ファラクロフォビアの症状・原因・治療
言葉や象徴などあらゆる刺激が、ファラクロフォビア(禿げることへの恐怖)などの非合理的な恐怖の原因となり、恐怖を引き起こしかねません。これらの恐怖心は理解しがたいこともありますが、そこには妥当な根拠があるのです。
体の一部を失うということには、誰もが恐怖を覚えます。これは原初的な恐怖で、本能的生存メカニズムの一部です。人の毛は絶対必要ではありませんが、健康的な体の一部です。そのため、ファラクロフォビアも理にかなっているのです。
しかし、このような恐怖心も過剰になれば、理にかなっているとは言えません。心理学では、ファラクロフォビアは極端であるという理由のために、障害とされます。禿げていると考えるだけで、不安の状態が強烈になる人がいます。
「頭の毛が多いと誰もが自信をもつことができる。しかし、自信のある禿げた人もいる。そういった人はダイヤの原石である」
-ラリー・デヴィッド-
ファラクロフォビアとは?
ファラクロフォビアは禿げに対する誇張された恐怖と定義されます。髪を失うことに関連する刺激にさらされると、極端な不安に陥ってしまうのです。
この障害の人は、禿げる可能性を考えるだけでパニックになります。また、禿げた人を見ることが恐怖の引き金となる変種もあります。コントロール不能な反応で、恐怖を抱く人にとって大きな不快感が生まれます。
脱毛は男性によく見られますが、このタイプの恐怖症は男性にも女性にもあります。不合理な恐怖心を抱く人は、毛に関するあらゆる発言に非常に敏感です。
ファラクロフォビアの症状と原因
その恐怖心は非常に強く、ファラクロフォビアの人は恐怖の対象となるものに遭遇した時、一連の生理学的反応を示します。頻脈、震え、めまい、不安などがその例です。
また、この問題を抱える人は、自分の髪を常にチェックし、髪が少しでも薄くなっていることに気づくと傷つきます。また、髪の健康を常に心配し、ばかばかしいこととの境にあるような極端な対策をとることもあります。
原因
この恐怖症は禿げに関連する恐怖に起因しているとする心理学的アプローチもあります。特に、髪を失うこと、それに伴い魅力が薄れる、あるいは加齢のサインを示すことへの恐怖が関係しているケースもあります。
これらの説明により、考えられる原因は理解できますが、それだけでは過剰な恐怖の説明にはなりません。精神分析学者は、その他の恐怖症と同様、見た目、魅力、若さなど必ずしも関係のないものと無意識に関連付けてしまっていることから生じていると指摘します。
この置き換えのメカニズムは、恐怖症の中の精神分析学的飛行機を操縦しているようなものです。(これは換喩とも呼ばれます。)しかし実際、人に恐怖心を生むのは別のもので、本人が不便だと感じる性的欲求のようなものです。あるいは、本人が意識的に拒絶する攻撃的な衝動性である場合もあります。
ファラクロフォビアの人は、その欲求や拒絶を認めず、これをしまいこんで精神の底に送ります。その一つの方法が、他の物に対する恐怖に置き換えるというもので、ファラクロフォビアの場合はそれが髪の毛です。お分かりいただけるように、恐怖症は、無意識に拒絶している欲求や衝動を隠し続けるという役割を果たしています。
ファラクロフォビアの治療
様々なタイプの恐怖症にもっともよく使われている治療法は系統的脱感作です。極度の恐怖を生む対象に、少しずつサポートをつけて触れていく方法です。これにより心理療法士は、彼らが恐怖を抱くものに少しずつさらし、接触させる手助けをします。
認知再構成は、治療に頻繁に用いられるもう一つの方法です。不合理な恐怖の裏にある信念を再考し、再構築することが関係しています。(この場合、ファラクロフォビアと魅力の喪失、加齢、容姿の次元を超えることに関連するアイデア)
まとめると、精神分析学者は恐怖症の治療を行いますが、幼少期の経験を含む深い分析の中でこれを行います。これはつまり、本人の高いコミットメントが必要とされる長期の介入になることを意味します。
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Bonet, J. I. C. (2001). Tratamientos psicológicos eficaces para las fobias específicas. Psicothema, 13(3), 447-452.