安に思う事柄をもっとポジティブな視点で見られるようになるのです。
- 気を緩ませることができます。こういったワークショップの目標は、参加者の恥ずかしさを取り払うことです。自分の発言や行為によって他人から批判されることは決してありません。
- このセラピーのもう一つの大きな利点は、新たな人々と出会い、新しい友人を作ることができる点でしょう。リラックスした、他人を批判することのない環境のおかげで友達同士になりやすいのです。
- 参加することでエネルギッシュになれます。笑いはウェルビーイングやリラクゼーションを促進するので、かなり好ましい効果が得られるのです。夜眠ってから起きるまでの間に身体が充電され、エネルギーに溢れているように感じられるはずです。
- これほどまでに楽しく、これほど爆笑したのはいつ以来だろう、と考えてしまうほど楽しいセラピーです。ご褒美ありのアクティビティでは、参加者たちの気分は劇的に改善されます。
ご覧いただいた通り、ラフターセラピーには素晴らしい効果がたくさんあります。皆さんもワークショップに参加し、楽しんでみてください!