思春期の自尊心について

10代の少年少女の生活のあらゆる側面に、自尊心がどれほど高いかということが関わってきます。それには学校、家族、恋愛、などの側面があります。こういった要因が今度は将来的に人格や幸福度に影響を及ぼすのです。
思春期の自尊心について
Sergio De Dios González

によってレビューと承認されています。 心理学者 Sergio De Dios González.

によって書かれた Sara Clemente

最後の更新: 22 12月, 2022

思春期は変化の多い時期です。この世界における自分の居場所を探し続ける発達期なのです。様々な役割や新しいことに挑戦する必要がある、と感じる時期でもあります。だからこそ自尊心の高さが思春期に特に重要となるのです。自尊心が低いと、不運な道を歩み始めてしまうかもしれません。

思春期の間、私たちは自分自身について深く塾考する必要があると強く感じます。それと同時に、10代の脳は成熟していき、新しいことを学んでいくのです。これら全てがアイデンティティ確立の一部です。そして筋の通った自己概念を発達させて初めて自尊心を向上させていくことができます。

自尊心は自己概念を土台としている

自己概念とは、私たちが自分自身に抱いているイメージの全体図で、自己認識を支えるものです。例えば、自己概念は”私はとても衝動的に決断をしてしまう”、”私は公園で犬を散歩させるのが大好きだ”、あるいは”私はスポーツをするととても負けず嫌いになる”というような考えの中に見られるものです。

生まれてから最初の数年間は、自己概念はもっと柔軟です。したがってその時期にはお手本となる人々に吹き込まれる価値観や評価、期待などを取り込んでしまいがちです。しかし思春期になるとこれらはもっと任意的で変わりやすくなります。また、一貫性も薄れてきてしまうのです。

思春期の自尊心について

自分が誰で何者なのか認識できれば、自己概念は自らの重要性についても定めてくれます。だからこそ自己概念は自尊心を包含しているのです。自尊心は自らの重要性をどう評価するかによって決まります。思春期の自尊心には、思考や感情、感覚、そしてそれまでの人生における経験が含まれています。これら全てを判断材料にして、自らをポジティブに捉えるかネガティブに捉えるかを評価するのです。

自尊心はいつ形作られるのか?

私たちは人生の早い段階において、自己概念と同様に自尊心の形成も始めます。これは様々な相互作用のある要因から成るものです。その要因の一つが遺伝的なもの(気質)で、もう一つが環境的なものです(個人的、社会的、文化的なもの)。私たちはこれらを成長とともに吸収していき、内在化していくのです。また、その捉え方は年齢によって変わってきます。

ティーンエイジャーたちは自分自身をどう評価している?

思春期の若者に自分自身を描写するよう頼めば、普通彼らは外見の、体格(魅力、特徴、体つき)について話したり、行なっている活動(知的活動や他人との関わり方)について話してくれるでしょう。同様に、彼らの自分自身に対する観点も自らの重要性や能力といった概念の周りをぐるぐると回っているのでしょう。これは学校でうまくやれるかどうかや社交能力、感情バランスなどと密接に関わっています。

思春期の自尊心は性別によってもいくらか変わってきます。

  • 10代の少女は低く、傷つきやすい自尊心を持っていがちです。彼女たちは外見や交友関係の成功、そして成績についてかなり不安に思っている傾向があります。
  • 男の子の場合、自尊心は男性のステレオタイプである自信を持っているかどうかや強靭さや怖いもの知らずといった能力に寄るところが大きいです。
思春期の自尊心 自己概念

思春期の自尊心

10代の少年少女の生活のあらゆる側面に、自尊心がどれほど高いかということが関わってきます。それには学校、家族、恋愛、などの側面があります。こういった要因が今度は将来的に人格や幸福度に影響を及ぼすのです。

自尊心が高いティーンエイジャーは…

  • 周囲の人々から愛され、受け入れられていると感じています。さらに、学習したり新しいことを試したり新たな体験をする意欲があります。
  • 将来に関して楽観的で、問題点を様々な視点から見ることができる傾向があります。
  • 短期的にも長期的にも目標を定めることができます。自らの行動や決断に責任を持つ能力があります。
  • 自らの強みも弱点もわかっています。批評を受けいれることも、自ら自己批評をしたり問題と向き合うこともできます。
  • 感情的に安定しており、他人への共感を示します。
  • 他人のニーズに敏感です。コミュニケーションが簡単にでき、健全な人間関係の輪の中にいます。

自尊心が低いティーンエイジャーは…

しかし、自尊心が低くなりつつあるティーンエイジャーに見られる兆候を示す行動は、自分に対してや自分の能力に対する自信のなさが元になっています。自尊心の低い思春期の若者は…

  • 自分を他人より劣っていると見なし、尊敬されない、低評価な人物だと考えてしまいます。協力して行うようなグループ活動を拒むこともあります。
  • 不安を感じており、失敗することへの恐怖に立ちすくんでいます。
  • 規律が乱れていたり、参加意欲が低かったり、責任をとる能力が劣っていることが多いです。
  • 目立とうとしたり、常に注目を集めたがってしまうせいで、嘘をついたり不正直になりがちです。
  • 他人を非難し、攻撃的、暴力的、反抗的態度や幼稚な態度、あるいは反社会的な態度をとったりします。
ティーンエージャー 自尊心

自尊心は何のためのもの?

エリクソンによると、思春期はアイデンティティ探しと意味探しの時期だそうです。危機やホルモンバランスの乱れが特徴的な時期ではありますが、それは健全なことであり大人になった時に強い自我を持つことにつながります。アイデンティティを確立することは将来を考える上で重要です。

そこで、自尊心が自分自身を受け入れて自分ならではの特質を見定める時に手助けとなってくれます。私たちは自分の欠点を把握しておくべきですが、強みを理解することも大切であり、それを磨くべきなのです。

これは自己中心になるという意味ではありません。現実的になり、自己の価値を高めていこうという話です。自尊心とは自分自身および他者に対する尊敬の印です。自分自身を尊敬できる人は他人にことも尊敬できる人です。そして自分自身を評価できる人は他人のことも評価できるのです。


引用された全ての情報源は、品質、信頼性、時代性、および妥当性を確保するために、私たちのチームによって綿密に審査されました。この記事の参考文献は、学術的または科学的に正確で信頼性があると考えられています。


  • Erikson, Erik (2005) Indentidad, juventud y crisis. Madrid: Taurus
  • Naranjo, C. R., & González, A. C. (2012). Autoestima en la adolescencia: Análisis y estrategias de intervención. International Journal of Psychology and Psychological Therapy. https://doi.org/10.1016/j.jaac.2013.01.011
  • Chang, M. (2007). Cultural differences in parenting styles and their effects on teens’ self-esteem , perceived parental relationship satisfaction, and self-satisfaction. Dietrich Collage Honors Theses, 1–46. Retrieved from http://repository.cmu.edu/hsshonors/85

このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。