「レイサス・アサーティブ・スケジュール」とは?
スペンサー・A・レイサス博士によって確立されたレイサス・アサーティブ・スケジュールは、人のアサーティブネスを計測するためのテストです。社交スキルの一つとして、アサーティブネスは幸福な生活を得るために欠かすことができない能力です。どう自分の思考やニーズを表現し、自らの権利を守るべきかを知ることで他人との関係性を最善の状態にし、自尊心を向上させることができます。誰もが生まれつきアサーティブというわけではありませんが、これは自分で発達させることのできるスキルです。
このスキルを磨くためのコツや戦略も存在しています。また、アサーティブネスが向上すれば人間の暴力的行動を減退させることができますし、自尊感情や価値観、そして自己への信頼を高めることも可能です。これらは、ある程度のレベルのアサーティブネスなしでは発達させるのにかなりの時間を要してしまうものなのです。
“定説に疑いを持ち続け、最も一般的な信念であっても検討中の仮説とみなすのが、教養のある人物ならではの特徴だ “
-スペンサー・A・レイサス-
レイサス・アサーティブネス・スケジュール
レイサス・アサーティブネス・スケジュールは依然として正当性があり有効なテストです。一部の人々は自らをかなりアサーティブだと見なしていますが、時にはこれがアグレッシブであることと混同されてしまうことがあります。しかしこのテストがあればアサーティブネスとアグレッシブネスとを区別するのに役立つのです。また、レイサス・スケジュールにはトレーニングガイドとしてのもう一つの目的もあります。
何を計測するのか?
レイサス・アサーティブネス・スケジュールは、以下の事柄を測ります。
- 個人のアサーティブネス。
- その人物が通常自らの権利や考え、ニーズを守ろうとしているかどうか。
- その人物がパッシブ(受け身)がアグレッシブ(積極的)か。
- テストから得られる情報が、どのエリアを改善すべきかを知るために役立つかどうか。例えば、ある人のアサーティブネスの低さは社交不安に由来する、など。
レイサス・アサーティブネス・スケジュールで問われる質問とは?
レイサス尺度は30の質問項目から成り、回答は「完全に当てはまる」から「全く当てはまらない」までの間の6つの選択肢から自分に当てはまるものを選びます。レイサスが1973年に作成した質問票を以下に記します。
- ほとんどの人が自分よりも積極的ではっきりものを言っていると思う。
- 私は恥ずかしさのせいでデートに誘ったり誘われたりするのをためらったことがある。
- レストランで提供された食事に満足できない時、ウェイターやウェイトレスに文句を言うことがある。
- 自分の気持ちが傷つけられている時でも、他人の感情を傷つけないよう配慮する。
- セールスマンが自分には必要のない製品を勧めてきた時、「いらない」と断ることが難しい。
- 頼まれごとをされる時、必ず理由を聞くようにしている。
- 私は活発な議論を好む時がある。
- 私はいつも人より先んじようと努力している。
- 正直なところ、いつも人から利用されていると思う。
- 私は最近知り合った人や知らない人とも会話を楽しむことができる。
- 魅力的だと思う人に対して何と声をかければいいのかわからないことがよくある。
- 会社や施設などに電話をかけるのをためらってしまう。
- 求人に応募したり入学の問い合わせをする際は、直接窓口に行かずに手紙で済ませる方だ。
- 一度買った商品を返品するのは恥ずかしいと感じる。
- 親しくて皆から尊敬されている親戚が自分を困らせることがあったとしたら、苛立ちを表に出すよりも気持ちを抑える方を選ぶだろう。
- 馬鹿な人だと思われるのが怖くて質問ができなかったことがある。
- 人と議論している際、自分があまりにも興奮しすぎて怒り出してしまうのではないか、と時々思う。
- もし著名で尊敬されている講師が間違ったことを言ったと思う時、私は聴衆の前でも自分の意見を述べたいと思う。
- 販売員やセールスマンとの価格交渉は避けるようにしている。
- 何か重要なことや価値のあることを自分が行った時には、他の人にもそのことを知らせようとする。
- 私は自分の気持ちを率直に表現する方だ。
- もし誰かが自分に関する誤った悪い噂を広めようとしていたら、できるだけ早くその人物と直接会ってそのことについて話し合いたい。
- 私は「ノー」とはっきり答えるのが苦手だ。
- 私は自分の気持ちを大げさに表現するよりも、溜め込んで我慢する方だ。
- レストランやその他のあらゆる場所で、サービスが悪い時には文句を言う方だ。
- 人から褒められると、何と答えたらいいのかわからなくなる時がある。
- 上映中や講義中にカップルが近くで大きな声で話していたら、静かにするよう伝えるか、別の場所で会話するよう伝える。
- 列に並んで順番待ちをしている時、誰かが横入りしてきたら厳しく注意する。
- 私はすぐに自分の意見を伝える方だ。
- 全く何も言えなくなることが時々ある。
レイサス・アサーティブネス・スケジュールの査定
このテストを査定するにあたり、テスターはポジティブな回答とネガティブな回答があることを把握しておきます。そしてポイントの合計から数字を導き出し、それによって自らのアサーティブネスのパーセンテージがわかるようになっています。そしてその結果に応じて「アサーティブではない」、「わずかにアサーティブ」、「アサーティブ」、「アグレッシブ」のいずれかに分類されます。
これに従って専任の精神科医がどの側面を改善すべきかやどんな手段を用いてそれを行っていくべきか、また、それらを利用する最善の方法が何かについて説明してくれるので、個人的なニーズを満たせるよう取り組んでいけるようになります。
まとめると、アサーティブネスは自ら学び、発達させ、向上させることが可能なスキルです。そしてこれは、境界線を設置し、他者とより堂々と関わり合えるようになるために、自らの不安定さや社交不安を無くしていこうとする試みなのです。
引用された全ての情報源は、品質、信頼性、時代性、および妥当性を確保するために、私たちのチームによって綿密に審査されました。この記事の参考文献は、学術的または科学的に正確で信頼性があると考えられています。
- Gustafson, R. (1992). Una prueba psicométrica sueca del Rathus Assertiveness Schedule. Psychological Reports , 71 (6), pág. 479. doi: 10.2466 / pr0.71.6.479-482.
- Rathus, SA (1973). Un cronograma de 30 ítems para evaluar el comportamiento asertivo. Behavior Therapy , 4 (3), págs. 398–406. doi: 10.1016 / s0005-7894 (73) 80120-0.
- Rathus, S. A. (1973). A 30-item schedule for assessing assertive behavior. Behavior Therapy, 4(3), 398–406. https://doi.org/10.1016/S0005-7894(73)80120-0