燃える脳:炎症とうつ病の関係

燃える脳理論とは、認識される脅威から免疫系が体を守ろうとするために起こる炎症が、深刻なうつ病のひとつの原因とだいう考えです。
燃える脳:炎症とうつ病の関係
Gema Sánchez Cuevas

によってレビューと承認されています。 心理学者 Gema Sánchez Cuevas.

によって書かれた Valeria Sabater

最後の更新: 21 12月, 2022

燃える脳とは、炎症とうつ病の関係を提案する理論です。うつ病と診断された人の多くが、脳の機能や気分に影響を与える炎症性サイトカイン値が高いことが、多数の研究で分かっています。

こういった研究の一つが、チャールス・L・レゾン、ルーシー・キャプロン、アンドリュー・H・ミラーによって、2006年に雑誌「Cell」に発表されました。しかし、この仮説はすでに数十年にわたり存在しています。実際、これはうつの倦怠感理論と呼ばれる仮説と直接関係するものです

バッキンガム大学のブルース・チャールトン博士は、彼の理論を証明しようと、調査と分析に多くの時間を費やしました。2000年に発表された研究で、上記と同じ概念を定義しようと試みました。

うつ病は、ライフスタイル、食生活、また環境汚染にも関連していると考える人がいます。また、それは環境的ストレスや不安への身体的反応だと考える専門家もいます。

燃える脳理論によると、予想される脅威に対して生理的反応が起こると言います。ここで、炎症や免疫系の反応が出現します。この場合、これが悪役のように働き、あなたを守るのではなく、弱体化させるのです

燃える脳理論によると、脳がストレッサーを認識すると、コルチゾールを放出します。このホルモンが引き金となり、サイトカイン、血管作動性アミン、一酸化炭素、グルココルチコイドを生成します。

燃える脳

 

燃える脳理論は何に基づいているのか?

うつ病と炎症に関するこれら2つの仮説には、変わった名前がついています。ひとつは、うつの倦怠感理論、もうひとつは、燃える脳理論です。名前は違いますが、共通点はたくさんあります。

免疫反応とうつ病との間に何らかの関係があると科学者が考え始めたのは、心理療法や薬物療法に反応がみられない患者が増えてきたためです。何がおかしいのでしょうか?2000年以降、神経科医や精神科医の間で「炎症」という言葉の人気が高まってきています

燃える脳理論とその内容を見ていきましょう。

炎症とうつ病の関係を説明するメカニズム

体はウイルスの存在を検出すると、敵と戦うことを目的として免疫反応を起こします。この免疫反応が炎症です。

燃える脳理論は、プレッシャー、ストレス、恐怖、不安を感じる時、体は同じ免疫反応を起こすと言います。

落ち込む女性
  • 体が内部の病原体と戦う時、白血球やサイトカインなどの強力な化学物質を使います。サイトカインは、免疫反応を調整することができるタンパクです。
  • 初めにも記したように、うつ病の人の多くは炎症性サイトカイン値が通常より高いことを科学者が認めています。
  • ヤンセン・リサーチ・アンド・ディベロップメントによる研究では、14275人のうつ病患者を分析しました。研究者の一人が、患者の60%が炎症性疾患の印であるC反応性蛋白(RCP)値が高いことを発見しました。
  • サイトカインは血液中に何ヶ月も留まることができます。これは神経炎症の原因になりえます。時間とともに、身体的痛みや免疫系の弱体化を引き起こしかねません。

 

炎症が引き金となるうつ病とどう戦うか?

まず、はっきりさせておかなければならない点がいくつかあります。すべてのうつ病が同じではなく、すべてのうつ病が炎症によるものではありません。燃える脳理論は、心理療法や服薬をした後で改善がみられなかった場合に重要になってきます。

科学者や製薬業界は、今それらに先んじる挑戦をしています。このような状態にあう新薬を作らなけらばなりません。その一方で、非常に効果的だと証明されている対処法もあります。

  • ストレス軽減エクササイズ
  • 呼吸・リラクゼーションテクニック
  • 身体的運動
  • 抗炎症食事療法(砂糖、塩、小麦粉、加工食品、飽和脂肪を減らした食事、飲酒・喫煙を控える)
  • オメガ3、ビタミンD栄養補助食品
食生活

最後に、多くの専門家が、慢性的なストレスがうつ病を引き起こすと考えます。問題をコントロールする備えができていると、炎症や免疫系のバランスが崩れるのを避けることができるでしょう。

専門家の助け、問題に特化した支援を受けることを躊躇しないでください。癒され、充実し、幸せな人生を送ることができます。


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  • Raison, C. L., Capuron, L., & Miller, A. H. (2006, January). Cytokines sing the blues: Inflammation and the pathogenesis of depression. Trends in Immunology. https://doi.org/10.1016/j.it.2005.11.006
  • Slavich, G. M., & Irwin, M. R. (2014). From stress to inflammation and major depressive disorder: A social signal transduction theory of depression. Psychological Bulletin140(3), 774–815. https://doi.org/10.1037/a0035302

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