自分の感情を表に出す

自分の感情を表に出す

最後の更新: 22 9月, 2017

子供たちに欲求のコントロール方法を教え、悪い行いをさせないようにするのは良いしつけとされています。欲望のままに自由に振る舞うと、周りの人や自分自身を傷つけてしまうことがあります。しかし、これと全ての感情を抑制することには大きな違いがあるという事実も知っておく必要があります。

しかし残念ながら、これは頻繁に起こっていることです。仕事が忙しかったり、パートナーとの関係が上手くいっていない時、または癒されないままの過去の心の傷がある親などは、子供たちへの忍耐力が足りない傾向にあります。

「聞いただけでは忘れてしまう。教えられて覚えるのだ。そして一緒にやってみて学ぶのだ。」

―ベンジャミン・フランクリン

忍耐力のない親たちは、子供たちを扱いやすいロボットにしたいと思っています。穏やかで静かな、ゆったりとした時間を邪魔せず、怪我なんてもってのほか。いつも言うことを聞いて、言い訳なんてしない。一言で言えば、自分自身の欲求を制御する方法を学んだ子供か、すでに生まれた時からその方法を知っている子供を望んでいます。

親たちは、必死に子供たちに感情のコントロール法を教えようとします。自身に沸き起こる感情を否定したり、無視したりする方法を教えるのは、彼らが社会に出てからきっと役に立つと信じているからです。しかし、現実は大きく違っています。感情を抑えることは良いと信じて育ってきた人たちは、罪悪感に囲まれて一生を過ごし、常に苦しい現実と戦っています。

人々が感情を避ける方法

子供たちは、大人に完全に依存しなくてはいけない未熟な生き物です。たったそれだけの理由から、子供たちは自分の親を偶像化して見ます。多くの親たちは、彼らが自分自身で歩き、自分の道を作ることができるように、教え、時には手を差し伸べてあげるのが子育ての目的だという事実を理解していないようです。理解していないどころか、全く逆の道を進んでいきます。これにより、子供は親の言うことをよく聞くようになりますが、もっと依存し、自立することを学びません。

瓶の中の石けん水

感情を邪魔なものと考えている親たちは、子供たちから感情を切り離そうとします。しかしどうやって?それには様々な方法があります。まず、母親間でよく使われているものは、母親が被害者を演じ子供に後ろめたさを感じさせる方法です。「食べないと、お母さんは悲しくて泣いちゃうかも」などと言います。これは、無害だと思われますが、子供たちの行動が複雑になる原因の一つです。

強制的に圧力をかけたり、恐れを使う方法もあります。この方法を使う両親は、日頃から子供に厳しい罰を与え、子供たちはその罰による恐怖から親の言うことを聞くようになります。最悪な場合は、泣いたり、怒ったり、笑ったり、と子供の健康的な行動にも罰を与えます。「泣き続けたら、どうなるか分かっているか」とか「怒られたくなかったら、笑うのを止めなさい」など。これらのフレーズは、このタイプの子育てをしている親からよく聞かれます。

おそらく子供には泣いたり、笑ったり、怒ったりする明確な理由がきっとあります。子どもの感情が良いものか悪いものか、という問題ではなく、彼らも立派な人間なのです。普通の人間は、笑い、泣き、怒ります。子供たちが学ぶべきなのは、これらの感情が悪い行動へと繋がらないように制限をかける方法のみです。色々な感情を持つことは普通でとても健康的です。しかし、子供たちが悲しみや怒りを経験している時、親は不安になり「制圧」という簡単で残酷な方法を選んでしまいます。

背に羽をもった男性

自分自身を再教育する

子供のころに教えられた心の中にある印は消せないし、傷跡は永遠に残るでしょう。しかし、それらの影響を最小限に抑えることは可能です。印や傷跡の存在を認めてください。こういった感情は心の中に存在し、あなたをネガティブな方向へと引っ張る時もあります。

両親がした間違いに気づいたからと言って、彼らを尊敬したり愛するのを辞めたり、傷つけるという意味ではありません。彼らが与えてくれた教えを補修したり、改善していくと考えてください。もちろん、全ての親は自分の子供の幸せを願っています。しかし、時に彼らは間違った方向に進んでしまうのです。

今これを読んでいる人の中にも、教えられたのと同じように、混乱を招かないために感情には蓋をするのが一番だと未だに考えている人がいるかもしれません。周りの人に、感情を抑えることのできる自分はどれだけ大人なのか、自慢している人もいるはずです。本当に泣きたい時にも自分を抑え、深呼吸をして精一杯我慢していませんか? 怒っていても、叫んだり自分を失うことなく冷静に対応していますよね。また、時に耐え難い不安に教われても、難しい状況に直面しても、あなたは知性を保とうとします。

覚えておいてください。もし、あなたの感情が表に溢れてきたとしても、それは危険でも悪いことでもありません。誰もあなたにそれを心の中に保ち続ける方法を教えてはくれなかったのです。隠すのに必死で、心の中に溜まっていったエネルギーはいつか爆発します。それはもっと大きなダメージを引き起こし、今までのあなたの努力は無駄になるでしょう。

誰もあなたに感情の出し方を教えてくれませんでした。感情はあなたの一部であり、感情により人生がより豊かになるという事実も。一つ吉報は、今日、この日から感情に表に出るチャンスを与えて、今までとは違う付き合い方をしていけるということです。この小さな記事から、感情との新しいお付き合いにあなたをご招待します。

画像提供:マルガリタ・カレバ、アートツリーライト、アン・ミクロス


このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。